土用の古本屋

今日も暑い。仕事場に続く坂を上るだけで、精力を使い果たしそう。といいつつ、昼は外に出る。うどんを食べたあと、こないだ前を通ったが入口がわからなかった〈麗文堂書店〉へ。ドア一つ開けた向こうにたしかにあった。狭い店だが、品揃えはなんでもあり。早稲田の古本屋みたいだ。値段も安い。長澤規矩也『理想的な著者・出版社・印刷所・書店』(私家版)1000円、八木忠栄『詩人漂流ノート』(書肆山田)800円、『べ平連のうた その発展の足跡』(芸術出版)付録レコード欠で1000円。また来よう。


対談をまとめるための資料を探しに、小石川図書館へ。ココはいまどき珍しい古い建物で、書架もいい感じなのだが、通路と閲覧席が近くてうるさい。特に今日は、子どもの騒ぎ方がスゴイ。まあ仕方ないけど。バスで湯島に出て、千代田線で綾瀬へ。〈デカダン文庫〉に「酒とつまみ」を届ける。今回から始まった連載で、この店のコトを書いたのだ。おじさん、「今度親戚が集まるから見せるよ」と喜んでたが、葬式帰りに古書展に駆けつけたというエピソードの載った文章を見せて、大丈夫だろうか? 三冊ほど買う。


先日ヒトから教えてもらっていたが、デカダン文庫の斜め前にあった〈三幸酒場〉がなくなっていた。おじさんの話だとダービーの翌日に、急にトラックがやってきて荷物を運び出して行ったとか。繁盛してるように見えたけどなあ。「酒とつまみ」にこの店のコトも書いたのだけど、この文章の通りに歩くことはもうできないのだ。こちらは健在の〈味路〉に寄って、ガツにんにく漬けなど。今日はあとからあとから客が入ってきて、おじさんはてんてこ舞いだった。


西日暮里に戻り、〈古書ほうろう〉へ。来週のイベントのために、河内紀さんと音響を担当してくださる吉田さんが下見にいらっしゃっている。ぼくが行った頃にはだいたいハナシが終っていた。二人と一緒に〈千駄木倶楽部〉へ。ラジオの音源、まだまだ発掘すべきものが多いということや、映画関係者が企業のプレゼン・事業説明用にスライド制作をやっていたなどというハナシが出る。きっと30日のイベントでも聞けるでしょう。


お二人が帰り、旬公と合流。土用だからウナギでも食うかというので、2軒ほど回るが、いずれも閉店時間だった。ウナギが売れてモノがなくなったということもあるかもしれない。しかたなく、〈三好弥〉でハンバーグ定食を食べる。帰って、《エデンより彼方に》(2002年、アメリカ)を観る。ジュリアン・ムーア主演。1950年代のハリウッド映画を再現するようなセット、衣裳、撮影で、人種差別と同性愛差別を描く。手堅いつくり。安心して観られた。