蝦蟇に会わずにマユタンに会った

眠い。仕事場へ行き、進行状況の確認。今日届くはずの原稿が2本未着。西江雅之さんの原稿がファクスで送られてくる。電話すると、フロッピーで渡したいというコトなので、慌てて用事を片付け、中央線で三鷹へ。南口の再開発、ますますヒドいことになっている。以前の道がなくなって、これまで存在しなかった別の道ができているんだもん。ナニやってるのか。長崎ちゃんぽん(味はイマイチ)を食べて、西江さんのご自宅へ。以前、「本コ」の旬公の連載「センセイの書斎」の取材のために、一度伺ったコトがある、通称「蝦蟇屋敷」だ。門を入って玄関までのあいだの草むらに蝦蟇が何匹かいると、以前、西江さんに聞いたコトがある。出会いたくないので、小走りにナカへ。入口に蝦蟇の置物がお出迎え、部屋の中にはカエルのくんせいみたいなモノがぶらさがっている。カエル嫌いにはおそろしく危険な場所なのだ。フロッピーを受け取り、数日前まで台湾に行っていたというお話を聞く。ある新興宗教の行事がメチャクチャおもしろそうだ。


そこから10分ほど歩き、〈上々堂〉へ。店番のタマさんより、先月の売上を受け取る。しばらく来ないうちに、だいぶ棚のカンジが変わった。「古書モクロー」は在庫をまとめて送っただけで、自分では並べてないが、岡崎さんやハルミンさんの本とうまく混ぜておいてくれている。ストックを見て、少しだけ並べ替える。CDもありますので、よろしければどうぞ。三鷹駅までテクテク歩いて戻る。今日は数日ぶりに万歩計をつけたが、三鷹だけでもずいぶん歩数を稼いだぞ。


新宿に出て、〈タワーレコード〉。先日から、JB(渕上純子+bikkeのデュオ)[ルリパキダンス]というアルバムを探しているのだが、ドコにも置いてない。ここでも見つからず。もう発売してるハズなのになあ。ホントは今週末、15日に〈古本酒場コクテイル〉で行なわれる、ふちがみとふなとのライブに行けば帰るのだろうが、ちょっと行けそうにない。しょうがないから、ネットで買うかなあ。そのあと、ルミネ2の〈ブックファースト〉へ。全面的にリニューアルしていた。ぼくは書店のリニューアルは大胆にやるほうが好きなので、リニューアル自体は支持するが、全体的に女性を意識しているというか、女性客にしか目を向けてない印象を受けた。同チェーンとしては、銀座コア店に雰囲気が近いか。そんなコトを考えながら、仕事の本を探していたら、高野マユタンに声をかけられる。デザイナーの原条さんがご一緒だった。マユたんはぼくにナニか相談したいらしいが、なんかコーフンしているし、相変わらず「あのあのあの」とマユ語で喋るので、よく判らなかった。またメールしてもらうことに(でも、メールもマユ文体なんだよなあ……)。


ウチに帰り、少し仕事をしたあと、旬公と〈花歩〉へ。「一箱古本市」の大家さんだ。当日は休みの日なのに、店を開けてくれた。お客さんが多かったとおっしゃるのでホッとする。旬公と仕事の打ち合わせをして、久しぶりに〈古書ほうろう〉へ。そのあと、自転車で田端のほうを回って、帰ってくる。今日は1万2000歩。


金沢でお会いした〈あうん堂〉(http://www.aun-do.info/)の本多さんより、『そらあるき』というミニコミの創刊号が送られてきた。金沢市内のギャラリー、カフェ、骨董屋、バーなどのオーナーが共同でつくるミニコミ。グリーンとスミの二色刷り。「金沢そらあるきマップ」も入っている。本文は、各店のオーナーのエッセイ。皆さん達者なのだけど、金沢の店になじみのない読者からすると、創刊号に関しては、それぞれの店の来歴やオーナーのプロフィールを知りたかった気もする。巻頭エッセイは〈ユトレヒト〉の江口宏志さん。10年前に金沢で暮らしていたコトがあるそうだ。へえ。


もうひとつ、雑誌について。昨日コンビニで買った『YOUNG YOU』6月号に、近頃お気に入りの勝田文と、ずっとお気に入りの清原なつのの読みきりが載っていた。しかし、前者はページが長いワリにはいまいちすっきりしない展開であり、後者(「良く晴れた微風の日」)は久しぶりの長い(といっても16ページだが)マンガのためか、絵とセリフでなく、ナレーションのようなネームで話を進めていた。とはいえ、清原なつのの新作が読めるなんてウレシイ。そういえば今月、本の雑誌社から、「清原なつの忘れ物BOX」というのが出る(http://www.webdokusho.com/kanko/index.html#comingsoon)。『サボテン姫とイグアナ王子 清原なつの忘れ物BOX1』『二十歳のバースディ・プレート 清原なつの忘れ物BOX2』の二冊で、ぜんぶこれまでの単行本に未収録の作品らしい。昨年の『千利休』といい、本の雑誌社清原なつのの熱狂的ファンで実力のある編集者がいるらしい。いいぞ、いいぞ、新作も再刊もドンドン出してくれ! 清原さんの本ならぜんぶ買いますから。バラバラにしか単行本に収録されてない、「清原さんのおけいこ日記」(うろ覚え)なんて、一冊にまとまらないですかねえ。