オヨちゃんの一刀両断!

朝9時に起きたのに、メールを書いたり、ベーコンの残りをスープにして食べたりしてるうちに時間がなくなってしまう。急いでバス停に向かうがタイミング悪く出たばかり。しかも次は時間に遅れて到着。「文京グリーンコート前」で降り、急ぎ足で〈三百人劇場〉へ。ドアが閉まり、灯りが落とされる瞬間に座席にたどり着いた。


今日の渋谷実は《もず》(1961)。淡島千景有馬稲子の親子の愛憎劇だが、突然怒ったり笑ったりと、全編にわたって情緒不安定な映画だった。もう少し演出にテンポがあれば、二人が愛情を持っているゆえに生じる食い違いを描く、上質のコメディになったと思うので、残念(有馬の演技にはそれを感じさせる部分もあったが)。佐藤慶が一流美容室のマネージャー役で出てるのが笑えた。どう見ても、アヤシイ男である。


ところで、昨日観た《やっさもっさ》(1953)に、ワリと気に入ったセリフがあったので、メモしておく。孤児院の園長(東山千栄子)が淡島千景に云うセリフ。「男は戦争、女はご飯が炊くのが担当なのよ。昔は誰でも自分の担当には真剣だったねえ」
この「担当」がウマイ(脚本は斎藤良輔)。


千石駅前の〈薮そば〉でカツ丼を食べる。古い日本映画を観てからココに入ると、いまが21世紀だということを忘れてしまう。それから仕事場に行き、色校の残りを校了。仕事場を出て、根津の〈オヨヨ書林〉(http://www.oyoyoshorin.com/)へ。つい数日前に、神保町の事務所を引き払い、そこの荷物を全部持ってきたというので、店の中は雑然。でも、オープン時のキレイで整然とした感じよりも、いまの状況のほうが「面白いモノが見つかりそう」という気がするのがフシギ。『女子大生が採点する雑誌の通信簿』(データハウス)1050円、新宿〈新らんぶる〉のレコードコンサートパンフを315円で買う。


旬公もやってきて、オヨヨの山崎くん、イラストレーター修行中でオヨヨのサイトやチラシのイラストを描いている松倉香子さん(ロゴスギャラリーに勤めていて、今度ヤメるそうだ)と4人で、〈車屋〉へ。ココの二階ははじめて上がったなあ。最初ビール、あとで日本酒に切り替えてどんどん飲む。オヨちゃん(旬公命名)は酒が強い。いろんなハナシが出るが、いまマスコミなどに取り上げられている古書店についてのオヨちゃんの評価がオモシロかった。けっこう厳しい目で見てるんだなあ。どっかで「オヨちゃんの古本屋一刀両断!」という連載でもやると、(ヤバイけど)面白いのに。


気づいたら11時半。外に出ると大雨。二人と別れて、〈NOMAD〉へ。山田さんがこないだ「モクローくん大感謝祭」で買っていかれた、清水靖晃の[バッハ・ボックス]を店で聴いてすごくヨカッタという女の子(芸大生か?)に声を掛けられる。けっこうカワイイが、ヨコにちゃんとオトコがいた。つまらん。あとで旬公に「けっこう可愛かったよな」と云うと、「あんたはああいうタイプが好きなんだよ」と一刀両断。悪かったなあ。


雨も小降りになったので、自転車に二人乗りして帰る。すぐに眠る。