消えてしまったとんかつ屋

今日も朝は涼しい。「はてなダイアリー南陀楼綾繁」を見ると、iro-iroさんの「りはびり」(http://d.hatena.ne.jp/iro_iro/20040824)でナニか言及があったよう。見てみると、昨夜の「彷書月刊」クイズの答えが。なるほどねえ、そういえばそういう作家、いますねえ。近頃の作家名にはまるでウトイので気づかなかった(編集者失格)。最近の芥川賞受賞者で、文庫も一冊しか出てないので見逃したらしい。あとで、体型が似てるので「西のモクローくん」と林哲夫さんに命名されてしまった「にとべさん」もメールで答えを教えてくれる。その林さんの日記でも、作家名がハッキリと。みんなよく知ってるなあ。恥をさらしてしまった。だけど、この前後の作家は濁音でのつながりが一つもないのに、ココだけ濁音ありというのは、ちょっとムリがあるのでは……と負け惜しみ。


高田馬場でBIG BOXの古本市を覗く。いつもは1000円ぐらいしか買わないが、今日はやたらと欲しい本が目につく。出たばかりで新刊で買うつもりだった、貫井徳郎『追憶のかけら』(実業之日本社)、恩田陸『Q&A』(幻冬舎)、横田順彌『古書ワンダーランド2』(平凡社)をありがたく、旬公に献上する佐藤賢一『黒い悪魔』(文藝春秋)、『オクシタニア』(集英社)をうやうやしく買う。ほかに、三宅艶子『ハイカラ食いしんぼう記』(中公文庫)150円、クライブ・デイビスアメリカ、レコード界の内幕』(スイングジャーナル。監修の朝妻一郎氏は音楽プロデューサーで旬公の伯父さん)500円、など。先のクイズの答の作家の本が見つかったので、なんだか知らずに申し訳ないという気になって買ってしまう。合計6750円は買い過ぎ。


「古書モクロー」をやってみて変わったこと。それは自分が持っている本でも値段を確かめずにはいられなくなったコトだ。自分が買ったときよりも安いと、「古書モクローで並べようかな」と思ってしまう。古書ほうろうでの期間はもう終わったのに、「次の機会に備えて……」などと考えている。ようするに、本を買う理由になればナンでもいいんだよな。でも、じつは「次の機会」は思いのほか早くやって来そうです。高田馬場から早稲田まで歩きながら、メルマガ「早稲田古本村通信」(http://www.w-furuhon.net/)のネタを考える。レコード屋のこと、天皇崩御大喪の礼のこと、早稲田松竹のこと、新宿区中央図書館のことなどいくつか思い浮かぶ。やはり早稲田に行くと記憶が刺激されるなあ。


三楽書房〉で、海地信『書店の店頭から』(編集工房ノア)900円、三國一朗『肩書きのない名刺』(中公文庫)150円、それと、100円均一で『ライオン創業者 小林富次郎の生涯』(非売品)を。〈古書現世〉でセドローくんと立ち話し、小田実鶴見俊輔吉川勇一編『市民の暦』(朝日新聞社)1200円、花森安治装幀の笠信太郎『なくてななくせ』(暮しの手帖社)400円、真鍋博ティータイム七五話』(毎日新聞社)、『発想交差点』(中公文庫)など。荷物が多くなったので、セドローくんが100円ショップで買ってきたという丈夫な袋に入れてくれた。ありがたい。飯田橋経由で仕事場へ。


電車の中で、「書窓展」の目録を見る。夏の間、ほとんど古書目録で注文してなかったが、仕事が一段落して目録への欲が戻ってきたか、ほしい本がゴロゴロ見つかる。みはる書房で『変り種』昭和11年9月号(悟空社)2000円、けやき書店で青山毅編『平野謙書誌』(新潮社・非売品)3000円、そして、ご主人がなくなって閉店した小島書店に替わって新規参加したかわほり堂が上林暁を15冊も出している。何点か注文を入れるが、この日、ぼくは東京におらず来場できないのだった。残念無念。


仕事場に行くとまたしても空調が不調。外のほうが涼しいんだもの。たまらない。そんな状況だが、書類をまとめたり連絡を取ったり。古書会館で行なわれる「アンダーグラウンド・ブック・カフェ」(http://underg.cocolog-nifty.com/tikasitu/)の初日、10月17日(日)7時から、河内紀さんのトークショー「実況生中継 ラジオの学校」が開催されるコトが決定。TBSラジオで河内さんが制作した貴重な音源を、河内さんのDJで聴いていく会。ゲストに映画監督のSさんが出てくださることにほぼ決まった。コレは面白いぞ。


神保町に出て、〈岩波ブックセンター〉の裏通り(さくら通り)に抜けたときに気づいたのだが、とんかつ屋の〈やまがた〉が閉店し、中が空っぽになっていた。すでに7月半ばで閉めていたらしい。ココのカツカレーがとても好きで、7月にも一度食べに来たのだが。流行ってるように見えたけどなー。お店の経営ははたからはワカランね。〈三百人劇場〉で渋谷実。今日は《悪女の季節》(1958)。最初のシーンで気づいた。これ、一度見ているわ、それもワリと最近。たぶん去年あたり、〈ラピュタ阿佐ヶ谷〉で。伊藤雄之助が片目を入れたいために富豪を付けねらったり、カミナリ族が別荘でダンスパーティーをやったり、ラストが風船に付けられた宝石箱をめぐっての殺し合いだったりと、奇抜な展開が多くて二度目でもまあ楽しめた。途中少し眠ってしまったけど。


20分ほど歩いてウチに帰り、夕飯。昨日のハラミの残りを焼いたのと、牛スープのぞうすい。焼肉屋みたいなメニュー。NHKテレビ朝日も、ロシアで航空機が二機墜落したニュースよりも先にオリンピックの話題を何十分もやる。コレがアメリカでの事件だったら、「9・11ふたたび」とかいって大騒ぎするくせに。


【今日の郵便物】
★古書目録 書窓会、高円寺古書展