寒くて眠い日

ここ数日、急激に寒くなった。朝方、布団が冷えて目が覚める。ウチのマンションの床は冬でも暖かいほうなので、こんなのは珍しい。午前中、高田馬場へ。BIGBOX古書市を覗き、数冊買う。そのあと、〈芳林堂書店〉へ。原寮〔上のかんむりはナシ〕の久々の長篇『愚か者死すべし』(早川書房)が出ていた。スグ読もう。それと、諸星大二郎の初の小説集『キョウコのキョウは恐怖の恐』(講談社)を見つけて驚く。マンガ家の小説って、当たり外れが極端だけど、大丈夫かな。まあ買ってみる。あと、『ワセダ三畳青春記』(集英社文庫)が素晴らしかった高野秀行の『怪しいシンドバッド』(集英社文庫)。黒田硫黄のカバーイラストだけでも買いです。


そのあと、〈キノコノクニヤ書店〉でも覗くかと思ったら、まだ開いていない。その近くのビルの中に、〈秋田っ子〉という秋田料理の店があり、もう昼飯を出しているので入ってみる。客はゼンゼンいず、ひげ面のおやじ一人。しょっつる鍋の定食を頼む。壁には洋楽やジャズのドーナツ盤がずらりと並べられている。聴きたいのを取り出して渡せば、店で掛けてくれるそうだ。おやじはしきりに味を確かめていて、けっこう待たされる。出てきたしょっつる鍋はウマかった。あと、おしんこも。今度は夜に飲みに行ってみよう。


仕事場に行き、次号の編集会議。企画のうち何本かはGOサインが出る。そういえば、まだ書いてなかったけど、『季刊・本とコンピュータ』14号は無事、見本ができて、10日は書店に並ぶハズ。特集は「日本人の読書習慣 消えたのか? 変わったのか?」。読書離れがどうこうという議論とは、かなり位相の違うところに問題を設定しているので、興味深い内容になっていると、編集者としては思います。呼び物は10代から90代(青山光二さん!)までの読書体験を訊くアンケート。山下敦弘さんや大槻ケンヂさんなど、「本コ」的には異色な人選です。個人的に書いてもらっていちばんヨカッタと思うのは、堀切直人さんの「町を読む、書中を歩く」。これは大作『浅草』(栞文庫)のサブテキストとして読んでほしい。明日あたり、サイト(http://www.honco.jp/)に目次が載る予定。


夕方から原稿一本書く。ウチに帰り、旬公と不忍通りのイタリア料理屋へ。狭い店だけど、きどってなくてイイ。ワインを飲み、ベーコンのペペロンチーニと、子羊の香草焼きを食べる。パンもうまかった。近くの〈エヌマート〉が閉店してしまったので、不忍通りの〈サミット〉でコーヒーを買う。〈古書ほうろう〉に寄って帰宅。『愚か者死すべし』を読みながら眠ってしまい、起きたら12時過ぎていた。


【今日の郵便物】
★佐藤藝古堂、新宿展