「この店で買った本」の感想を募集します

朝は洗濯したり、風呂に入ったり。旬公と自転車で出て、東京新聞の販売所を探す。田端の生協の近くで見つけたが、呼んでも誰も出てこない。お昼寝タイムらしい。電話して店に出てきてもらい、金曜の朝刊を数部買う。不忍通りのイタリア料理屋に行き、新聞を見ると、おお、たしかに載っている。最終面の半分ぐらいを占めている。文章だけでなく、カラー写真が5点も。〈古書ほうろう〉前の写真には、矢部登さん、助教授と彼女、野口英司さん、ほうろうのミカコさんが映っている。牛イチロー先生らしきヒトはなぜか顔を隠している。指名手配中か? なんだかすっかりゴキゲンの南陀楼と旬公の写真も載ってました。取材・文は吉岡逸夫さん。準備段階からハナシを聞きに来てくれ、当日も最後まで付き合ってくれた。感謝です。ボロネーズのスパゲティを食べる。ワインも飲んで、ちょっとイイ気分。


そのあと仕事場へ行き、6時ごろまでいろいろ。今日は〈古本酒場コクテイル〉で、ふちがみとふなとのライブがある。絶対行きたかったが、いまの状況では動けそうにない。今月は、オフノート関係のライブなど、見逃したものが多くて残念。27日のムーンライダーズは這ってでも行くぞ(ちなみにチケットが一枚余っています。南陀楼と一緒に行ってもイイという方はお申し出ください。女性はちょっと割引します。岡崎さんと違って、女性ファンがほとんどいないので、サービスします)。帰りの電車で、「日本古書通信」を読む。神戸のG荘の目録に、以下のような不思議な一文が。

お客様方にお願い。私坂◎万止むを得ぬ事情で職場を離れる事になるかも判りません。(略)其内容は今は申上げられません、若しも実現の際はマスメディアが発表あるかも、決して悪事ではありませんのでご安心ください。感謝

ホトンドの読者にはナニがなにやら、だろうが、一時期この店の目録を送ってもらったぼくには判る。その目録では、店主は世界平和についての秘策を持っていると訴え、その手紙を翻訳してブッシュに送ってくれるヒトを探していたのだ。きっと、翻訳者が見つかって、世界の大舞台に打って出るコトにしたのだろう。ホワイトハウスあたりで演説する店主の姿を「マスメディア」が発表するのを待とう! それにしても、「決して悪事ではありません」というのが泣かせるネ。


千駄木で降りて、久しぶりにブックオフを覗く。そのあと、すずらん通りで晩飯でもと思ったが、どこも満員。この辺りのヒトは、平日はあまり外食しない代わりに、日曜日に家族や友人で食事するコトが多いようだ。なので、日曜日の夜に一人で入れる店が案外見つからない。不忍通りの〈稲毛屋〉に行くが、ここも満員。カウンターに座るが、おばあさんから孫(中学生の男の子と小学生の女の子)まで家族総動員での修羅場がぜんぶコッチに伝わってくるので落ち着かない。家族で店をやるのはタイヘンだが、でもいい雰囲気ではあった。


ウチに帰り、NHKの『シルクロード』、9時から新しいのを、11時から前のを続けて観る。
今日は天山南路。新版もヨカッタが、クチャの仏教遺跡に描かれた楽器(それが日本に伝わり正倉院に蔵されている)といま(といっても25年前だが)の人たちの生活に溶け込んでいる音楽との関わりを追った旧版に軍配を上げたい。


12時過ぎに「本のメルマガ」第213号が配信。ぼくの「全点報告 この店で買った本」は今回で60回。まる5年もやったコトになる。じつはこの連載、次回で終了することになっている。その理由を挙げた部分を引用する。

(1)書店の変化を観察して、それに自分なりのコメントを付け加えるという行為に疲れてきた。似たようなことを書くことになってしまうので、書店について書くのなら、別のアプローチを考えたい。
(2)書物関係のブログでは、自分が買った本について報告するのがごくフツーのことになりつつある。もっと熱心なヒトのブログに任せたい。
(3)自分の日記「ナンダロウアヤシゲな日々」で先に書いてしまうことが多く、ネタがかぶるのが気になる。
(4)7月からビンボーになる。もちろんどんな生活でも本は買い続けるだろうが、新刊書の購入冊数はたぶん減るだろうし、こういう連載しているとネタになりそうだという理由でつい買ってしまうので……。
 直接的には、最後の理由が大きいかな。以前も書いたけど、(仕事でも私事でも)本の世界に関わる限り、可能な限り本を買い続けるコトはやめないだろう。でも、収入に合わせて、これまでだったらスグに新刊で買っていた本を古本屋で買うこともあるだろうし、図書館で読むこともあるだろう。そうすると、「月に50冊以上本を買っている変わり者の記録」というこの連載のウリが消えてしまう。
 また、(2)に挙げたように、毎月多くの本を買っているヒトがそのことをブログで書いているし、アフィリエートの導入、他のブログとの連携などによって、本のススメかたも様変わりしつつあるようだ。だから、「もうそろそろイイかな……」と思ったのだ。


というワケです。あとはもう、退屈男さんや四谷書房さん、晩鮭亭さんたち、書物ブログの皆さんにお任せしまーす。ま、リストをつけるのはもはや習慣になっていて、今後も買った本についてはこの日記で書いていくだろうから、そんなに大枠は変わりないのですが。


メルマガでも告知しましたが、この「全点報告 この店で買った本」を読んでくださった方にお願いです。この連載についてのご意見・ご感想をお聞かせください。「こいつは本を買いすぎだと思ってた」とか、「オレのほうがもっと書店を回ってる」とか、なんでも結構です。いただいたメールは、最終回を書くための参考にさせていただきます(匿名で一部引用することもあります)。じつはこの連載やっていて、「読んでますよ」と云ってくださる方は多かったのですが、どう読まれているかがイマイチ判らなかったのです。だから、最後にぜひ知りたいという気がするのです。締め切りはとくに設けませんが、次回の発行日(6月15日)より前に、kawakami@honco.net まで送ってくださるとウレシイです。どうぞヨロシク。