浅草まで自転車で

朝9時に起きる。今日は自宅で仕事。午前中、企画書をひとつ書く。なるべく早く実現させたい。〈古書ほうろう〉を覗く。「古書モクロー」はまだ動きナシ。そのあと〈ブックオフ〉に寄って、ウチに帰る。昼飯は出雲そば。仕事のメモをとりながら、テレビ東京の映画を観る。ウェブリー・スナイブス主演のサスペンスもの。いまいち。途中のCMで、来週の平日昼間、一日ごとに《ダーティ・ハリー》を2から5までやっていくと知り、アキレる。最近のテレ東の映画編成は、すっかり開き直っていてオモシロイ。主婦層を諦めて、フリーターや引きこもりをターゲットにしているのだろうか。


3時過ぎ、自転車で出かける。寒いので、耳まで隠れるマフラーと手袋(片っぽしかみ浸からなかった)で防寒。銀行で金を下ろし、郵便局で区民税を振り込む。しかしこれ、15年度のものなんだよねえ。今月は、12月の神戸行きや出雲行きの交通費がカードで引き落とされているので、すっかり金欠になってしまった。


三ノ輪まで行き、交差点近くの根岸図書館へ。ネットで検索してみたら、年末から探していた雑誌のバックナンバーがココにあったのだ。灯台下暗し。台東区の図書館利用カードをつくる。閲覧席には、暖を取りにきたのだろう、ホームレスらしきヒトたちが何人も座っていた。そのあと、竜泉、千束を通り、かっぱ橋道具街の入り口にある「生涯教育センター」へ。〈なってるハウス〉に行ったとき、この大きな建物はなんだろう? と思っていた。その一階と二階に、台東区中央図書館が入っている。館内は想像していたよりもずっと広い。まず二階の郷土資料室へ。ココに堀切直人さんが通って『浅草』を書きあげたのだ。東京、とくに浅草に関する資料が揃っている。戦前の本や雑誌も開架されている。百科事典や人名事典も同じ部屋にあるのもイイ。これだけ多くの資料が目の前にあることに、軽いコーフンを覚える。パソコンが使える場所もあるし、今年はこの図書館に通って調べものをしようと思う。一階(ここも蔵書が多い)で一冊借りて、出る。


伝法院通りを抜けて、〈松屋〉へ。7階の催し場で古本市。初日だが、夕方なのでヒトは少なく、ゆっくり見られた。野田宇太郎『文学散歩』第21巻・下(文一総合出版)は、山陰の文学関係地を訪れている。1000円。小林信彦インタビュー(聞き手は浅羽通明)が載っている『海燕』1995年11月号が200円。『奇想天外臨時増刊号 吾妻ひでお大全集』(1981年)はあまりに安いので、「古書モクロー」で売るつもりで買った。目録で注文した2冊も当たっていた。奥で仕事をしていたイチローくんを呼び出して、ちょっと立ち話。


すっかり暗くなった。行きと同じ道を逆へ。西浅草の交差点にある新古書店を覗く。竜泉のバス停の前にある〈不二食堂〉に初めて入る。去年閉店するというハナシもあったが、まだ営業していた。店内はテーブルと小上がり。チューハイを飲む。常連のお客さんばかりで、ぼくはちょっと浮いていたようだ。大関横丁新古書店も覗いて、ウチに帰ったのは7時過ぎだった。寒かったけど、なかなかに充実の自転車での遠出だった。


夕飯のあと、テレビで松本清張原作の《黒い画集・紐》を観る。まァこんなもんか。そのあとメールを書いたり、ゲラを直したり。そういえば、昨年末の日記(http://d.hatena.ne.jp/kawasusu/20041226)で、「不忍ブックストリート」のイベントとして「一箱店主の古本市」をやる、と書いたら、さっそく反応があった。今日は谷中の雑貨店の方が「やってみたい」とメールしてくれた。嬉しいね。「一箱店主」の参加とともに、谷根千エリア(欲を云えば、不忍通りに近い方面)で、その箱を店先に置かせてくれる、一箱店主の「大家さん」も募集しています。どんなお店でも、店先に数箱置けるスペースがあればOKです。詳しいことはメール(kawakami@honco.net)でお問い合わせを。ご近所の方の参加をお待ちしています!


【今日の郵便物】
★古書目録 中央線古書展
〈芳林文庫〉が大伴昌司・紀田順一郎らの同人誌『THE HORROR』3冊(1963〜64)を出している。わずか20ページの小冊子なんだけど、内容がスゴイことは以前(「本コ」の大伴特集のとき)に見て知っている。欲しいけど、一冊3万5千円、3冊で10万円だからなあ。