今野敏と徳大寺有恒はどこまで本気なのか?

今週はとにかく、朝イチで仕事場にやってきて、机の前に座り、少しでも進めるようにしている。昨日は2本書いたところで力尽き、ちょっとだけ休もうとソファでヨコになったら眠ってしまい、目覚めたら5時。慌てて神保町へ。〈タカノ〉で新潮社のTさんKさんと「小説検定」の打ち合わせ。応募者数が増えるよう、ちょっとしたリニューアルの相談。今回のテーマはうまく行けば面白くなりそう。〈アンチヘブリンガン〉に場所を移して食事。久しぶりに来たが、じつに繁盛している。奥さんと話していたら、しょっちゅう根岸さんのハナシが出る。ほかの店でもよく、根岸さんの名前を聞くが、行動範囲が広いんだなあ。


緒川たまきがケラと結婚した件について、まだ20代のTさんがケラのことを「あのヘンなヒト」程度しか知らないことに、Kさんとショックを受ける。「昔、ナゴムギャルというのがいてね……」と思わず講義。10時ごろまで飲み、タクシーに乗せてもらって千駄木まで。


今野敏『疑心 隠蔽捜査3』(新潮社)を、ゲラゲラ笑いながら読む。前作『果断』で、息子からアニメの素晴らしさを説かれて、『風の谷のナウシカ』に感動する竜崎に大笑いしたのだが、今回はもっとスゴい。米大統領の訪日の警備の責任者に任命された警察署長の竜崎は、秘書として配備された女性キャリアに恋焦がれてしまい、まともに仕事ができなくなるのだ! 彼女と話す部下に嫉妬する警察署長。恋の悩みを解決するために、禅の公案を読む警察署長。テロ計画を防ぐ竜崎たちの活躍を描くのが本筋のハズなのに、いつの間にか恋愛問題の方が前面に出ている。今野敏は意図的にコレをやっているのか、無意識だとすれば天才的だ(担当編集者は絶対この面白さに気づいてるはずだが)。しばらく、このヒトから眼が離せない。


今朝は旬公ともども7時前に眼が覚めて、久しぶりに一緒に朝飯(うどん)を食べる。NHK連ドラの《だんだん》は、残り3回。もうすっかり、視聴者の手の届かないところにストーリーが進んでいる。バブルで財産を失ったIT社長が「オバマにならって、祇園もチェンジするんですね」と云うセリフに鳥肌が。本郷図書館に寄ってから仕事場へ行き、午前中に1本。午後、『COMIC Mate』の書評を書き、ソファにヨコになる。ライブを見に行く予定だったが、ノルマが終わらないので、また机に向かい1本書く。先は長いなあ。


この仕事で参照した徳大寺有恒の『ぶ男に生まれて』(集英社文庫。このタイトルは素晴らしい)の一節がステキすぎるので、引用する。

僕は、記憶力がいい(と思っている)。
とはいえ、どうでもいいことはすぐに忘れてしまう。でも、それは生きていく上で、すごく大事なことだと思っている。
たとえば、女の子の体重なんか覚えなくてもいいんだけど、小陰唇の色や形は覚えていた方がいい。


なぜに、体重と小陰唇を天秤にかける……? この本にはほかにも楽しいエピソードが沢山あるので、いずれ紹介したい。


和光大学から振り込み通知が来たので、まだ新学期に入ってないのでおかしいと思って見たら、なんか制度が変わったとかで差額の600円を振り込みますというお知らせだった。ご苦労様です。ちなみに、今年の「雑誌研究」の授業は、金曜5限に決定。遠いところにある大学ですが、ニセ学生も歓迎します。