ブキさんにはつらい日々

『山からお宝』の書店への搬入はほぼ終わりました。おかげさまで、各所で売れているようです。「ちょっと売れると調子に乗りやがって、また在庫抱えて泣くんだろ?」と塩山御大にあざ笑われましたが、これから発送する分を除けば、残りは100部以下。あと100部つくっとけばよかったかな。とはいえ、すべての取扱店で売り切れて、精算が終わった時点で初めて利益が出るんですけどね。


それにしても困るのは、旬公に「ブキさん」とあだ名されるほどの自分の不器用さ。納品書を書いて、本を数えてビニール袋に入れ、適当な大きさの封筒に入れ、ガムテを貼り、宛名書きをしてポスト(あるいはコンビニ)に持っていくという、一連の動作がものすごくスムーズでないのだ。切手は破れ、封筒には荷物が入りきらず、同封するはずの納品書が残っている。東京堂と海文堂への納品書が逆になっていたし、ある人への献本の中に東京堂への納品書が紛れ込んでいた(なぜか東京堂ばかり)。こういう作業を冷静にこなせる人を尊敬します。


旬公がすでに書いているが、昨夜もトイレの水が止まらなくなって大騒ぎ。床に水が流れてしまったので、旬公が風呂に入っている間、貯水槽の中に手を突っ込んでレバーを持ち上げて水を止めていたら、堤防の穴に手を突っ込んで止めようとしたオランダの少年のことを思い出した。あの子は洪水を防いだ代わりに死んじゃったんだっけ……と、自分の勇気をたたえていたら、旬公が風呂から上がって、30秒で水を止めた。「ちゃんと構造を見ろよ!」とヨメに説教される午前2時だった。


白水社のPR紙『出版ダイジェスト』の「再読愛読」にコラムを書きました。今回を含め3回掲載です。そのうちサイト(https://www.hakusuisha.co.jp/digest/)にも掲載されるそうです。


津田京一郎さんに『山からお宝』をお送りしたら、代わりに『骨 井上多喜三郎追悼集』と『植垣節也作品集』を送ってくださる。どちらもコピーを丁寧に綴じた本。前に頂いた武藤康史『水夢抄』の隣に並べておこう。津田さん宅には充分な収容スペースと、日曜大工のお父上のおかげで、いまのところ積まずにすんでいるとか。うらやましい。


今日初めて知ったんだけど、〈シネマート六本木〉で「新東宝大全集」(http://www.cinemart.co.jp/shintoho/)をやるのだ。新東宝作品ばかり60本、めったにやらないのも掛かるようだ。この映画館、まだ行ったことないけど、この特集には通ってしまうかも。