人生の先輩たちと観る《実録阿部定》

朝8時起き。久しぶりに涼しい風が入ってくる。ちょっと雨も降った。本郷図書館に寄ってから、西日暮里へ。『進学レーダー』の原稿を書く。日暮里のりそな銀行に行ったら、窓口の女性がみんな浴衣姿だったので、びっくり。あざといが、でも、ちょっとナゴミました。日暮里図書館に寄り、おにぎり屋で定食食べて戻る。


2時に出て、東京駅。〈八重洲ブックセンター〉で、大西巨人『地獄篇三部作』(光文社)を買う。トンネル函で表紙にはボッシュ最後の審判」が使われている。これは読むのが楽しみ。三井住友銀行に寄ってから、〈フィルムセンター〉に着くと、場内は8割の入り。「逝ける映画人を偲んで 2004-2006」という特集で、しかも平日の3時に、こんなに客が多いとは。もっとも3分の1は時間をもてあましたらしき老齢の方々で、自分の親と同じぐらいの歳のヒトたちと並んで、にっかつロマンポルノを観るというのはナンとも妙な感じ。


田中登監督《実録阿部定》(1975)は、宮下順子阿部定と、江角英明の吉が、待合の二階にひきこもり、ひたすら情交するだけの映画。世間=外部は雨戸によってシャットアウトされる。宮下の「外の光が邪魔なのよ」というセリフにシビれる。ジャレあう二人の前で三味線を弾かされている芸者(花柳幻舟)が、どんどん不機嫌になっていくシーンが笑えた。いどあきおの脚本もカメラも、抑制されていてイイ。阿部定といえば、石井輝男の《明治大正昭和 猟奇女犯罪史》(1969)に晩年のご本人が登場している。


終わって、銀座線で上野へ。駅ナカの〈明正堂書店〉で、冨士正晴『贋・久坂葉子伝』(講談社文芸文庫)、『映画監督 田中登の世界』(シンコーミュージック)、『サイゾー』9月号(100号記念)を買う。入手したいマンガがあったのだが、ココにはなく、「上野古本のまち」を覗いたあと、〈TSUTAYA〉、御徒町の〈明正堂書店〉にも行くが見つからず。久世番子さんがオビを書いている、磯谷友紀本屋の森のあかり』(講談社)という少女マンガなのだが、なぜかドコにも置いてないぞ。安野モヨコ働きマン』第4巻(講談社)を買って、西日暮里に帰る。