今年も「あいおい古本まつり」

お待たせしました。3月24日(土)、25日(日)に開催される第3回「あいおい古本まつり」の詳細がサイト(http://aioibooklabo.com/)にアップされました。同時にチラシも配布開始です。牧野伊三夫さんの絵、今回は特にいいです。イベント部門は、トーク3つ、ライブ1つ、展示1つです。企画の本数は前回より減っていますが、いずれもじっくり見たり聴いたりしていただけるものだと思います。


あいおい古本まつりの第1回は、昨年の3月26日、27日。このイベントを運営するために「あいおいブックラボ」が結成されました。はじめるにあたって、ぼくはブログにこんなことを書いています(http://d.hatena.ne.jp/kawasusu/20110114)。しかし、イベント二週間前の3月11日に、あの大地震が起きました。会場が中央区の施設ということもあり、一時は開催中止を覚悟しました。が、相生の里の砂金さんたちが頑張ってくれたおかげで、「こういう時だからこそ、普通にやろう」と開催が決まりました。「こういう時だからこそ、やる」という判断は、4月、5月に入ると様々な局面でなされることが多くなるのですが、震災直後のこの時点では決して多数派ではありませんでした。なにしろ、花見への自粛要請があったぐらいです。ですから、あの時点で開催したことは、あいおいブックラボも、相生の里も、誇っていいのではと思います


あれから1年経ちます。あいおい古本まつりには、多くのお客さんが来てくれています。イベントも大盛況とまでいきませんが、「このテーマ、この人なら聴きたい」と足を運んでくださる方もあります。


今回のトークのメインとなるのは、東雅夫さん。川に面した会場にふさわしく、橋や川についての怪談や、この周辺にゆかりの文豪による怪談文学を語っていただきます。『江戸東京 怪談文学散歩』(角川学芸出版)を読んで以来、そのうちぜひと思っていたので、実現して嬉しいです。


そして、20世紀アーカイブ仙台の写真集『3.11キヲクのキロク』のパネル展示とトーク。ウェブ上二アーカイブされている写真はときどき見ていましたが、それを「震災後の生活」に照準をあわせてまとめるという視点は、マスコミの中にはあまり見られません。センセーショナルな要素が少ない分、市民が受けた衝撃が深く伝わってきます。トークでは、編集された佐藤正実さん、たくさんの聞き書きをまとめられた片岡理恵さんに、本書ができるまでを話していただきます。そして、大竹昭子さんには、これまで多くの写真を見てこられた経験から、震災生活を記録した写真の意味を語っていただこうと思っています。なお、この展示とトークは、昨年4月から被災地の本好きに向けた活動を行っている「一箱本送り隊」による企画です。


阿佐ヶ谷の〈古書コンコ堂〉の天野さんのトーク。昨年もっとも印象的だった古本屋を挙げよというアンケートがあったら、多くの人がこの店の名前を出すでしょう。その店ができるまで、できてからのことを、天野さんに聞いていきます。天野さんの人柄もあって、決してハデな話にはならないかもしれませんが、彼の考える〈普通の本屋〉像を描ければと思います。


最後はライブ。福原希己江さんです。ドラマ「深夜食堂」の主題歌で、この人のファンになった人は多いと思います。今回、相生の里の砂金さんの大プッシュで、ライブが実現できました。


前回までは、2日目は8階のデイサービスをトーク、ライブの会場にしていましたが、今回は1階のあいおい文庫に統一しました。古本市会場から、中でやっている様子が見え、そのまま参加できる距離です。すべての企画は予約を受け付けていて、主催者側としては数を把握したいのでなるべく予約をお願いしたいのですが、予定が決まらない方は、当日参加できます(予約が多い場合は、立ち見をお願いするかもしれませんが)。


古本部門では、あらたに〈リズム&ブックス〉さんが参加です。まだ店に行けてないので、どんな品揃えか楽しみです。それと前回までは一箱古本市の屋号だった〈古本寝床や〉が、店舗を構え〈青聲社〉となりました。全部で14組、いずれも気合の入った棚になると思いますので、ご期待ください。


というわけで、今回もたくさんの方々のご参加をお待ちしています!

あいおいブックラボ
第3回 あいおい古本まつり


2012年3月24日(土)11:00〜18:00
     25日(日)11:00〜17:00
会場 相生の里(中央区佃) 


〔参加店〕
ARCHIPERAGO BOOKS(アーキペラゴ・ブックス)/古書赤いドリル/古書信天翁/古書現世/三楽書房/青聲社/立石書店/西秋書店/にわとり文庫/博雅書房/藤井書店/丸三文庫/やすだ書店/リズム&ブックス


トーク 橋のあやかし、川の怪――水辺の文豪怪談
東雅夫アンソロジスト、文芸評論家)
「未知なるものを追求するのは人間の進化の原動力。文化や宗教も、そういうところから生まれてきたわけで、怪談つまり不思議な世界やこわいものにあこがれるというのは、この世のすべての根本ではないかと思います」
会場周辺の隅田川相生橋永代橋などにちなんだ怪談、地元ゆかりの文豪がうんだ怪談文学などについてたっぷりお話しいただきます。昨年から始まった「ふるさと怪談トークライブ」の取り組みについてもうかがえる予定です。著書の販売、サイン会もあります。お楽しみに!


東雅夫(ひがし・まさお)
1958年生まれ。アンソロジスト、文芸評論家。怪談専門誌『幽』編集長。著書に『遠野物語と怪談の時代』(角川書店日本推理作家協会賞受賞)『江戸東京 怪談文学散歩』(角川学芸出版)、編纂書に『文豪怪談傑作選』(ちくま文庫)ほか多数。最新刊に『文学の極意は怪談である――文豪怪談の世界』(筑摩書房)。


25日(日)13:00〜15:00 @1F あいおい文庫 
参加費 1000円 要予約…件名「東トーク


★展示 3.11キヲクのキロク 市民が撮った震災記録展
3月11日以降に市民が撮った18,000枚の写真よりまとめられた記録集『3.11キヲクのキロク』(NPO法人20世紀アーカイブ仙台、2,000円+税)の刊行に合わせて、市民による震災記録をパネル展示します。全国の方々にご覧いただきたいと願っています。100年後でも忘れないために。


24日(土)〜4月2日(月) 24、25日は古本まつりと同じ、それ以降は10:00〜17:00
@1F タウンモール


NPO法人20世紀アーカイブ仙台
http://www.d2.dion.ne.jp/~clip/20thcas.html/


トーク 「3.11」市民は何をキロクしたか
佐藤正実(NPO法人20世紀アーカイブ仙台)×片岡理恵(ライター)×大竹昭子(文筆家)
デジカメやケータイで撮影された膨大な写真は何を伝えるか? 記録集の完成までの道のりを振り返りつつ、市民による震災写真の意味を考えます。
企画 一箱本送り隊 http://honokuri.exblog.jp/


24日(土)12:00〜14:00 @1F あいおい文庫 
参加費 800円 要予約…件名「震災トーク


トーク 〈普通の本屋〉をめざして
天野智行(古書コンコ堂)
聞き手・南陀楼綾繁(ライター・編集者)
2011年6月、阿佐ヶ谷にオープンして以来、多くの本好きのハートをくすぐっている古書コンコ堂。店主の天野さんに開店のきっかけから間口の広い店づくりまで、お聞きします。


24日(土)15:00〜16:30  @1Fあいおい文庫
参加費 500円 要予約…件名「古本屋トーク


★ライブ 福原希己江ライブ
ドラマ「深夜食堂2」の挿入歌をうたい、大きな話題を呼んだ福原さん。しっくりあたたかい歌心を届けます。


福原希己江(ふくはら・きみえ)
1979年生まれ。2009年、本格的にソロでギター弾き語りをはじめる。2011年、「深夜食堂2」の挿入歌を担当。CD 『おいしいうた』を発売。
http://www.fukuharakimie.com/


25日(日)16:00〜17:00 @1Fあいおい文庫
参加費 予約500円/当日700円 予約…件名「福原ライブ」


イベントの予約・問合せ先 abooklabo@gmail.com  FAX 03-6220-1502(相生の里)
※予約される際は、イベントごとの件名、お名前、参加人数、電話番号を明記のうえ、メールもしくはファクスにてお申し込みください


あいおいブックラボ 
公式HP http://aioibooklabo.com/
ツイッター  アカウント名「booklabo」


会場
中央区佃高齢者介護福祉サービス 相生の里【ルビ あいおい さと】
〒104-0051 東京都中央区佃3-1-15
TEL 03-5548-2490 FAX 03-6220-1502(事務局:砂金【ルビすながね】、石井、竹田) sw@aioinosato.jp
http://www.aioinosato.jp/
東京メトロ有楽町線都営大江戸線「月島」2番出口より徒歩3分