読書が進む雨の日

10時前に目が覚める。寒い。まだ雪にはなってなかったが、雨が降っていた。今日は古書展には行かず、ウチの近辺で過すことに。12時すぎに出かけて、まず〈古書ほうろう〉。不忍通りを歩き、千駄木駅近くのうなぎ屋〈鳥安〉で、ランチの親子重を食べる。ちょっと出汁が甘ったるいけど、ウマかった。〈往来堂書店〉で、岡留安則『「噂の眞相」25年戦記』(集英社新書)、浜野佐知『女が映画を作るとき』(平凡社新書)などを買う。〈結構人ミルクホール〉で、コーヒーを飲みながら、『「噂の眞相」〜』を三分の一ぐらい読む。そこそこオモシロイので、今回の『レモンクラブ』書評はこの本に決める。


そのあと、「谷中コミュニティセンター」内の台東区図書館分館へ。この中に図書館があることが以前から知っていたが、何百冊か置いてあるだけだろうと、入ってみなかった。しかし、昨日小林信彦の『小説探検』に出てきた、田中光二『オリンポスの黄昏』がココにあることを知り、行ってみた。意外と広いし、かなり以前の小説が開架になっていた(文京区などでは閉架されていることが多く、めんどくさい)。田中光二の本のほか、数冊借りる。


ウチに帰ると、ポストに岡崎武志さんから冊子小包。開けてみると、新刊『古本生活読本』(ちくま文庫)だ。嬉しい。明日からインド行きの旬公が、しゃかりきで仕事を片付けているヨコで、本を読む。新書を3冊読了して、久しぶりに読書に励んだ気分。8時ごろ、旬公と〈千尋〉へ。ぼくは燗酒。鱈の刺身を初めて食べる。おにぎりと汁でシメる。ああ、美味しい。雨、降り続いている。


鎌倉の義父にメール。こないだ『週刊新潮』の「掲示板」(有名人がいろいろ募集したりするアレです)に、外交評論家のO氏が古本屋を探していると載っていた、ついては「君の古本屋知識をみこんで、教えてくれ」とのご依頼。でも、この文章には、「我々が抱いた少年時代の夢を子供達に伝えるために、昭和20年代に出回った児童向け絵本や童話を探してます」とあるだけで、どうも漠然としている。O氏がどんな児童書を求めているかが、ハッキリしないのだ(O氏自身は、終戦直後に生れ、「キンダーブックや小川未明の童話集などに夢中だった」とあるが、両方とも戦前から出ているからなあ)。義父はO氏のファンだそうで、力になってあげたいらしい。とりあえず、神保町の〈みわ書房〉と「日本の古本屋」を教えておいたが、それぐらい『週刊新潮』の編集部でも教えてくれそうだしなあ。最近、義父に「うちの婿は本を買うのが仕事」と覚えてもらったのはイイが、今度は逆に本のことならナンでも判るみたいに思われて、困っている。すいません、お義父さん。まだ勉強中の身なもので……。


【今日の郵便物】
★『クイックジャパン
★古書目録 石神井書林