新しい商売を考える

朝8時に起きて、部屋の本を縛り始める。明日午前中にNTTが敗戦を見に来るので、どうにか今日中に線が見えるようにしておかねばならない。それと、捜索中の本が一冊でも見つかればという思い。ベランダの倉庫に縛った本を積み上げていく。箱に入れてしまうと、あとで絶対出てこなくなることを悟ったのだ。でも、こうして結束していると、古本屋さんになったみたいな気になる。傾いたものの上に積んだので、いまにも崩れそう。限界で止めておく。


11時に出て、小田急線・経堂駅へ。すずらん通りの中華料理屋でクソまずい昼飯。〈ロバロバ・カフェ〉に行くと、ちょうちょぼっこの次田さんと真治さん、それと次田さんの妹さん(大学生)が。「本のためにできること」という展示を見て、「チイミヤ」3号ほか、数点購入。今日から始まったちょうちょぼっこの古本市からも一冊、青木雨彦のエッセイ集。


駅に向って歩くと、〈遠藤書店〉の前辺りで、折田さんと出会う。これからロバロバに行くというので、荻窪で待ち合わせることにして先に行く。新宿経由で荻窪へ。〈岩森書店〉から〈ささま書店〉といういつものルート。ささまにはセドローくんが待っていた。みんなが本を見ている間、セドローくんと二人で路上で立ち話してると、さっきの折田さんがやってきて、そのあと、濱田研吾くんが来る。ぼくたちがココにいることを知らず、グーゼンやってきたとのこと。「休みの日はみんなやっぱりささまに集まるんですね」とか云ってたが、「みんな」じゃなくて、キミやぼくの回りだけです。総勢7人になった。


北口に出て、〈ひなぎく〉へ。海月書林古書市。狭いスペースには客が大勢、喫茶の席もいっぱいという盛況ぶり。市川さん、10月に『くらげ書林の古本案内』(ピエ・ブックス、1600円)という本を出すそうで、その見本冊子が置いてあった。『いろは』3号も出ていたが、ヒトが大勢なので買わず。次に西荻へ。例によって〈音羽館〉へ。ここも客が多く、そこに7人で押しかけ、そのあと、「ぐるり」の五十嵐さんまで合流したので、広瀬さんが目を丸くしている。これで8人。


ここんとこ、関西の知人を東京の古本屋に案内することが多いのだが、いっそ、これを商売にできないかと妄想する。パック旅行のように、ガイドさんとして古本屋に案内し、案内料をいただく。しかも、売れた額の5パーセントをキックバックとして古本屋さんからいただくというもの。うーん、行けるかも。ただ、問題はぼくが案内するヒトは、ほぼ例外なくあまりカネのない連中だってコトだな。


茶店〈物数奇〉でアクセスの畠中さんが待っている。でも、総勢9人になったので、入店を断られる。北口の〈POT〉という店に行くが、マスターがえらく面白い人で、頼まないのにコーヒーのお代わりをサービスしてくれる。奈良や大阪の古本屋情報で盛り上がる。〈興居島屋〉にも行く。


そして、本日の最終目的地、三鷹でございます。駅を降りて、徒歩15分。めざすは〈上々堂〉である。上々堂の長谷川さんはかつてちょうちょぼっこのお客さんだった。久々の再会。長谷川さんに一駅に一人ずつ同行者が増えていったことを話すと、「桃太郎ですね」と。ウマイ。河童は濱田くんだな(あれは西遊記か)。探していた本が数冊見つかった。金を払おうとしたら、濱田くんが「これ、池田文痴菴が書いてますよ」と「百味」という雑誌を2冊も見つけてくれた。この店での「古書モクロー」の準備が遅れていることを謝る。岡崎堂とハルミンの小部屋を見て、自分はどう持って行くか、しばし考える。


東京駅に向う次田さんと別れ、上々堂近くの鳥料理の店に入る。以前2、3度行ったのだが、宮崎の人がやっているらしく、鳥づくしのメニューなのだ。話題はいろいろあったが、終わりの30分ぐらいは「BOOKiSH」のことで盛り上がった。全員の心がひとつにまとまった瞬間だった。最後に「冷じる」を頼むが、これがウマイ。ズズッと食べてしまえる。


三鷹で濱田くん、吉祥寺で真治さん、畠中さん、西荻で五十嵐さん、そして中野で向井くんと別れて帰ってくると、11時半。ゴミを出して、散歩する。一日歩き回ったから、さすがに疲れたし眠いなあ。多少酔っ払って書いたので、今日同行の諸君には拙筆ですいませんと謝っておこう。