今日も遠太は休み

出掛けにポストを覗くと、『山口瞳通信』其の肆が入っていた。電車のなかで、荻原魚雷山口瞳ファン二代目の手記」を読む。おれ、このお父さん好きだなあ。魚雷さんの作家エッセイの中でも、かなり上位に位置する文章ではないかと思った。


仕事場で、企画の残りを詰めたり、執筆依頼の手紙を書いたり、打ち合わせをしたり。これから入稿がはじまるまで、細かい作業が途切れずに続く。6時過ぎに仕事場を出て、秋葉原経由で三ノ輪へ。〈遠太〉の前まで行くも、店は暗くて、臨時休業という貼り紙も出ていない。おやじさんの病気が再発したのではないかと、心配だ。


ココで待ち合わせなので、ボーっと待っていたら、背の高い女性に声をかけられる。今日会うことになっている筑摩書房のNさんだった。そのあと、堀内恭さん、昨日に続いて会うのは二日目のエンテツさんと現る。〈遠太〉がダメならと決めてあった〈中ざと〉に移動。西日暮里から来ることになっている旬公と連絡がつかず、やきもきしたが、20分後には合流した。


3時間ほどいて、浪曲のこと、鎌倉のこと、飲み屋のこと、活版印刷のことなど、あれこれ話す。このメンバーは面白いハナシを話すのも、人が披露する面白いハナシを聞くのも好きなので、とてもたのしく時間が過せた。往々にして、この二つは両立しない。まだ話したりない気分なので、近くの〈だるま〉(だったっけ?)に入り、先客の若者たちのうるさい声に悩まされながら、終電ギリギリまで話す。そのあと、皆さんと別れてタクシーで帰宅。


もう眠いのだが、土曜日に伊藤理佐の新刊『ハチの子リサちゃん』(双葉社)を買ったことを思い出し、読み出すと、止まらずに一冊読みきってしまった。山の子のスゴイ生活。伊藤理佐、ほんとに年下なのか?


【今日の郵便物】
★「雲遊天下」第37号
特集は「演劇シーン」。もと「ぷがじゃ」でOMM・近鉄劇場をつくった松原利巳さんの文章がいい。胃が痛くなるような失敗を繰り返しながら、着実に演劇人とのかかわりをつくっていった経験が。