近藤十四郎さんと『HEAVEN』について

まず告知。

『ぐるり』プレゼンツ
南陀楼綾繁トーク十番勝負 その3
ぼくが『HEAVEN』の住人だった頃


出演
近藤十四郎(ミュージシャン)
南陀楼綾繁(ライター・編集者)


1980代初頭に仇花のように咲いた、自販機雑誌『HEAVEN』。高杉弾山崎春美羽良多平吉隅田川乱一らがやりたい放題に暴れたこの伝説の雑誌に、創刊からスタッフとして関わった近藤十四郎さんにたっぷりお話をうかがいます。香山リカ『ポケットは80年代がいっぱい』の読者は必聴! 近藤さんの生演奏もあるかも!?


日時 2008年7月25日(金) 18:30開場/19:00開始
場所 対抗文化専門古書 気流舎
世田谷区代沢5-29-17 飯田ハイツ1F
電話 03-3410-0024
http://www.kiryuusha.com/


入場料 800円(予約優先、15人限定)
予約 ビレッジプレス「ぐるり」編集部
info@village-press.net 03-3928-7699


近藤十四郎(こんどう・としろう)
1954年岡山生れ。71年(高2)より東京。エルシー企画〜アリス出版〜群雄社にて『HEAVEN』、豪華パンフレット『陽炎座』(鈴木清順監督)などを制作。その後フリー。ソロ/バンドによる音楽活動も並行。「バカズ」〜「ゴールデンDAS」そして今夏、新生「水の底楽団」始動!


近藤さんが『HEAVEN』に関わっていたことは聞いていたが、詳細をお聞きするのがこの機会が初めてになる。近藤さんの本拠である谷根千地域でやれば満員は間違いないが、あえて、今回は下北沢〈気流舎〉で行なうことにした。すでに予約も入っている様子。ご期待ください。


昨日は〈古書ほうろう〉で、藤木TDCさんとお招きしての「東京アンダーグラウンド食味談義」。客は約40人。藤木さんとは初対面で、会う前は緊張していたが、とても気さくな方で、訊きたいことを片っ端から訊くことができて、ぼくとしては大満足。前半は闇市をめぐるマジメな話が多かったが、休憩でのモツ煮販売(クドウヒロミさん作の「闇市風」)をはさんで、クドウさん、塩山さんに入ってもらってからは、塩山さんが藤木さんに丁寧にからんでくれたので盛り上がる(塩山さんが藤木さんの名文を朗読する場面もあり)。藤木さんの発言はいちいち面白かったが、なかでも「マイナスアルファの場所に惹かれる」(だったかな)というのが、この人の本質を表していると思った。それは藤木さんが書いてきたほかのテーマ(エロメディアやズベ公映画など)にも共通している気がした。トークのシメにそのことを云おうとしたが、うまく云えずに終わってしまった。


会場には、共著者のブラボー川上さん、写真の石渡史暁さん、単行本編集の山崎三郎さんの「チーム闇市」の面々も来てくださった。ほかにも藤木さん担当の編集者が多く、いつものほうろうでのトークとは一味違う濃い客層だったように思う。9時半に終了。終わってからの打ち上げも楽しかった。一段落してからほうろう、オオヨ、タムタム佐久間さんと飲むが、開始前からビール飲んでいて酔っ払ったので先に失礼する。


時間の都合上、触れられなかったが、トークの準備のために読んだ闇市関係の本がどれも面白かったので、紹介しておく。

★松平誠『ヤミ市 幻のガイドブック』ちくま新書、1995年
闇市に関わった人たちの聞き取りを基にして、闇市の実像をできるだけ再現しようとしている。漠然と抱いていた闇市のイメージを、かなり明確にしてくれる(闇市の食べ物はものすごく高かったとか)。『東京裏路地〈懐〉食紀行』でも参考文献として挙げられている。同じ著者の『ヤミ市 東京池袋』(ドメス出版)も持っているハズだが、見当たらない。

猪野健治編『東京闇市興亡史』ふたばらいふ新書、1999年
1978年に草風社から刊行されたものの再刊。日本ジャーナリスト専門学院の講師と学生による共同研究……なのだが、本文はあまり具体的でなく、記録としてはさほど役に立たない。阿佐田哲也が「闇市ギャンブル時代」を寄稿。巻末の50ページにわたる「東京闇市興亡史・年表」は資料として貴重。

★七尾和晃『闇市の帝王 王長徳と封印された「戦後」』草思社、2007年
新橋東口に「国際マーケット」をつくった男のドキュメント。漱石の次男・夏目伸六がこのマーケットで〈バー夏目〉という店を経営していたというエピソードが面白い。夏目の『父と母のいる風景』(芳賀書店、1967)からかなり長く引用されているが、とても生き生きとした描写で全文が読みたくなった。


ブログを更新してないと死んだかのように思われてしまう。メールとか会った人とかがやたらと心配してくれるのだけど、大丈夫です。普通に生きて、普通に仕事(少ないけど)しています。いまは、ネットで人のブログを読んだり、自分から情報発信することからちょっとだけ距離をおきたいだけで。その代わり、本を読む時間が増えています。アウトプットよりインプットを重視したい今日この頃。それなのに、「トーク十番勝負」なんてものをやっている理由は、人前で目立ちたいなどというコトではなく、初めてきちんと話す相手との対話から、自分でも考えてなかった何かが生まれることを期待しているからです。実際、岸川さんからも藤木さんからも大きな刺激を受けました。ハナシそのものはぶっつけ本番ですが、その前に関連文献を読み込むのでそれも勉強になりますし。だから自分にとってはアウトプットよりはインプット重視の活動なのです(いつか本にまとまればイイなあという気持ちもあるのですが)。来週は下記のトーク(まだ受付中みたいなので、お近くの方はどうぞ)のために米子に行き、その足で実家に帰ります。米子では久しぶりに〈祐生出会いの館〉に行く予定。

「読書の腕前 上達講座」in米子
「人間の土台は読書がつくる」 ただし、「ツン読」もあり!


07年3月に上梓した『読書の腕前』(光文社新書)が好評の気鋭のライター岡崎武志さんが快適・魅惑的な読書生活のススメを語ります。古典から新作まで、縦横無尽に渡り歩く読書人・岡崎武志さんの講義で笑いながらあなたの読書の腕前を鍛えてみませんか? 特別ゲストには、島根県出雲市出身、ライター・本の街づくりしかけ人として活躍中の南陀楼綾繁氏をお迎えします!


日時 2008年6月29日(日) 13:00〜16:00
会場 米子コンベンションセンター(JR米子駅より徒歩3分)
出演
岡崎武志さん(ライター・書評家)
南陀楼綾繁さん(ライター・編集者)
募集人数 100名 ※事前申込が必要です。(定員を超えた場合は抽選)
参加無料
http://www.jpic.or.jp/