アキラと和也

朝8時半起き。『現代用語の基礎知識』の原稿を書く。テーマは「ガンダム」ではなく、「古本」。メインのほうではなく、おまけ的なテーマを集めた部分に入るので、短いコラムのつもりで書く。「タテキン」「ミスコショ」などが出てくる用語辞典というのは、ちょっと変わっているだろう。


2時頃に書き終えて、神保町へ。4時から〈FOLIO〉で、沼辺信一さんに『彷書月刊』の取材。ブログ「私たちは20世紀に生まれた」(http://numabe.exblog.jp/)についてお話を伺う。沼辺さんは細野晴臣のファンで、昨年の「ハイドパーク・ミュージック・フェスティバル」で、ぼくが大雨のために最後まで観ずに帰ったコトに対して、「根性が足りん」とお叱りを受ける。その他いろいろ盛り上がり、閉店の6時になった。


半蔵門線三越前へ。銀座線に乗り換えて京橋。フィルムセンターで、江崎実生監督《女の警察》(1969)を観る。小林旭主演。アキラが全編スーツを着ているなど、全体にオトナの雰囲気で、「日活アクション」のイメージとはちょっと違った。女の股に手を突っ込む加藤嘉、ゲスト出演でセリフ棒読みの梶山季之山口瞳がステキ。銀座線で三越前に出て、〈TSUTAYA〉でビデオを借りて帰ってくる。


以前、堀切直人さんに勧められた、中川八洋福田和也と《魔の思想》 日本呪詛(ポスト・モダン)のテロル文藝』(清流出版)を読了。タイトルもスゴイが中身はもっとスゴイ。第二章の冒頭で、「福田和也(以下「和也」)」とあり、その後、呼び方をずっと「和也」で通している。なにゆえ、下の名前で……? 和也以外にも、保田與重郎磯崎新浅田彰らが槍玉に。「なお、宮崎哲弥のような、国家という首を喪失した胴体だけの動物に似た、共同体主義者(コミュニタリアン)系のアナーキズムは、米国社会の最下層の人々にときたま散見される」など、決め付け方が芸になっている。主張には賛同しないが、一気に読ませる本ではあった。