初音小路のカフェ

まーた翌日の夜になって前の晩のコトを書かなきゃならない。ちょっと面倒くさくなってきた。で、昨夜は吉祥寺の〈MANDA-LA2〉で、「さかな」のライブを観た。前にココでさかなを見たとき、身動きが取れないほど混んでいたので、今日はテーブルのある椅子に座るぞ、と6時に会場前に着く。しかしアマかった。入口の横の路地には、すでに何十分も前から並んでいると思しい人々が50人以上いた。吹きっさらしの屋外で30分待ち(途中コンビニに肉まんを買いに行った)、入場が始まってからさらに10分以上待って、会場内へ。


すでに椅子席は満員だったが、ヨコのカウンタースペースの後ろのほうがどうにか空いていて、スツールも確保できた。しかし、このスツール、座るスペースが狭くてすぐずっこけてしまう。それにぼくの前にでかい柱があって、窮屈。周りに人が立っているので、バーで焼酎のお湯割りをもらってきたあとは、トイレにも行けず。まあ、あとから入ってきたヒトは、後方のわずかな空間に全員立ち見だったから、われわれは恵まれているほうだったのだが。


いつもながらライブハウスの待ち時間は退屈だなーと、旬公と話していると、7時半をかなりすぎてようやくはじまった。昨年のアルバム『LOCOMOTION』のあと、ドラムが抜け、二人に戻った。今日はゲストも迎えず、二人だけだったが、お互いの緊張感がこちらにも伝わってくる。ギターの西脇氏の顔がこちらを向いているが、表情豊かだねえ、このヒト。ときどき段取りが違っていたようで、ビックリした顔でボーカルのPOCOPENさんに目配せするのが、オモシロかった。なにしろさかなのライブは、毎回ホトンド全曲アレンジが違うのだ。アンコールも含めて20曲近くやったが、POCOPENのいつものダラダラトーク(行き先不明)がホトンドなかったおかげで、2時間で終了。いままで見たなかで(といっても三回だけ)いちばんいいライブだった。寒いなか、そして狭いなか、じっと待った甲斐がありました。


旬公に付き合って、ブックオフと〈啓文堂書店〉を覗き、北側に出て、〈鳥ぎん〉で釜飯。ぼくはタラコ釜飯。うまかった。帰りの電車のナカで、高橋源一郎『追憶の一九八九年』(角川文庫)を読み進む。いろんな意味でオモシロイ。出た当時はシャレだったタイトルが、もう15年も経ってしまい、まさしく「追憶の一九八九年」になってしまった。ちなみに、この年、高橋源一郎、38歳。今年ぼくもおなじ歳になる。アタリマエだけど、高橋源一郎も若かったんだなあ。帰ったら12時前。即寝る。


今朝は普通に起きて、午前中は原稿の下書きや、「書評のメルマガ」のまとめ。昼は出雲で買ってきた出雲そば。3時過ぎ、旬公と谷中へ。浅倉彫塑館の手前にある「初音小路」という小さな飲み屋が集まっているトコロにカフェができたと、大沼ショージさんに聞いたので、行ってみる。〈asi mul〉(アジマル)というカフェで、中国茶と中国のお菓子や料理を出す。夜もやっているので酒も飲める。二階はギャラリーにするつもりで準備中だという。カウンターのみ、7、8人で一杯の店だが、なかなか雰囲気がいい。今度は夜に行ってみるか(http://www.asiamulti.com/cafe/)。


小沢信男さん宅に新年の挨拶。仕事中だったみたいだが、ぼくだけ上がりこむ。今年書かれるもののことなど、あれこれ話を聞く。そのあと、〈古書ほうろう〉を覗き、〈ときわ食堂〉でちょいと一杯という、休みの日の夕方の黄金コース。こんなコトしちゃおれないのだけど。夕飯は、年末に塩山芳明さんからもらった下仁田ねぎと豚バラ肉の重ね煮。そのあと、本を読んだり、「書評のメルマガ」を発行したりしてるウチに12時回ってしまった。さあタイヘンだ!