「ミニコミ界のドラえもん」でーす

朝8時に起きて、すぐ仕事場へ。『積んでは崩し』の増刷が届くのを待つ。座って待っているときには一向に来ないのに、トイレに入った瞬間、ピンポンが鳴るのはどうしたワケ? 無事、200部が完成。誤植も直っていた。『SPA!』の原稿にかかるが、今日は意外にすんなり書けて、1時間で完成。こんなのは珍しい。11時に出て、神保町へ。〈東京堂〉で『積んでは崩し』を納品する。『エクス・ポ』第5号を買う。もう5号とは早いなあ。日曜日で飯屋はどこも休みだが、〈三幸園〉は営業している。エビチャーハンを食べる。


半蔵門線で渋谷へ。いつもの〈シネマヴェーラ渋谷〉。まずは、松野宏軌監督《吸血髑髏船》(1968)。初めて観る監督だが、終始不気味な雰囲気をつくりだすのに成功している。西村晃はいつも通りすごいが、松岡きっこが平時でも不気味でヨカッタ。もっともたっぷり20分は眠ってしまったが……。もう一本は、三隅研次監督《とむらい師たち》(1968)。勝新太郎伊藤雄之助ら役者陣が、野坂昭如の小説独特の屈折した感じをよく演じている。野坂原作としては今村昌平監督《「エロ事師たち」より 人類学入門》に並ぶ成功例ではないだろうか。勝が実現しようとする「葬博」は、1970年の大阪万博への強烈な皮肉。万博のロゴを大きく使ったり、まだ広大な更地だった万博建設用地で霊柩車を走らせたりしている。傑作なり。


井の頭線で吉祥寺へ。〈バサラブックス〉に行くと、和光の教え子・コマツくんが店番だった。『積んでは崩し』を15冊納品する。『映画時代』創刊号、フリーペーパーをまとめた『週刊車窓』、あらゐけいいち『開けっ!』とミニコミを買う。あと、岩波写真文庫の復刻版『日本の映画』を。あとでバサラのブログ(http://basarabook.blog.shinobi.jp/)を見たら、「ミニコミ界のドラえもん」と書かれてた。なんだよ、体型以外に共通点あるのかよ。そんなキャッチフレーズ考えているヒマに、早く自分のミニコミをつくりなさいよ、コマツくん。


吉祥寺駅まで戻るあいだに空模様が怪しくなる。中央線に乗った瞬間、雨が降り出し、西荻に着いたらドシャ降りになっていた。止む気配がないので、構内のコンビニで傘を買い、西友の中を通って反対側の出口から、〈音羽館〉まで走る。ココにも15冊納品。お店の希望により、サイン・落款入り。委託ではなく買い取りということで、即金で払ってくれる。嬉しい〜。売れ残ると気の毒なので、みなさん買ってください。いただいた金で、重政隆文『勝手に映画書・考』(松本工房)、長谷川集平『音楽未満』(マガジンハウス)、山上たつひこ天気晴朗なれども日は高し』(小学館クリエイティブ)を購入。広瀬さんに誘われて、隣の喫茶店で雑談。「西荻ブックマーク」、もう3年目だという。頑張ってるなあ。まだ雨が降っている。ゼンゼン客のいない〈加賀廣〉でホッピーを飲み、ウチへ。