『季刊・本とコンピュータ』最終号を手に

11時に仕事場へ。『季刊・本とコンピュータ』第二期第16号、つまり最終号を手にする。先週金曜日にはできていたのだが、仕事場に寄れなかったので。総目次がついているせいで、厚い。特集は「はじまりの本、おわりの本」。これまでだと、最初の段階で特集の性格付けというか方向性をかなり詰めるのだが、今号は最後なので、「はじまりの本、おわりの本」というお題で、いい文章を書いてくださるであろう著者に片っ端から依頼した。一見ラクなやりかたに見えるかもしれないが、出来上がりのビジョンが描けなければこういう無謀なコトはできない。その意味では、コレまでの31号分の蓄積が背後にあったからこそ、自信を持って「自由に書いてください」と依頼できたのかもしれない。ぼくの担当は、小沢信男さん、粉川哲夫さん、西江雅之さん、杉浦康平さん(インタビュー)、井上真琴さん、連載の山崎浩一さん、それと自分の原稿だった。もうそろそろ書店に並んでいると思うので、ぜひ手に取ってみてください。某書店でのバックナンバーフェアの企画も進行中。


「終刊のお知らせ」の紙を挟み、関係者に送る雑誌の発送をやる。三カ月に一回やってたこの作業も今回でおわりなのだ(ときどきサボったこともあるが)。なんだか感慨深い。12時に日本ペンクラブの方と会い、秋に行なうという国際シンポジウムの話を聞く。そのあと、荷物の整理をしながら、某社のゲラを見る。4色ページのレイアウトがいい感じ。


5時ごろに出て、日暮里へ。小沢信男さんのお宅に伺い、季刊を一冊届ける。小沢さんには、1997年の創刊号で、マイクロソフトエンカルタ97』日本語版(!)の書評をお願いして以来、10回以上登場していただいた。どんなテーマでも、「そう? じゃあ、まあやってみましょうか」と引き受けてくださり、こちらの意図などかるく超えた原稿を書いてくれる小沢さんには、いつも感謝していた(今号で書いていただいた小沢さんの「はじまりの漫画、おわりのマンガ」も、短いけどじつにイイ)。お疲れさま、ということで、泡盛で乾杯。小沢さんといえば、『みすず』の連載、新しい号で向井孝(こんな人でした→ http://www.ne.jp/asahi/anarchy/saluton/saluto_j.htm)について書かれている。小沢さんが描く人物は、誰もが生き生きとしているんだよなあ。それは、きっと小沢さん自身がずっと自由に生きてきたからだろう。こないだ松本八郎さんとも話したけど、「小沢さんというフリーターの大先輩がいるうちは、われわれも安心していられる」のであった。


7時ごろ辞去し、ウチに帰る。泡盛が回ったか、ちょっとヨコになったら10時。旬公のリクエストで、久しぶりにカレーをつくる。できあがったのは11時半だった。食べてから、テレビを見たり、メールをチェックしていると、もう2時前だった。早いねえ。