ミニコミガイドとカラ元気

午前中は、某社の本の追い込み。連絡事項多し。12時すぎに出かける。大阪の〈貸本喫茶ちょうちょぼっこ〉(http://www.nk.rim.or.jp/%7Eapricot/chochobocko.html)のイベント『booklet of booklet ボブ』の小冊子が送られてくる。中野の〈タコシェ〉が選んだミニコミをテーマ別に紹介し、ミニコミ関係者のコラムを載せるとは聞いていたが、予想以上にスバラシイ出来。40ページもあり、ミニコミの発行者・読者・書店の肉声が聞こえてくる。ミニコミ取り扱い店リストもある。ぼくは2000年に何人かと一緒に『ミニコミ魂』(晶文社)をつくったが、その後の状況をフォローすることができなかった。東京と京都のギャラリーでミニコミの展示をやったときも、現物を選ぶのが精一杯で、冊子にまとめるコトまでできなかった。しかし、この小冊子は、リスト+コラムという読みやすい形式で、「ミニコミガイド 2005」という副題にふさわしく、現時点でのミニコミ状況を見渡せるものになっている。これが500円というのは安い。たぶん、タコシェほか数店で入手できるハズ。


この小冊子で、ぼくは1980年代に5号ぐらいまで出た『綺譚』のことを書いた。なお、ほかの人の文章がきちんとしたタイトルになってたのに、ぼくのは雑誌名そのままになっていたこと。ゲラでは自分の部分しか送られてこなかったので、雑誌名で統一するんだと思い込んでたのだ。それだけが、ちょっと残念。あと、今日は『改訂版 モダン古書案内』(マーブルトロン)も送られてくる。増補された地図に、「不忍ブックストリート」が入っていたので。


新宿に出て、〈ブックファースト〉を覗く。なんとまあ、書店に入ったのはほぼ10日ぶりというありえない事態だ。当然、欲しい本がたくさんあった(和田博文『飛行の夢 1783-1945』藤原書店、や花田佳明『植田実の編集現場 建築を伝えるということ』ラトルズ、など)がガマンして、坪内祐三『古本的』(毎日新聞社)、中原昌也『続・エーガ界に捧ぐ』(扶桑社)、遠藤淑子『犬ぐらし』(白泉社)の3冊を買う。そのあと、西口のB社に行き、打ち合わせ。ココの雑誌に、懸案の人物ルポを数本載せてもらえるかも。


都営新宿線飯田橋有楽町線江戸川橋に出て、EDIへ。松本八郎御大に久しぶりにお会いする。ハチローくんは相変わらず快調。企画の相談をされたのだが、あっちこっちに脱線し、面白いからこっちもそれに付き合って、たちまち2時間すぎる。金沢で亀鳴屋の勝井さんにお会いした話をしたら、「あそこの本は素晴らしいと思ったけど、私が計算したらどうしても原価より安くはできないんですよ。大丈夫なんですかねえ、あそこは」とおっしゃる。採算度外視で出版を続けているハチローくんに心配させるとは、亀鳴屋はスゴイ。完結したEDI叢書の最後の二冊(『南部修太郎 三篇』と『畔柳二美 三篇』)を頂戴する。そのあと、近くの飲み屋に入り、いろいろと話す。やっぱり、貧乏でも出すべきものを出している出版者に会うと、元気が出るなあ。カラ元気かもしれないけど。