『手塚先生、締め切り過ぎてます!』がイイぞ

朝8時起き。今日もいい天気。仕事場に行き、溜まっていた雑用をする。12時に出て、千代田線から都営新宿線に乗り換えて、新宿三丁目。〈模索舎〉で『山からお宝』の納品と精算。コレで手元にはほとんどなくなってしまった。カウンターに、アストラの「美人葬儀マネージャー」こと奥山さんの彼氏(なのか? いつも彼女にくっついてるが)が入っていたので驚く。昨日から働いてるそうな。副都心線に乗ろうと、地上の出口を探すが見つからず、都営線の入口まで戻って入る。


雑司ケ谷駅から地上にあがると、そこここに「みちくさ市」ののぼりが。もう今週末なのか。昨日の《花籠の歌》のとんかつがウマそうだったのを思い出し、明治通りに出る手前のとんかつ屋(〈よしや〉だったかな)に入り、おろしとんかつを頼むが、ボーッとしてて出てきたときに、とんかつにソースをかけてしまう。横についてる大根おろしをどうすれば……? 結局、ソースとしょうゆのミックスという悲しい味で食べる。


古書往来座〉で、一箱古本市とweekのチラシを置いてもらう。店番ののむみちさんが、「こういうのガックリくるんですよねえ」と見せてくれたのが、コミックスの揃いのパッキング。左から1巻から並んでいると思ったら、13、14巻だけ左端にあった。器用な間違え方だ。もういちど最初からやり直していた。ちょっと時間があるので、店内をじっくり見て回る。「小説検定」の資料のほかに買ったもの。新刊の『東京レポート』第1号(特集「池袋・豊島区」)1300円。茨城のつくば書店の発行。古代から現代までの池袋についての知見が盛り込まれていて、すごく役に立ちそう。ほかの地域も特集してくれると嬉しい。『読書マガジン』と『軽量版読書マガジンLight』各100円。南川潤『夜の虹』(美和書房、1946)1000円。面出しにされていて、花森安治の装丁が目に入る。花森装丁の南川の本はこれで2冊目【←コレは間違い。南川ではなく新田潤『煙管』が花森装丁でした。4月22日追記】。『緑なす音羽の杜に』1・2(講談社)。OB数十人のエッセイと座談会。1巻目のサブタイトル「講談社創業八十周年に寄せて OBたちの記録」、2巻目は「野間省一社長と私たち」。伝説の編集者と呼ばれる人たちが多く寄稿している。前に講談社の資料室で見て以来、欲しかった本だ。2冊で1500円はメチャ安でしょう。


まだ時間が余ったので、〈ジュンク堂〉へ。出版関係の棚はいまいち。地下のマンガ売り場で、吾妻ひでお『地を這う魚 ひでおの青春日記』(角川書店)、いがらしみきお『フンティーちゃんとレポンちゃん』(竹書房)、永山薫昼間たかし編著『マンガ論争勃発』(マイクロマガジン)を買う。そのあと、池袋の某校図書館の取材。終わって、Iさんたちと喫茶店でケーキ食べる。


東池袋駅から有楽町線飯田橋東西線で阿佐ヶ谷へ。〈ラピュタ阿佐ヶ谷〉で、特集「映画監督 中平康」。今日は《おんなの渦と渕と流れ》(1964)。この映画のことは、連載「居眠り名画座」で書くつもり。レイト特集「60年代まぼろしの官能女優たち」にも惹かれるが、遅くなるのであきらめる。


帰りの中央線で、福元一義『手塚先生、締め切り過ぎてます!』(集英社新書)を読了。面白くて、一気に読み終える。これまで手塚本は数多く出ているが、漫画史の中での功績を描くか、ある一時期(トキワ荘時代とか、その編集者が担当していた時期とか)の手塚を描くものがほとんど。しかし、本書の著者は、最初は編集者として手塚に会い、のちに手塚プロのアシスタントとなって、47年間も手塚のそばにいたのだ。しかも、手塚と年齢も近い。内部にいたからこそ見聞きできたエピソードが多く、手塚を尊敬していながら盲信はしていないところもイイ。竹熊健太郎さん云うところの「手塚伝説」が満載で、手塚本の新定番になりそうな回想記だ。