本まみれの茅ヶ崎

kawasusu2004-10-21

朝から「レモンクラブ」の書評書く。今回は中原昌也『ボクのブンブン分泌業』(太田出版)。書き終えて、シャワー浴びて、昨日のカレーを食べて、出かける。東京駅で東海道線に乗り換え、茅ヶ崎まで。ぐっすりと眠ってしまう。駅南口からタクシーに乗り、木下是雄さんのお宅へ。物理学者だが、『理科系の作文技術』(中公新書)などことばづかい、表現についての考察も多い。読書についてのアンケートをお願いしたら、話すほうがいいとおっしゃったのだ。あれこれお話を聞き、ご夫人と一緒に、紅茶とケーキをいただく。


駅に向ってゆっくり歩く。天気がよく、散歩には最適だ。昼飯食べようと思ったが、さすが茅ヶ崎、いかにもなカフェばっかりで入れる店がない。蕎麦屋を見つけて、たぬきそばを食べる。駅の南側にある〈古本大学〉で中町信を2冊。この店の斜め前に、周囲がゴミだらけのウチがある。「ゴミから黄金を生み出す男」という看板も。『畸人研究』好みの風景だ。今柊二さんはご存知だろうか?


もう一軒、〈ほづみ書店〉へ。ココは数年前に一度来たことがある。均一台を覗くと、戸板康二『あどけない女優』(文春文庫)が50円。持ってるけど、コレは見逃せない。もう一冊、戸板や結城昌治が書いている『ホシは誰だ? 犯人あて推理アンソロジー』(文春文庫)とあわせて100円。その隣の100円均一では、殿山泰司『三文役者あなあきい伝』全二冊の講談社文庫版が。おいおい、こりゃスゴイよ。あと、中原昌也がホメてたジャック・ケッチャムの『ロード・キル』(扶桑社ミステリー)も100円。店内に入り、ここでもカラーブックスの大谷晃一『大阪文学散歩』300円、桑原武夫『わたしの読書遍歴』(潮出版社)1000円などを買う。あと『大阪の新聞』(岡島新聞舗、昭和11)という明治・大正の新聞界の記録があり、新聞社の生写真が挟み込まれていてソソられたが、7000円なので見送った。勘定するとき、おばさんに「前は北口にも店がありましたよね?」と聞くと、去年閉めたとのこと。神社の近くにあって、間口は狭いがイイ店だった。このおばさんがたしか店番していた。


北側に出ると、その小さな古本屋があった近くに、ブックオフができている。二階建てのワリと広い店。100円均一で何冊か見つける。珍しく高井貞二『あの日あの頃』(青蛙房)なんて本があり、1200円だったが、佐野繁次郎のコトが書いてあったので、買っておく。北側にはもう二軒古本屋があると、サイトに情報が載っていたが、行ってみると一軒は休み(前に行ったことある気がする)で、もう一軒は発見できなかった。歩いているウチに見つけた〈Hi Hat〉というジャズ喫茶に入る。新しいビルの中の店。最近パソコンやテレビについたCDで音楽を聴いているので、いいスピーカーでいい音を聴くのが新鮮。思わず西海岸のジャズをとリクエストして、サージ・チャロフ(バリトンサックス)のレコードと、バド・シャンク(サックス)の[昼と夜のバド・シャンク]を聴かせてもらう。後者はCDを持っているが、ラテン風の「カサ・デ・ルス」が最高。


茅ヶ崎駅から東海道線で帰る。またぐっすり眠った。ウチに帰ったのは、7時前。小旅行みたいになってしまったな。ちょっとヨコになったあと、昨日のカレーを食う。10時過ぎに〈古書ほうろう〉に行き、少し本を売る。〈ジョナサン〉に行き、原稿を書く。パソコンのバッテリーが切れたので、ウチでさらに続きを書き、ようやく書き上げる。締め切りから遅れに遅れ、間違いなくどん尻である。誌名を挙げると、ほかのマジメな執筆者に悪いので、書きません。


【今日の郵便物】
★古書目録 ヨコハマ古書まつり