『モツ煮狂い』を買いに走れ!

朝8時半起き。自転車で三ノ輪に行き、立ち食いそば屋で朝飯。あとから、朝帰りっぽい女が二人入ってきた。タバコを吸いながら化粧品のハナシをしている。けだるい午前10時。根岸図書館のポストに本を返し、南千住図書館に回る。同じ建物にある荒川ふるさと文化館、今月末から展示は「あらかわと野菜」だそうだ。相変わらずユニークな企画をやる(ただし、いい加減、展覧会情報をネット上にちゃんと出してほしいものだ)。


ウチに帰り、旬公がいないので、一人でトマトソースのペンネをつくり、《噂の東京マガジン》を見ながら食べる。我ながらよくできた。3時に出て、阿佐ヶ谷へ。〈よるのひるね〉で漫画家が出品する「アックス・フリマ」というのをやっているのだ。藤本和也さんも出してる。今日のために描いたイラスト(1点もの)のナカから1枚と、コピー冊子の図案集を買う。ほかの出品者も見たかったが、売る側も買う側も知り合いばかりのようで、どうも近寄りがたい雰囲気なので、10分ほどで出てしまう。


中央線の車内で、先日〈ダイバー〉で貰ってしまったミニコミ『モツ煮狂い』第一集(平成烏有堂)を読む。表紙が『酒とつまみ』の確信的なパクリなのに笑ってしまう。内容は東京の居酒屋20店のモツ煮を紹介したもの。サブタイトルに「東京『都市郊外』のフォークロア」とあるが、この「郊外」は戦後、東京西部に拡大していくそれではなく、明治以降の近代化によって工場が広がっていった「浅草以東、曳舟から立石にかけてと、折り返しの町屋への京成トラインアングル」を指している。略歴からも判るように、著者(クドウヒロミ)はインテリもしくはインテリ崩れと推測され、「はじめに」あたりにそのインテリくささが顕著だが、文章のセンスは悪くない。店のセレクトや、そこで出しているモツ煮についての説明も判りやすく、食欲をそそる。東向島の〈丸好酒場〉や滝野川の〈高木〉にすぐにでも行きたくなった。巻末には、家庭でできるモツ煮のつくり方まで入っており、イヤすごいっすよ、これは。32ページを舐めるように読んでしまった。350円は安い。いまのところ〈ダイバー〉にしか置いてないらしいので、神保町に行ったら同店に買いに走るべし。もっと前に知ってたら、『小説すばる』のリトルマガジン特集で紹介したのになあ。常連の退屈男はこんな面白いの紹介せずにナニやっとる! と憤慨したら、ちゃんと9月16日に紹介しているではないか(http://taikutujin.exblog.jp/4287716/)。彼はぼくほど興奮してないが。


武蔵小金井へ。早めに着いたので、駅前を少し歩く。改札で『モツ煮狂い』じゃない、『酒とつまみ』の大竹さんと『ぐるり』の五十嵐さん、エンテツさんと待ち合わせ。いつもの「古本屋発居酒屋行き」の取材という名の飲み会。この日の模様は11月中に出る(ホントかよ)『酒とつまみ』第9号でご覧あれ。いい気になってずいぶん飲んじゃったな。ウチに帰ってとっとと寝る。