モクローくん、シャツを買う

仕事場で資料の整理。雑誌から取ったコピーとか、フリーペーパーの類とかを、どうまとめておくかで悩む。いままでは、段ボール箱にほおりこんでいたのだが、今後は保存スペースも限られるし、死蔵するぐらいなら捨てるほうがいい。でも、これまでいろんな整理術を試したが、ズボラで飽きっぽい性格でも続けられる整理術ってナイんだよな、けっきょく。


4時過ぎに出て、市ヶ谷の〈文教堂書店〉で『Hotwax』第2号を。特集は梶芽衣子とモッブス、そして深作欣二。新宿へ。西口・小田急ハルクの地下にある喫茶店で、時間つぶし。『ユリイカ』のムーンライダーズ特集を半分ぐらい読み終わる。地上に出て、旬公と待ち合わせ。東口に出る。旬公は〈世界堂〉で用事があるので、ぼくは近くの〈あおい書店〉へ。探していた本は見つからず、代わりにブレット・ミラノ『ビニール・ジャンキーズ レコード・コレクターという奇妙な人生』(河出書房新社)を買う。


また落ち合って、新宿三丁目の駅そばにある湖南料理の〈雪園〉へ。昼のランチ(安くてうまい)はときどき来るのだが、夜は初めて。メニューを見ると値段は高め。前菜とネギラーメン、魚卵炒飯を食べる。「魚卵ってなんの魚ですか?」とウェイトレスに訊くと、「とびっこです」と答える。つまり、トビウオの卵なのだった。歯ざわりがイイ。


そのあと、とっとと帰りたかったが、旬公に連れられて〈ジーンズ・メイト〉へ。よれよれのシャツばっかり着ているから、古いのを捨てて、新しいのを買えと云うのだ。こういうトコロに来ると、とたんに口数が少なくなるワタシ。サイズだけ合わせたら、あとは旬公が選ぶのに任せて、4枚買う。服を買うのって、買い物をしたというカタルシスがまったくないよなあ(世間の大方のヒトは、古本について同じコトを感じるのだろうか)。


ウチに帰ると、『ぐるり』の新しい号が届いている。特集は沢田としき。この雑誌の表紙を描いているヒトだ。ぼくの「ふたたびの音」は、「よしだよしこ――そして唄だけが残る」。よしださんのライブに行ったことを書きつつ、この日に亡くなった高田渡にも触れた。次のページでは、「高田渡さんのあしあと」として吉祥寺でよく訪れた店を紹介している。はからずも、高田渡を追悼する小特集となった。芦辺拓『三百年の謎匣』(早川書房)を読む。目下、この作家にハマってます。明日は朝から原稿を書かなきゃならないので、早めに布団を敷いてヨコになるが、眠れなくなってまた本を読む。3時ごろ眠る。