南青山から逃げたい気持

朝10時まで眠ってしまう。ほうろうに顔を出す。少し古本が補充されている。棚をチェックすると、古本があまり動いてないのがわかる。入れ替えないと。あと、初日に売れてしまうだろうと思ってた「sumus」中公文庫特集が2冊とも売れ残っていた。古書会館のイベントで、岡崎さんがオークションに出して2000円ついたものなのに、見逃したのか遠慮してるのか。荻原魚雷『借家と古本』も一冊だけ残っていて、コレが最後。ちなみに完売したのは、モクローくん通信のバックナンバーセット(500円)。すぐ追加をつくらないと。


どこかに日傘を忘れたという旬公に付き合って、谷中をぶらぶら。ギャラリー〈猫町〉をはじめて覗く。アパートに行ったら日傘見つかる。大感謝祭の後半で展示する、花森安治の装丁本をセレクトし、持って帰る。根津で昼飯でもと思い、歩いていると、〈丸井〉といううなぎ屋があったので入る。古い造りで、テーブル二つしかなく、小上がりはどうも生活空間になっているっぽい。待っている間も店内を眺めてるだけで楽しい。並から上までが200円差と小刻みなので、思い切って上と肝吸いを頼むが、コレが大当たり。ふっくらしたうなぎを楽しめた。久々にウマイうなぎを食べたなあ。


ほうろうに荷物を置き、ウチに帰る。少し昼寝して、浅草行きのバスに乗る。今日は隅田川の花火大会でバスは満員。雷門についてから、松屋に入るまでも、ヒトの波から抜け出せず。七階で古本市を見る。〈立石書店〉が戦前の出版目録や書店の販売目録を大量に出している。どれも300円から800円とリーズナブル。時間がないので焦りながら、20点ほどより分ける。ほかに、文庫本を持っている子母澤寛『愛猿記』の単行本を見つけ、口絵を確認すると文庫よりももっと若い頃の写真が(猿と戯れる著者)使われていた。しかも300円。もっと見たかったがすでに時間オーバーしてるので、あきらめる。会計で昨日の吉田勝栄さんに会う。夕べ2時まで呑んでて、きっちり来て、しかも抱えきれないほどの量を買っていた。


銀座線で表参道まで。ココから骨董通り沿いに、柳瀬徹くんの結婚パーティ会場があったハズだが、と歩くも、見つからず。104に聞くも店の登録ナシ。佐藤助教授に電話するも途中で切られてしまう(まさに新郎新婦入場が始まったのだという)。けっきょく迎えにきてもらって、なんとかナカに入る。サイトで地図を見たときに抱いた嫌な予感、入口で抱いた嫌な予感はすべて的中し、入った瞬間きびすを返して外に出たくなるような、こじゃれた立食形式の会場だった。見知らぬヒトの間を、砂漠でオアシスを求めるように、知り合いを探して歩く。奥にセドローくんのトサカが見えたときは、「地獄に仏」の心境で手を合わせて拝みたい気分だった。


奥には、この場の雰囲気になじめない面々が固まっていて、そこに嬉しく入り込む。あとは、柳瀬くん夫妻(奥さんは初めてお会いしたが、可愛い感じの方でした)に挨拶したり、知り合いと話したりで、時間が過ぎていく。ふー、つら。うるさい音楽がずっと鳴ってたのもツライ。音楽にあわせてちょっと体を動かしてみたりしてるヤツを見るのも、かなり辛かった。


お開きになり、ツライ思いを共有したメンバーで、独自の二次会をするコトに。佐藤助教授、エンテツ、野口、セドローイチローモクロー、旬公で、渋谷まで歩き、マークシティ裏の中華料理屋へ。二階の座敷に落ち着き、モツ焼盛り合わせや羊焼や水餃子など、さきほどの店では間違っても出てこないような料理をバンバン注文。最後には、料理の残り汁に白ゴハンを投入して混ぜて喰おうという、エンテツさんのナイスな提案で、とてもおいしくいただいた。ビールのあとに飲んだパイカルもストロングな味わい。80歳になるという店主のおばあさんとともに、渋谷の歴史をカンジさせられた。これで一人2000円なんだから(こだわるようだが)さっきの会場費一人6000円はナンだったんだと思えてくる。


ウチに帰ると12時前。いろいろ原稿もたまってるが、二日分の日記を片付けると、もう眠い。すべては明日。お休み〜。


【今日の郵便物】
★古書目録 天導書房