文藝別冊『花森安治』が出ました
こんな本が出ました。
花森安治---美しい「暮し」の創始者 (文藝別冊/KAWADE夢ムック)
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2011/12/15
- メディア: ムック
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河出夢ムック 文藝別冊
総特集 花森安治 美しい「暮し」の創始者
花森安治ベスト・コレクション
若いひとに
言葉は暮しのなかに生きている
君もおまえも聞いてくれ
白い窓卓 編輯後記
手にも美しい表情を
衣装研究家の花森安治氏に歌舞伎の話を訊く[聞き手・構成 有吉佐和子]
僕らにとって8月15日とは何であったか
お人よしで親切で(大宅壮一追悼)
シェーファーのインク瓶
人間の手について
対談再録
×徳川夢声 問答有用第百十一回
×江戸川乱歩 本格もの不振の打開策について
インタビュー
土井藍生 父・花森安治と過ごした日々(聞き手 編集部)
杉山平一 花森安治を語る(聞き手 赤田祐一)
矢崎泰久 スカートをはいた名編集者(聞き手 宇井洋)
鶴見俊輔★花森安治讃
サトウハチロー★花森安治
木内昇★まるまる一冊
藤城清治★停電の夜に始めた影絵の話
堀江敏幸★ダイヤルの位置は適当か
津野海太郎★時代の空気 ロゲルギストと花森安治
早川茉莉★森茉莉と花森親分
熊井明子★暮し方を変えてしまう雑誌
市川慎子★花森安治のこと
山本夏彦★たったひとりの人 花森安治
椹木野衣★たたかえ暮しの?手?帖
永江朗★暮らしをもっと、わがままに美しく
茨木のり子★『暮しの手帖』の発想と方法
荻昌弘★花森イズムと?暮しの手帖?
南陀楼綾繁★「鬼瓦」は大橋を渡って 花森安治と松江
矢野進★花森安治が描いた表紙画
馬場マコト★宣伝技術家・花森安治
濱田研吾★花森安治の話術
花森安治交友録
資料
花森安治がつくった「暮しの手帖」152冊ダイジェスト
いま読める花森安治の本+花森安治についての本
花森安治略年譜
花森安治著述&主要関連文献リスト
まだざっとしか読んでいませんが、単行本未収録の本人のエッセイや、花森についての評論・エッセイ・インタビュー(再録も含む)から、巻末の資料編(拡大コピーしないと読めないほど文字が詰まってます)まで、よくこれだけ入ったものです。花森安治の『暮しの手帖』以外の面にも着目した、花森安治ガイドブックになっていると思います。編集の大西香織さんは、かつて文藝別冊の武田百合子を担当した方です。写真やカットもふんだんに入っていますし、花森っぽいデザインから離れつつ、でもどこか花森っぽさが入っているデザイン(重実生哉)もいいです。
娘さんの土井藍生さんのインタビューは、家庭での花森の姿を伝えるもの。『花森安治戯文集』(LLPブックエンド)の土井さんのあとがきに出てこないエピソードもあります。「藍生(あおい)」という命名についての説明は、理屈と感情がセットになっている花森らしくて面白いです。鶴見さんのエッセイは、再録ではなく書き下ろしだそうです。調査魔の濱田研吾さんが「花森安治の話術」について書いているのは、どんな資料を引っ張り出してくるのか楽しみ。
ぼくは『花森安治の編集室』(晶文社)の著者・唐澤平吉さんとの対談と、エッセイを書いています。対談の方は、唐澤さんの話の引き出し役といったところですが、まあ、花森の装釘本を集めている仲間ということで。エッセイの方は、旧制松江高校時代の花森について書いたものです。
表3の広告にあるように、来年2月24日〜4月9日まで、松江市の島根県立美術館で「くらしとデザイン展 『暮しの手帖』花森安治の世界」が開催されます。本書やもうすぐ出る『花森安治のデザイン』(暮しの手帖社)を読んだ上で、展覧会を見に行こうと思っています。