10月の路上に寝転ぶ

朝8時半起き。「書評のメルマガ」を編集して発行。荷物を届けに来た宅急便屋さんが、「このマンションの前でヒトが倒れてますよ」と云う。なんでも若い男らしい。用事があったので、旬公と下に降りるが、たしかに入り口のところに横たわっている……。B-BOY風というか、まあ今どきの若者で、耳にはイヤホンをしている。ぐっすり眠っているようだ。入り口をふさぐようにして寝ているので、自転車が出せない。しょうがないので、何度か揺さぶって起こす。逆ギレでもされたらヤだなあ、とヒヤヒヤしてたが、目を覚ますと恥ずかしそうに「すいません」とつぶやいて去っていた。飲みすぎで動けなかったのだろうか。しかし、もう11時だぜ。


自転車で根津へ。朝飯を食い損ねたので、朝昼兼用にしようと、根津神社近くのうどん屋〈根の津〉に行くがまだ開いてない。これで連続5回以上の空振りだ。開店まで待つのもおっくうなので、先日入った〈日増屋〉へ。ぼくは味玉ラーメン、旬公はタンタンメン。日暮里〈一力〉に並ぶ、ごくフツーの味のラーメンに、静かに感動する。上野に行き、〈MIYAMA〉という喫茶店(〈ルノアール〉系だった)で本を読む。旬公と別れて、アメ横を少し歩く。郵便局で冊子小包を出し、〈新宿書店〉(エロ本専門)で、柳下毅一郎監修『女優 林由美香』(洋泉社)を買う。380ページで3990円。自転車で千駄木に戻り、駅前のコピー屋で資料をコピー。ページ数の多い資料を複数部つくると、整理がタイヘンだ。西日暮里で会うはずだった『進学レーダー』のIさんが店まで来てくれ、書評の本代を受け取る。


Iさんから、森伸之『私学制服手帖 エレガント篇』(みくに出版)を受け取る。『進学レーダー』に連載された中高一貫校の制服イラストルポ。このヒトのイラストのタッチは、デビュー以来ほとんど変わらない。本文は半分以上カラー。本書でスゴイのは、レーダー連載と一緒に、『ベッピンスクール』(見たことないけど見当はつく)の連載も収録されていること。けっこう大胆だなあ。装幀は原条令子。ときどきやりすぎの感があるデザイナーだが、今回のデザインはシンプルで落ち着きがあってとてもイイ。グラシン紙の帯もグッド。『進学レーダー』は中高一貫校受験の情報誌だが、Iさんがオモシロイと思ったヒトをどんどん登用しているため、誌面がなんだかスゴイことになっている。いまの連載陣は、森伸之のほか、紀田順一郎福満しげゆき藤本和也今日マチ子内澤旬子、QBB。ぼくも本名で2つ連載させてもらっている。子どもを持たないヒトには縁のない雑誌だが、一度パラパラめくってみるとオモシロイと思う。都内の大手書店で普通に買えます。


林哲夫さんより、新刊『読む人 WHAT ARE YOU READING?』(みずのわ出版)が届く。スムース文庫版に新作を加えた、「読む人」スケッチ集。装幀を見て、なぜか韓国や台湾の出版物に似ていると思った。ペーパーバックだからか ? 「「読む人」の模写および無断転用を許可します」というクレジットがいいね。いろんな「読む人」の絵が増殖していくとイイ。「読む人展日記」には知り合いがたくさん登場するのだが、ぼくは出てこない。どうしてかなあとおもって、『路上派遊書日記』を読み返すと、展覧会に行けなかったコトが書いてある。じつに役に立つ本だなあ(オレだけには)。


『路上派遊書日記』といえば、〈東京堂書店〉サイト(http://www.tokyodoshoten.co.jp/)の「今週のベストセラー」を何気なく(いや、かすかな期待を込めて)見ると、10日調べで5位に入っている! ホントかよと思い、ちょうど出かける時間だったので、神保町に寄ってみる。青柳さんと東京堂で待ち合わせするが、前まで行ってみると、まだ先週のベストセラーのままだった。うーん。メッタにないことなので、記念写真を撮っておこうと思ったのだが……。〈書肆アクセス〉で『本の雑誌』を買う。


都営新宿線で久しぶりに市ヶ谷へ。駅前の〈文教堂書店〉に寄ったら、『路上派〜』が平積みされていてビックリ。こういうのを置く店じゃないのだが、市ヶ谷が出てくるからだろうか? そのあと、〈アルカディア市ヶ谷〉でKさんと打ち合わせ。ウチに帰り、水餃子で晩飯。いま履いている靴が二足ともダメになってきたので、激安靴の〈ヒラキ〉のカタログを見てサイトで注文。一足350円とか980円とか、靴下じゃないのかソレは、と思うような安さだが、案外よく持つし、ぼくは靴を履きつぶすのが早いのでこのぐらいでちょうどイイのであった。