本の山の崩れる音

昨夜、さあこれで寝ようと、電気を消して寝床に行こうとしたとき、本の山をまたぐタイミングを間違って、バランスを崩してよろめく。手を付いたのは、限界まで積まれた本の山。ひとつ崩れると、連鎖的に二つ、三つと崩れる。夜中に本が崩れる音を聴くのは、とても情けない。


仕事場に行って、ゲラの直しや著者とのやり取り。「古書現世店番日記」(http://www.w-furuhon.net/wswblog/cat_60miseban.html)で、イチローくんやハルミンさんとセドリツアーに行った日の日記が載っているが、めちゃくちゃオモシロイ。車を運転しないから、どれも行ったことのない店ばかり。買った冊数と金額が書いてあると、思わず足してみたくなる。セドリする本について、「目安としては付け値が3倍くらいになるもの。内容が良くて、店に並べたいというものであれば儲けが少なくても買う。100円が5000円に、とかそんな儲け方を頭にいれてると大して買えない。儲け幅で喜んでいるうちは素人だ(笑)。着実にヒットを打っていくべし」とあるのは勉強になる。「(ブックオフらしき)黄色い看板を見ただけでイチロー君、ブレーキを踏む病気にかかっている。」には笑った。パブロフの犬か。今回のゲストは紀伊國屋の大井さんだったけど、次回はオレも連れてってほしい。


6時間前に出て、神保町へ。〈三省堂書店〉の4階で、植草甚一のフェアをやっている。本の並べ方やパネルの展示がいいなあ。本の下にさりげなく英字新聞を敷いておくところなど。古本に関する本もあり、『ナンダロウアヤシゲな日々』も発見。その代わり、出版関係の棚からは姿が消え、POPだけが棚に貼られている。知らないヒトはびっくりするよ。剥がしたほうがイイんじゃない? 1階エスカレーター前のほうは、だいぶ縮小され、『ナンダロウ〜』は消えていた。


東京堂書店〉で、樋口覚『書物合戦』(集英社)を買う。『すばる』連載からかなり時間が経って、ようやく一冊にまとまった。堀切直人さんと右文書院のAさんと落ち合い、裏通りの〈ふらいぱん〉へ。昼にはよく食べにくるが、夜ははじめて。書き足しの原稿を受け取り、いくつか確認。ビールから焼酎に切り替えて飲む。堀切さんが『ナンダロウ〜』や「彷書月刊」の連載を丁寧に読んでくださり、浅田修一や秋山祐徳太子の書評がおもしろかったと云ってくれたのは嬉しかった。ハナシがはずんで、もう少し、というコトになる。堀切さんは松戸の先、Aさんは北千住から東武伊勢崎線なので千代田線沿線で飲めるのが嬉しい。北千住の〈大はし〉へ。テーブルに座ったのはひさしぶり。梅割りと肉豆腐。閉店近くまであれこれ話す。


12時前に帰って、さて寝てしまおうとするが、のどが渇いて4時ごろ目が醒めて、日記を書いたりする。そういえば、「幻堂百年祭」での、ぼくの出番の詳細が決まったようだ。村上知彦さん、太郎吉野さんと「本の日々〜本に溺れりゃ本望だ」というタイトルで、12月11日(土)の午後6時からを予定。さて、どうなりますか。そろそろ眠くなってきたので、今日はココまで。アンケート紹介の続きは明日にしよう。


【今日の郵便物】
★中尾務さんより 「大和通信」(海坊主社)第62号
川崎彰彦さんが発行。中尾さんが、編集グループ〈SURE〉が発行した、北沢恒彦『酒はなめるように飲め』と山田稔『酒はいかに飲まれたか』の2冊一組本を紹介。
★『刀水』6号 鼎談「雑誌『兵隊』をめぐって」
先日復刻版が出た『兵隊』についての特集。「出版ニュース」で8号が『兵隊』特集だとあり、電話して送ってもらったが、届いたのが6号だった。ヘンだなと思って、再度電話すると、8号は11月末発行だとのこと。この『兵隊』復刻版は、買うことはできないだろうが、どこかで手にしたいと思っている。
★『未来』11月号
鹿野政直現代日本女性史』の書評を書いている道場親信氏は、大学時代の知り合い。この本を書いた鹿野先生には、学部のときにお世話になった。
★古書目録 古書現世、愛書会