「朝ジュンク」のススメ

kawasusu2004-11-17

昨夜、一週間ほどかけて少しずつ読んでいた、鶴ヶ谷真一『古人の風貌』(白水社)を読了した。岡本綺堂、神代帚葉(校正の神様。島根出身)、石川巌、松の門三草子(奇しくも、小沢信男の新刊『悲願千人斬の女』で読んだばかり)など、明治に生きた人物を取り上げた第1章はもちろんだが、江戸期の俳人漢詩人を紹介する第3章が心にしみた。いままで、この時期の詩人についての文章を何度か読んできたが、いつもお勉強ぽい読み方になってしまい、実感から遠かった。この本ではじめて親しみを感じた。「広義の詩心をうちにひめた人物が、時代の現実をいかに生きたか、というのがテーマ」だとあとがきにある。個別に書いてきた文章が一冊にまとまる段階で、やっとそのテーマが浮上してきた、というのは、とてもよく判る。最初からテーマありきで書かれた本よりも、そういう成立のしかたをする本のほうが、ぼくは好きだ。


昨夜もなかなか眠れず。朝早めに出て、新宿の〈ジュンク堂書店〉へ。開店時間の直後なので、エレベーターはすぐ来るし、フロアに客の姿はほとんど見えず、じっくり見て回れる。これだけ人がいないと、棚の狭さも気にならない。疲れたら椅子にも座れるし、これはいいなあ。ふだんは見ないコーナーまで見てしまう。「朝ジュンク」はいいなあ〜。今度、仕事のネタにつまったら、ここで朝から粘ろうかな。それとも8階のカフェで編集会議やろうか。前田〝大阪のチン〟和彦がコラム書いたというので、『クイックジャパン』を立ち読み。男前の写真も。「書評のメルマガで連載」なんて書いてた。


小林信彦『袋小路の休日』(講談社文芸文庫)、杉山其日庵浄瑠璃素人講釈』下巻(岩波文庫)、そして、粕谷一希寺田博・松居直・鷲尾賢也『編集とは何か』(藤原書店)を持ってレジへ。前も書いたが、レジ前の柱が面出しに使われていて、なかなかシブイ本が置いてある……はずだったが、今日は他でも並べられているベストセラーが2面出し、3面出しになっていてガッカリ。頼むから、どの場所でもいいから、店員の独断と偏見がモロに出た、日替わりコーナーをつくってくれ〜。ああ、そうそう、「本の本」コーナーの面出しから『ナンダロウアヤシゲな日々』は脱落。でも、棚差しでまだ2冊残ってました。


エレベーターで地下の食品売り場まで降りて、500円の弁当を買って仕事場へ。新宿線の電車がナカナカ来なかったが、それでも11時には着いた。さて、今日は討論のまとめ、本番。昼飯をはさんで8時間、机に向いっぱなし。7時過ぎにようやく1万5000字のテキストを仕上げる。ゲラに組んで、出席者にファクスなどで送り、9時半にようやく放免。疲れたー。腹減ったー。で、久々に神楽坂まで歩き、〈伊太八〉でギョーザと醤油チャーシューメン。店の感じはなんかちょっと変わったけど、相変わらずウマイ。神楽坂を降りて、〈深夜プラスワン〉で文庫を一冊買い、ウチに帰る。今日は疲れたので、アンケート回答のご紹介はお休みです。


【今日の郵便物】
幻堂出版より 12月7日(火)〜12日(日)に行なわれる「幻堂百年祭」のチラシが送られてきた。なんと片面カラー印刷。なかなかよくできてます。裏面はスケジュール山盛り。南陀楼の出番は、11日(土)6時からで決まったみたい。エンテツさんは同じ日の3時から。この日は一日中会場にいることになるのか? このチラシ、近日中に、書肆アクセス、古書ほうろうで配布してもらいます。
http://bbs.infoseek.co.jp/Board01?user=maborosido
bk1より 『安成貞雄 その人と仕事』富士出版、2500円
★『COMIC Mate』1月号 「ズンドコジョッキー」で南陀楼の名前が。また「東京人」ネタかよ。「編集とトラブルを起こし」てないっすよー。ゼンゼン相手にされなかったんだから。
★古書目録 趣味の古書展