豪華でチープな日本映画

今日も仕事場で地味に作業をする。途中、郵便局に寄るついでに昼飯を食ってきたが、あとは仕事場で過す。この時期はとにかく、どれだけ長時間、集中していられるかの勝負です。しかし、あまり進まないときには、なんか別のコトをやって気分転換するほうがイイ。今日は台北ブックフェアの件で、喜国雅彦さんからお電話をいただいた。そう、あのマンガ家で「本棚探偵」シリーズの著者だ。台北ブックフェアでは、装幀がいい本としてこのシリーズも展示される。それで「本コ」のコトを知られたそうだ。いきなり「いやー、台湾って日帰りで行けると思ってましたよ」と。海外にいくときはわざと行き当たりばったりに動くのだそうだ。日帰りでも行けるけど、ブックフェアを見る時間ありませんよ、と云う。そのあと、台北の古本屋はいいですよ〜とも話す。結局、仕事のご都合でぼくよりも遅い時期に台北に行かれるとのこと。


どうして喜国さんが台北に、と聞くと、「有栖川有栖さんがブックフェアに出られるというので」とのこと。知らなかった。あとで有栖川さんのサイト(http://homepage3.nifty.com/arisugawa/)を見ると、たしかに台北訪問の件が載っている。書店でサイン会もやるらしい。ちなみに、このブックフェアにはなんとアメリカの作家ローレンス・ブロックも来る。ゲストのリストに「美国著名作家」と書かれたのを見て、「誰だコイツ」と一瞬思ったが、よく読むとおお、あの「泥棒バーニイ」シリーズのミステリ作家ではないか。わりと好きです、このヒト(短編集も読んでいる)。慌てて、未読だった『ローレンス・ブロックのベストセラー作家入門』を版元の原書房に注文する。もし会えたら、サインしてもらおう。


ほかにも、カナダのバンクーバーから、「本コ」のバックナンバーを買いたいという電話が入り、研究のために急いでいるということだったから、ファクスで送ってあげたら、受信できないとかで、えらく手間を取られた。そんなこんなで、8時にキリをつけて出る。根津に出て、〈往来堂書店〉。平台の使い方が、またちょっと変わったかな。三浦展ファスト風土化する日本』(洋泉社新書)と同じ三浦氏の監修のムック『検証 地方がヘンだ!』(洋泉社)が並べてあったので、両方買う。「ファスト風土」とはあまりできのよくないダジャレだが、地方がドコも同じ風景になっている理由を考えてみたかったので、コレはぜひ読んでおきたい。


ウチに帰り、豚足とネギの煮込みで晩御飯。借りてきたDVDで、《八つ墓村》(1977、野村芳太郎監督)を観る。開始5分後、加藤嘉が「辰弥……」と呟いた直後に、絶叫して死ぬシーンからもう、見世物っぽさが横溢。岡山・鳥取の山村を中心に全国でロケしただけあり、豪華な大作であるが、どこかチープな感じがつきまとう。そこがオモシロかった。途中までで止めるつもりだったが、結局最後まで観てしまう(旬公は昨日一度観たくせに、また一緒に観ていた)。


そのあと、さっき買った『pen』2月15日号をパラパラ。「植草甚一のように、歩いてみたい。男の東京マップ」という特集なのだが、植草甚一、ほとんどカンケーないじゃん! 谷根千地域も入っているが、「〈アラン・ウエスト・ギャラリー〉〈スカイ・ザ・バスハウス〉で、絵心をくすぐられたJ・Jは、言問通りの画材屋〈金開堂〉に駆け込むか。それとも、三崎坂へまわって〈タムタム〉〈イリヤッド〉の雑貨屋めぐりをするか」って、仮定のハナシをされてもなあ……。なんだか、「羊頭狗肉」というコトバが浮かんでしまう。そうこうしてるウチにもう3時だ。早いなあ。


【今日の郵便物】
★古書目録 サンシャインシティ大古本まつり、池袋西武、戸川書店
サンシャインの目録では、立石書店の硬いのからやわらかいのまで取り揃えた並べ方がオモシロイ。雑誌『温泉』は、一号ごとに登場する作家の名前が載っていて、ちょっと興味が湧いた。星新一が温泉についてなに書いてるのか、知りたい気も。
勝川克志さんより 『のんき新聞』第8号
勝川さん、久しぶりに豆本を制作したそうだ。タイトルは『漫画小夜曲(セレナーデ)』。普及版、限定版、特装版の三種類がある。