浅草橋の夜と荻窪の昼

昨日は5時頃に浅草橋に到着した。6時からの店を予約しておいて、時間つぶしに〈西口やきとん〉へ。立ち飲みの店だが、カウンター以外にテーブルもあって、ゆったり広いのがイイ。ガツのしょうゆ焼きとにんにくたまり漬け。30分ほどいて勘定したら、1200円だった。安い。「お年賀に」と、銭洗い弁天で洗ってきた5円玉と、〈西口やきとん〉オリジナルの携帯ストラップをもらう。ストラップというよりは、アルミのプレートが付いたただのヒモだけど、その心づかいがウレシイじゃないの。


駅まで戻り、改札口で枝川公一さんと待ち合わせ。メールでやり取りしているので、久しぶりという気はしないけど、直接お会いするのは1年半ぶりではないか。予約しておいた〈ちゃんこ成山〉へ。『酒とつまみ』編集部の大竹聡さんご推薦の店。刺身やつまみもウマイし、あとから頼んだ「塩ちゃんこ」も味がしつこくなくてイイ。日本酒の「吉野川」を一本取って、すいすい飲む。ベルリンの話や、本の話、千駄木のバーの話など。そのあと、今度書いていただくテーマについて、思いつくまま話す。どうにかなりそう、と云ってもらえて安心する。


9時半頃、駅前で枝川さんと別れ、大竹さんに連絡。『酒つま』の編集部は浅草橋なので、今日、仕事場に来ていれば、どっかで合流しましょうというコトになっていた。吹きっさらしの外でコゴエながら待つうち、大竹さんと斎藤さん登場。あとからナベさんも合流。西口の〈加賀屋〉(さっきの成山の隣)に入り、乾杯。できたばかりの第6号をいただく。年末にできてきたのに、印刷上のミスが発覚し、急遽刷りなおしの事態だった。その模様を3人から、身振り手ぶり入りで教えてもらう。


ナカに、『中央線で行く東京横断ホッピーマラソン』という本の広告が入っている。著者は大竹聡。発売日は2005年中、定価未定、サイズ未定、発行は酒とつまみ社(仮)って、ナンにも決まってないやんけ。ページが余ってしまったので、ナベさんが速攻で(大竹さんにも相談せず)つくった広告だという。コレを何部つくってどうやって売るかというハナシで、みんな適当な思い付きをブツけあう。出版関係者と部数のハナシしていると、いつも暗くなるのに、ココではやたら盛り上がるなあ。どーせ儲からないから好きにやろう! という姿勢が徹底しているから、すがすがしいんだよな、きっと。


斎藤さんは年末に重大な「家庭の事情」が発生し、その後、寂しい日々を送っているとか。詳しくは斎藤さんのblog(http://blogs.dion.ne.jp/saicame/)を見ろ、とおっしゃるので、帰ってから見ていたが、不穏な雰囲気は伝わってくるが、何があったかはよく判らない。そんなこんなで、他の客が帰ってしまったあとも居座り、11時半ごろ店を出る。これから居酒屋に雑誌を配本に行くという大竹さんたちと秋葉原で別れる。ウチに帰り、かなり伸びてしまった髪を旬公に切ってもらう。その後もゴタゴタやってて、寝たのは3時だった。


で、やっと1月9日の朝(ここまで書くだけで疲れた)。「古書モクロー」の値付けをやったり、メールを書いたりで午前中は過ぎていった。旬公の発案で、昼飯は土鍋にアサリと白菜を入れて、味噌とコチュジャンで味付けした鍋。うまかったけど、旬公は「牡蠣を入れたときのほうがウマかった」と云う。おいおい、オレはそんな鍋喰った記憶はないぞ(ぼくが鳥取に行っているあいだに、一人でつくって食べたそうです)。旬公は上野公園まで取材に出かける。ぼくは3時まで《噂の東京マガジン》を見て、出かける。


荻窪に行き、〈ささま書店〉へ。今日は身を切られるような寒さなのに、外台の前で5人もガンバっていたのに驚く。しかし、寒さしのぎとはいえ、煙草吸いながら本を見るのはヤメてほしい。風が強いから煙が全部コッチに来るんだよなあ。佐木隆三『ジャンケンポン協定』(講談社文庫)、小林久三『暗黒告知』(講談社文庫)、新保祐司島木健作 義に飢ゑ渇く者』(リブロポート)が各105円。最後のは「シリーズ民間日本学者」の一冊(この本はシリーズ中ではあまり見かけない気がする)。店内に入ると、山村正夫『推理文壇戦後史』第1〜3巻(双葉社文庫)が4000円で出ている。いままで何度か見かけたが、揃いでは6000円とか8000円とか付いていた。全巻読みたい本なので、しかたがない、買おう。その代わりに、すでに持っている第1巻を「古書モクロー」で売って、少しでも元を取ろう。単行本版しか出ていない第4巻を、早く手に入れたい。ほかに、古山高麗雄『船を待ちながら』(福武書店)800円を。けっこう買ったなあ。荻窪ではほかに古本屋を2店見たが、買わず。ある雑誌のバックナンバーを探しているのだが、カゲもかたちもない。それこそ、ささまの外台で何度も見かけた雑誌なのだけど。


中央線で三鷹に降り、先に着いている旬公に電話。落ち合って、〈上々堂〉へ。長谷川さんと石丸さんがいた。「古書モクロー」、マッチラベル以外は売れてないらしい。持ってきた本を数点追加。中原淳一の『それいゆ』を2冊適価で出しましたので、どうぞご利用ください(上々堂のblogに「値段は案外良心的」とあったけど、「案外」じゃなくて、フツーに「良心的」のつもりなのです)。本が売れてないのに、佐野繁次郎装幀の野口冨士男『いま道のべに』(講談社)2500円、ライバルの「岡崎堂」から、青山南『人生はクレイジー・サラダ』(筑摩書房)800円を買ってしまい、金欠になった。


このあと、吉祥寺のライブハウスに行ったのだが、またしても明日に続く。ようするに、ココんところ、毎晩出掛けてるというコトなのだな。