直球の新雑誌と完結した叢書

朝、旬公に付き合って、有楽町の〈ビックカメラ〉へ。携帯用のケーブルを買ったあと、上階のカフェでパソコンに接続しようとするが、ドライバをインストールするためのCD-ROMドライブにACアダプタが必要だと判明。ダメじゃん。パソコン本体から電源が供給されるとばっかり思っていた。しょうがないので夜にやるコトに。


仕事場に行って、原稿の整理。3本のゲラをつくる。確認や連絡に追われる。合い間に、「デウスエクスマキな食卓」(http://blog.livedoor.jp/kekkojin/)を見ていたら、「HIS」が再結成するというニュース(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050509-00000018-spn-ent)が紹介されている。忌野清志郎細野晴臣坂本冬美が1991年に結成したユニットだが、CDを聴いてあまりの予定調和に脱力したものだ。「伝説ユニット」ですか。世の中には復活しないほうがいいモノもあるのでは。しかし、あれからもう14年とは、1990年代は遠くなりにけり。あと、「一箱古本市」で取材された記事のゲラを戻したり、短いアンケートを書いたりしていると、7時になった。


帰りに市ヶ谷の〈文教堂書店〉で、『NONFIX ナックルズ』(ミリオン出版)の創刊号を買う。表紙には「世の中の理不尽に喧嘩を売る雑誌」とある。『実話ナックルズ』から派生した雑誌で、編集長(久田将義氏)も同じだが、この判型と内容からは、久田氏が以前編集していた『ダークサイドジャパン』を思い出す。グラビアも連載エッセイやコラムもなく、雑誌にしては長めのノンフィクション記事が15本以上並んでいる。直球である。まだ、特集「石原都知事・恐怖の歌舞伎町浄化作戦」のうち、松沢呉一「東京都、条例の嵐の犠牲者たち」しか読んでいない(知らないコトばかりで驚いた)が、久々に読みごたえのある雑誌が出てきた、という気がする。久田氏はたぶんぼくと同世代のハズだが、次にナニをやるかがいつも気になる一人だ。


ウチに帰り、晩飯(鶏肉とゴボウの煮物)をつくって、食べる。そのあと、旬公のパソコンを設定。OSと携帯ケーブルとニフティと携帯本体の設定をぜんぶ確認しなければならず、すっかりイヤになる。1時間ほどあれこれやってるうちに、なんとか通信できるようになってヨカッタ。


そういえば、日曜日の日記で書いた、「東京スムース友の会」での忘れ物(ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブの帽子)、アレはEDIの藤城さんのものだと判明。じつは当日、藤城さんがそういう帽子をかぶっていたようなうっすらとした記憶があり、セドローくんに「藤城さんのものじゃないの?」と尋ねたのだが、言下に「違うでしょう、藤城さんがブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブかぶっていたらオモシロイけど」と否定されたのだった。その旨を藤城さんに伝えたら、「おかしいなぁセドローくん、古書現世の目録でラテンアメリカのアイテムはしばしば買ってるんですけど。若い頃に南米やスペインを旅行して以来、スペイン語圏には関心が高いのです」ですと。この答えもなんだかオカシイ。「若い頃」って、藤城さんっていくつだ? 一時期、EDIの丁稚だった柳瀬くんからは、藤城さんが某ミュージシャンの追っかけだという情報も聞いている。『ドラゴンボール』を愛読するハチローくん(松本八郎さん)、ラテン好きな藤城さん。明治・大正・昭和の忘れられた作家たちを集成する「EDI叢書」を何年もかかって完結させた方々が、じつはそんな愉快な面々だとは、昨日UBCで講演された荒川洋治さんもさすがにご存知あるまい。ともあれ、完結おめでとうございます。