「本を送ろう」茶話会、開催しました

4月2日、向島の寺島集会所で、被災地・避難所に本を送るための方法を話し合う茶話会を開きました。突然の呼びかけにもかかわらず、18人ほどが集まってくれ、2時間話しあいました。さまざまな意見が出ましたが、
(1)すでにあるブックイベントのネットワークを生かした活動を行なう。
(2)送る本を集めるとともに、募金を集め活動を支えるための資金に充てる。
という2点については、全員で確認できたと思います。
これから、趣意書をまとめて、各地のブックイベントのグループに呼び掛けるつもりです。


また、とりあえず茶話会の出席者用にメーリングリストを開設しました。出席された方、招待のメールが行っていると思うので、登録してください。まだメールが届かないとか、やり方が判らないという方は、南陀楼kawasusu@nifty.com)までメール下さい。この問題に関心を持ち、一緒に活動したいという方も、メール下さい。メーリングリストにご招待します。


以下は、当日の資料としてまとめた、地震と本を送ることについてのメモです。ツイッターなどからの無断引用を含みます。

「本を送る」茶話会のためのメモ          2011.4.2  


★東京アドレップ・松下浩さんとの相談
・本のサイズを「文庫・新書・コミック」に限定する。サイズを決めることで、内容のフィルターも自動的にかかるのでは。
・本を集めるとして、仕分ける場所が問題。学校の教室などを一月ぐらい借りることはできないか?
河北新報が避難所の情報をまとめているので、協力してもらえないか。


不忍ブックストリート助っ人・三五さんより
「本の福袋」みたいに、いろいろ入っているといいですね。


★古書ほうろう・ミカコさんより
ただ東京から本を贈るというのではなくて、Book!Book!Sendaiの人たちに事前に伝えておいて、彼らが動くことができなくても、せめて名前だけでも使わせてもらうと、一箱から始まったこれまでとは違う形の全国的な本のネットワークが活かせる感じになるな、とも思ったり。


★出版文化振興財団(JPIC)Nさんの反応
?「ブックリボン」の倉庫賃は約600万。
 事業経費の大部分。
?募集に条件をつけなかったので実際に贈るに値した本は半分。
?現時点では集めた本を直接送ることは考えていない。
?募金を書籍購入費に充て、しかるべき本を現地に贈ることになりそう。
?送り先は学校ではなく避難所?
?現地ではすでに読み聞かせボランティアが活動を開始。
?避難所で落ち着かないこどもへの対策として本が役立つ時期に入っている。
?一方的に本を贈るのではなく、避難所に本を持ち込み自由に選んでもらったらどうか。
 本箱を用意して読み終わったら回覧してもらう。


★牧野伊三夫さん(画家)との会話
本だけを運ぶんじゃなくて、画家とか音楽家を乗せていって、ライブペインティングとかリーディングをやりたいですね。


荻窪「六次元」で古本募金
寄贈された本を店内で販売し、赤十字に募金。


唐津「西海洞」さん(古本屋)からのメールより
本を、行って来いで送るのも良いでしょうが、ちょっと捻って、【一箱巡回文庫】とか、どうでしょうね、段ボールでは破損しますので、有志で木の箱を沢山作って、その中に本をいれ、ある範囲の仮住宅などを10日くらいのスパンで廻していくとか。本は、十人十色でなかなか、その人の好みにフィットするものを送るというのは難しいものですし、
ネタは、昔貸本屋時代に古老にきいた【巡回文庫】。
まずは小さなエリアで試験すればそうまで膨大な金額は発生しないとおもうのですが。
巡回文庫に、読書ノートをつけたり、本に、メッセージカードをつけたりと送る人と受け取る人との橋渡しを本が触媒となって想いも繋がると、良いなあ。


南陀楼のツイート(3月31日)
首都圏に避難されている方には、市や区の図書館が身分証明だけで貸出カードを発行するようにすれば、かなり多くの人が利用するのではと思います。移動図書館が巡回するともっといい。こういうときは新刊・古本・図書館の枠を超えた協力が必要だと思います。


★「天然生活」編集部のツイート(3月31日)
バックナンバーで恐縮ですが、「天然生活」を800ヵ所の避難所にお送りすることが決定


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信愛書店からのお知らせです。
〜被災地に絵本を届けよう〜
杉並区と南相馬市は災害時相互援助協定を結んでいるので、このたび被災された住民の方たちに継続的に支援物資を届けています。杉並区立劇場座・高円寺では絵本と児童書を届けるプロジェクトを開始、みなさまから寄せられた本を各地に避難された方たちに届けています。絵本・児童書はいつでもお預かりしますので信愛書店までお持ちください。今後、継続的に取り組むと言うことですので、いつでもお預かりいたします。


★@yukisseのツイート(3月31日)
25日にスタートした「ユニセフ ちっちゃな図書館」プロジェクト。これから送られる方は注意! 予想以上の反響に「絵本」は受付中止(紙芝居・児童書は継続)。新品または新品に近いもののみ。送付先も変更にhttp://bit.ly/e4VY09 


ユニセフ ちっちゃな図書館」プロジェクト
http://www.unicef.or.jp/kinkyu/japan/2011_0327.htm


イラストレーター・たけのこスカーフさん(宮城県亘理町在住)からのメール
実際の避難所の雰囲気などは、家族のものに聞いてみました。
◎思ったより年配の方が多いようです。
◎若者は、携帯でネットをしたり携帯用ゲームをしています。
◎避難所に居るかたは、家が流されていたり、家族が行方不明である場合が多いそうです。(本のセレクトに注意が必要かもしれません)
たぶんすごく喜ばれると思われるもの
・漫画雑誌(ジャンプなどの新しいもの)
とのことでした。


★仙台「絵本バンク」北野央さんからのメール
現在、仙台の絵本屋の横田やさんを中心に、子どもに絵本やおもちゃなどを送るプロジェクトを立ち上げる準備をしております。
横田やさんHP→ http://www.yokotaya.net/
火星の庭の前野さんにも呼びかけ人として参加していただいております。近日中に、内容を調整してウェブなどで発信していく予定です。


これは仙台の子どもに関係する個人が集まり、被災した子どもに絵本や児童書、漫画、おもちゃ、文房具などを送るとともに、寄付金を集め、流された学校や保育園に本を送り、日本一の図書館にしようというものです。
送る範囲は、宮城を中心に福島の相馬や岩手も届けたいと思っておりますが、無理のないように、宮城から少しずつ始められればと思います。
輸送は、新聞の販売店と連携して、仙台から寄付先の近くの販売店まで物資を送ることができないか検討中です。


被災地のニーズ把握のために、宮城県の沿岸部を見て回ってきました。
一部は私のツイッターでつぶやきました。
http://twitter.com/#!/hoku_kiz


その結果、自治体の窓口に絵本を送っても、有効活用されないと思いました。避難所は落ち着いて読みにくく、絵本を読む習慣がない子どももいます。
そこで、絵本の価値をある程度理解した方、例えば、地元の保育士や読み聞かせボランティアと連携し、その人達に絵本の読み聞かせをしてもらい、その後に一冊ずつ子どもたちに手渡ししたいと考えております。


送る絵本に関しては、キッズルームが設けられ、絵本が少し置いてある避難所もあるため、何でも良いというわけではなく、自分がプレゼントとしてもらったら嬉しい内容や状態の絵本である必要があると思います。
なお、子どもは思ったよりも避難所にいませんでした。自宅や親類縁者の家にいる子どもが多いようです。そのような子どももサポートするために、保育園や児童館とも連携しようと思い情報収集をしております。
また、直接避難所に送っても、それを置くスペースがないため、一度、仙台で物資を集め、仕分けを行ってから現地に送ろうと思っております。


現在は、子どもたちは日常の生活を取り戻すために、あまり派手な動きは行わない方がよいと思いますが、もう少し時間が経つと、現地の人も本が必要になり、イベント的な動きも受け入れられるようになってくると思います。
イベントとしては、前野さんにも伝えたのですが、仮設住宅ができ、生活が落ち着いてきた時に出張カフェを行い、その際に、絵本だけではなく、大人向けの本を持っていけないかと、勝手に妄想しております。


南陀楼さんのブログで書かれているような内容はとても共感しました。子ども用の絵本に関しては、上記のように簡単ではありませんが、絵本だけでなく、児童書、漫画を通して、何かアクションを起こすためのネットワークづくりを少しずつつくっていきたいと思います。


沿岸部の復興は長くかかると思うので、このプロジェクトは3年間継続して活動したいと考えております。
近日発表する内容をご確認いただき、了承していただけそうでしたら、ぜひ連携していただければと思っております。


★その他の動き
「絵本エイド」(絵本ナビ) http://www.ehonnavi.net/feat/ehonaid/
電子書籍の売り上げを義捐金に(パブー) http://p.booklog.jp/book/385/page/284132


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南陀楼の案
全体を4つに分ける。インフラは共有。プロジェクトごとにメンバーが変わる。


1)絵本を送る
仙台での動きと連携する。


2)本の福袋
集める本を文庫・新書・コミックサイズに限定。それを仕分けして、避難所で読まれそうなセットをつくる。小説5:エッセイ2:マンガ2:新書1という平均的な組み合わせを、段ボール箱に詰め込む。余ったスペースには、最新のマンガ雑誌、週刊誌を詰める。
避難所の収容人数により、送る箱の数を決める。


3)チャリティ古本市
1、2で送り切れなかった本やそれ以外の本を販売する古本市。売り上げを義捐金として送る。


4)本のキャラバン
状況が落ち着いたら、マイクロバスに1、2を積み、直接被災地に行く。絵本作家、画家、ミュージシャンなどが同乗し、避難所で応援イベントを行う。ガソリン、宿泊、食事などを自力で確保する見込みがなければ、実行しない。