帰ってきたら本の山

2泊3日で関西取材に行って来た。目的は中高図書館3校と大学図書館1校の取材。どの館も面白かった。初日は大阪泊まりで、天満橋のホテルをとったので、その近くの〈花月書房〉と〈ON THE BOOKS〉に寄った。どちらも『Sanpo magazine』第4号で紹介された店。そのあと、西に移動して肥後橋まで歩く。〈calo bookshop&cafe〉で音楽ライターの毛利眞人さんと待ち合わせ。カロの石川さんに連れられて、近くの居酒屋へ。狭い店だが、つまみの一つ一つが美味しい。あとから、ちょうちょぼっこの3人も来る。同じ団地に引っ越したハナシなどを聴く。郷田さんが厚生省の村木厚子さんに似ていると盛り上がるが、水木しげるのマンガにも自然に溶け込みそうな、いい感じのキャラになってきてる。12時前に解散して、京阪で天満橋まで戻る。


翌日は午前は大阪、午後は京都で取材。そのあとタクシーでホテルへ。休憩したあと、目の前にある京都御所を通り抜ける。ほとんど明かりがなく、虫の音がよく聞こえる。反対側に抜けるのに30分ぐらいかかった。〈hakobaka(ハコバカ)〉のギャラリーに行くことになっていたが、そのビルの2階にメンバーの一人・オノさんに会う。同じフロアに入っている雑貨と古本の〈moshi moshi〉の店主さんもそこにいる。今日は休みだという噂を聴いていたので、嬉しい。あとから『ぱんとたまねぎ』のハヤシマイさんも来て、店主さんの小声での紙芝居を見せてもらう。今回もイイ本あったなー。そのあと、ハコバカへ。ハコガカことオノユキエさんの個展が開催中。フリーペーパー『ごびごび』をもらい、コルク入れの小箱を買う。


そこからけっこう歩いて、古本バー〈トリペル〉へ。バーというか、マンガ喫茶みたいな雰囲気だなと思ったら、以前はそうだったと。トリペルと〈はんのき〉を共同経営している、ネット書店〈古書ダンデライオン〉の中村さん(ああ、説明がめんどくさい)、ハコバカの一人・中井さん、扉野良人さん、〈ガケ書房〉のうめのさんが集まり、7人に。この店オススメの新潟ビールで乾杯。そこから北にかなり歩いたところにある、名を秘す店の二階座敷でコースの料理をつつきながら、焼酎を飲む。京都の古本屋事情やさまざまなイベントのハナシなどで盛り上がる。話は尽きず、中村、うめの、ハヤシと〈白木屋〉で1時過ぎまで。


10月30日(土)開催の「一箱古本市inえいでんまつり」(http://gakegake.blog.eonet.jp/default/2010/10/post-8351.html)のチラシをもらう。本を詰めたトランクを電車のホームに置いた写真を使っている。このトランクの中の本のセレクトは山本善行さん(『一箱古本市の歩きかた』も入れてくれて嬉しい)、写真はうめのさん、デザインはハヤシさん。いいチームでいいチラシになりました。


今日は午前中に京都南部で取材。旧街道沿いの古い通りが面白かった。200メートルぐらいに昔からの定食屋やうどん屋が4軒もあったよ。写真はその入口で見かけた喫茶店の建物。営業しているかは不明。京都駅に戻って、新幹線で東京へ。現金を使い果たしたので、ナニも買えずに帰って来た。蓬莱の豚まん買うのも忘れていた。


帰って来ると、郵便物がたくさん。『彷書月刊』休刊号(300号)は192ページ。終わったんだなあ、と思う。ぼくの連載、最終回は金沢の一箱古本市や龜鳴屋さんのことを枕に、あとがき的な文章を書きました。藤木TDC『場末の酒場、ひとり飲み』(ちくま新書)はタイトルにやられる。オビのコピーは「踏み込めば、先は極楽」。本間さんから、『高校生はこれを読め!』(北海道新聞社)と発寒商店街の古本市のメンバーでつくった雑誌『TABULA』創刊号を。亜紀書房から森まゆみ『明るい原田病日記』。河出書房新社から近代ナリコ編『宇野亜喜良 少女画六つのエレメント』、日本文芸社から栗原裕一郎村上春樹を音楽で読み解く』。


小学館から佐藤敏章(インタビュー)『神様の伴走者 手塚番13+2』をいただく。各社の手塚担当の編集者へのインタビュー集。『ビッグコミック1』連載中に何度か読んでいる。インタビュアーの佐藤敏章さんは同誌の編集長で、ぼく好みのマンガ家の単行本を多く編集してきた方。『力道山がやって来た はるき悦巳短編全集』を子のブログで紹介したのを見てくださったとのこと。『力道山がやって来た』は『フリースタイル』13号のコラムでもちょっと紹介しています。


入谷コピー文庫から宮前栄平岡海人・大川渉『新・呑んべえ巡礼日記 鳥取・大阪・東京篇〜柿の若葉に誘われて』届く。大川さんは東京に戻ってからの荒川区近辺での巡礼日記。ぼくもちょっと出てきます。もう一冊は、『入谷コピー文庫図書目録2010』。これまでのリストに加え、濱里史明さん、赤穂貴志さんがメッセージを書いている。呑んべえ本で41冊に達したのか。


著者の皆さんから献本いただくのだが、ぼくのほうがなかなか本が出ないので、もらってばかりで申し訳ない。とくに近代ナリコさんにはこのところいただきっぱなし。少しでも紹介するようにしたい。