神楽坂ではじまり、終わる

超久しぶりにフツーの日記です。朝9時起き。寒くて布団の中から出られず、YouTube有吉弘行のラジオ番組を聴いている。9時半に出て、山手線で御徒町。立ち食いそばで朝飯。大江戸線牛込神楽坂へ。出版会館でのJPICの読書アドバイザー講座の講師。今年のぼくの活動の三つの柱である不忍ブックストリート、あいおいブックラボ、出版者ワークショップの活動と、その三つをつなぐ理屈のようなことを話す。昨年も同じ時期に同じテーマ(「読者は変わったか」)で話したが、今年の方が反応がいいような気がする。ブックイベントへの興味が高まっているからだろうか。終わってから、「うちの学校でも一箱古本市をやってみたい」という受講者がいた。本の売れ行きも良くて、20冊ほどサインする。


久々に〈神保町シアター〉で一本観るつもりでいたが、思ったより時間がかかったので、神保町に着いたのは1時半ごろ。〈珈琲館〉で資料本を読んで時間つぶし、〈東京堂書店〉で仕事用の本を買って、三田線で春日へ。キャップスの会議室で、机のセッティングしてから資料本の続き。4時半ごろに出版者ワークショップのメンバー到着。この前にボイジャーで萩野正昭さんからレクチャーを受けていたので、遅くなったのだ。2月22日の公開シンポジウムについて、どういう内容にするかを詰めていく。今日は早めに切り上げるつもりだったが、なかなかそうもいかず、6時半になってしまった。急いで、吉上さん、横森さんと大江戸線牛込神楽坂へ。今日2回目の神楽坂だ。


〈シアター・イワト〉に着き、出入り口近くに席をつくってもらう。立錐の余地もない、本当の満員。恒例の「うたのイワト」最終日であり、今回がこのシリーズの最終回でもある。初回からトリをつとめてきた二階堂和美が、今夜も出演する。ユーストリームでの生中継もある。二階堂さんのほかのメンバーは、ピアノ、ベース、フルートなどの3人。昨年末のクアトロにも出ていたメンバーで、曲も重なっているが、あのときより情感がこもっているような気がした。二階堂さんがMCで「今夜はしっとり」と云ってたから、そう思えただけかもしれない。1時間以上たっぷりやり、今日は休憩なしでラストまで行くのかなと思った頃に第1部終了。休憩時には、ユースト担当の野口さんや青空文庫の富田さん、八巻さん、あうん堂の本多さんなど、知り合いと話す。


第2部は二階堂さんが僧侶姿で出てきて、ふだんの勤行での通りにお経を唱え、バックが演奏するというスタイルで30分近く。声と楽器が一体となり、混沌となって、また静かに声と楽器に戻っていく。そのあと、ハイになった二階堂さんが踊り狂い、歌い狂う。アンコールも2回あって終了。


二階堂さんは何度も「イワトは特別な場所だった」と話していた。「イワトに来ると、何か新しいことをやらないといけない気になる」とも。後半の読経ライブも、その挑戦の一つだったのだろう。今年3月いっぱいで、イワトという空間はなくなる。ぼくは縁あって、昨年6月からこのイワトの部屋を借りて、出版者ワークショップをやっているが、短いあいだでもココに通うことが出来て本当に良かったと思っている。メンバーの諸君も同じ気持ちだろう。そして、2月22日(火)には、そのワークショップの主催する公開シンポジウム(http://d.hatena.ne.jp/kawasusu/20110130)をイワトで行なうことになった。受け手として通っていたイワトの舞台に、送り手として立つ、最初で最後の機会だ。いいシンポジウムにしたいと思う。


吉上夫妻、横森さんと〈伊多八〉へ。ビール、ギョーザ、ラーメンといういつものコース。朝から動きっぱなしだったので、駅まで歩く気力が起きず、タクシーで帰る。そういえば、前回のワークショップのあった1月16日以来、まる2週間、仕事でこもりきりで電車に乗らずにいた。それが急に出歩いたので、よけい疲れたのかもしれない。神楽坂ではじまって、神楽坂で終わる一日だった。