まだまだあるぞ、古本屋

朝、出掛けに〈青猫書房〉の目録が届いていた。電車の中で即読む。小川正久『僕は少年社員』(文芸社、平成12)1500円が目に止まる。「筑摩書房総務部長。『筑摩書房の入社試験』『主な仕事は検印押し』他」とあり、小関智弘氏あての署名本とある。面白そうだが、文芸社の本だし注文はないだろうなどとゆっくり構え、仕事場に着いてから電話すると、ナンとすでに売り切れ。こうなると、がぜん欲しくなってくる。今回の「青猫愛書閑話」はふたつともオモシロかった。大岡山の古本屋と昭和50年前後の小出版社の話。「モク通」のネタにしよう(次々号になるが)。


午前中は企画の取りまとめ。午後は会議。いろいろ意見が出て、少しはカタチがついてきたか。早めに上がり、町屋へ。「彷書月刊」の取材。終ったあと、取材相手に案内されて、古本屋へ。まず、京成線のガード下の路上で売っているという店(?)へ。行ってみるとたしかに路上に箱を並べ、上から裸電球を吊り下げて売っている。八木福次郎さんに以前聞いた露店の古本屋みたい。あまりきれいな本はないが、汚れを気にせず漁ると『南伸坊のこれが天職だ』(集英社文庫)、篠原勝之『嵐の中をアカ犬が走る』(角川文庫)、テディ片岡しとうきねお『意地悪な本』(KKベストセラーズ)が50〜100円、別冊宝島『1億人のAV』(藤木TDCほか執筆)が250円とバカ安。ナカでも、小笠原賢二『黒衣の文学誌』(雁書館)は「週刊読書人」連載の作家訪問記。対象作家は、色川武大田中小実昌山口瞳中井英夫野口冨士男川崎長太郎島村利正古山高麗雄八木義徳結城信一尾崎一雄つげ義春と、いまどきの文学好きのまさにストライク・ゾーン。コレが300円。


『黒衣の文学誌』には小口に「日本ジャーナリストセンター」という印が押してある。学校や機関の廃棄本を引き取っているのだろうか。箱の横に座って本を読んでいるおじさんに勘定してもらい、いつからやってるかと聞けば、「もう三年になる」とのこと。店名は「まあ、〈町屋の森の古本屋〉だねえ」と。町屋に見るべき古本屋なんてないと思っていたが、思わぬところにあるもんだねえ。案内してくださったIさんには感謝&感謝。そのあと、もう一軒教えてもらったリサイクル型の古本屋(マンガが多い)を覗き、駅前でチューハイとホッピー呑んで、西日暮里に帰る。


11時前に、古書ほうろうに行き、大感謝祭の後始末を話し合う。委託のミニコミはそのまま継続して販売してもらうことになった。ホントは、週末からほうろうの棚卸しがあり、感謝祭用の「古書モクロー」の売れ残りや展示した本をウチに引き取らねばならないのだが、どうにもスペースがつくれず、しばらく預かってもらう。ダンボール箱で4つぐらいなのだが、その分の空間はいつの間にか消滅している。「東京には床がない」状態が再びやってきたのであった。あーあ。


【今日の郵便物】
★ハガキ 堀内恭さんより。モクローくん大感謝祭に来てくれ、1000円しか持ってないのに、CD(《ローカル・ヒーロー》のサントラ)と絵葉書を買った話。
★古書目録 青猫書房
原書房より献本 永江朗アトリエ・ワン『狭くて小さいたのしい家』原書房、1800円
(帯のコピー)書評家ナガエの 50メートル分の本を収容する、大きな屋根の小さな家 「ガエ・ハウス」ができるまで
★古本 ぼおぶら屋書店より 『月刊TOWN』4、5号。これで持ってない号は一冊になったハズ。