「けものみち計画」始動です

朝6時半に目が覚めてしまったので、《カポーティ》をラストまで観る。風呂に入って朝飯食べて、仕事場へ。これまでなんとなくボカして書いていたが、《情熱大陸》にも出てしまったので説明しておくと、今年1月に千駄木の本郷図書館そばに住居を移して、西日暮里のマンションはそのまま仕事場として使っている。だから、朝は千駄木で目覚めて、自転車で西日暮里まで「出勤」しているのだ。仕事場に到着して9時から仕事にかかれるときは、わりと調子がイイ。ちなみに事務所の名前は「けものみち計画」。これまでぼくは「物数奇工房」、旬公は「碧鱗堂」と名乗ってきたが、今後はこの名前に統一する。まだ名刺をつくり直してないんだけど。


アマゾンで届いた『ウンポコ』第10号を。この雑誌、ウチの近所の書店で見つからない。久世番子『番線』がおもしろい。国会図書館の取材なのだが、司書がポロっとこぼす一言をキャッチしている。取材しするときに、こちらがオモシロイと思ったことと、先方が伝えたいことがズレているコトがよくあって、泣く泣く削ったりするのだが、久世さんはそのあたりをじつに上手に通している。この『番線』、ひょっとして『暴れん坊本屋さん』よりもオモシロいんじゃ? 単行本出たら、どこかで書評を書きたい。


府中市郷土の森博物館〉から『宮本常一の見た府中』が届く。「東京新聞」に載ったのを見て申し込んだ。宮本は亡くなるまでの20年、府中に住み、武蔵野美術大学で教鞭をとっていた。宮本が全国を歩き回って撮影した約10万枚にのぼる写真のうち、府中が写っているものをピックアップし、場所やテーマ別に紹介している。館員とボランティアが写真が所蔵されている〈周防大島文化交流センター〉に通って調査し、特定していったものだ。タイヘンだったと思うが、府中の歴史資料として、あるいは宮本常一の見直しとして、きわめて貴重な仕事である。商業出版とは違う、公共図書館・博物館ならではの出版行為だと思う。


昨日、吉上智子さんから「友だちからもらったから」と、1970年代に西武百貨店・渋谷店B館地下1階にあった〈ブックストリート〉にあった「書店・話の特集」というコーナーのチラシのコピーをいただいた。一人がテーマを立てて100冊選ぶという企画で、ヒトとテーマの組み合わせがオモシロイ。新刊書店のフェアだと在庫切れの本がどうしても出てしまうが、このリストには品切れや絶版の本も入っている。この店のコトは知らなかったが、いつ頃まであったのだろうか?(もしかして1980年代に別の階に移っている?)偶然なのか、林哲夫さんの日記(http://sumus.exblog.jp/6955198)にmixiに載っていたという、そのリストの一覧が紹介されている。


1時に出て、新御茶ノ水で降りる。神田錦町に通っていたときによく行っていた、〈ふくのや〉という洋食屋でオムレツメンチ定食を食べる。しっかりとウマイ。別売りの味噌汁(50円)もたっぷりと量があった。神保町まで歩き、7日にオープンした「神保町シアタービル」のヨコを通る。たしかにヘンなカタチの建物だ。この中に入る〈神保町シアター〉では14日にオープンし、川本三郎セレクション「こどもたちのいた昭和の風景」という特集をやる。1本立ての名画座が神保町にできるのはありがたいのだが、番組といいチラシのデザインといい、なんか〈ラピュタ阿佐ヶ谷〉っぽい。もうちょっと持ち味出してよ。


三省堂〉の前で佐藤助教授に声をかけられる。ファッションセンスのないぼくが云うのもなんだけど、その帽子やめたほうがイイよ。30代なのに70代にしか見えんぞ。一緒に〈書肆アクセス〉に寄り、「荻原魚雷が選んだ書肆アクセスの20冊」を見る。ナニか買いたかったが、ぜんぶ持ってる本なんだよなあ。小冊子をもらう。錦華通りの音楽書の店で、田川律『あやしい舞台監督』(JICC出版局)600円、〈長島書店〉で、中村八朗『文壇資料 十五日会と「文学者」』(講談社)1050円を。G社で三校の戻し。本文はコレで校了。ホッと一息。飯田橋東西線に乗り換え、神楽坂へ。S社で打ち合わせ。


西日暮里に戻り、用事を済ませてから千駄木へ。今日・明日、光源寺で「ほおずき千成り市」が行なわれている。今日は旬公の都合で行けなかったので、明日はかならず。