ちくま文庫の「ヘン者」

朝方、「書評のメルマガ」の編集を終える。出勤日。午前中はヒドイ雨。昼過ぎに少し小降りになったので、神保町へ。〈伊峡〉で半チャンラーメンを食べて、彷徨舎へ。日曜日の稲垣書店トークのために、『彷書月刊』1998年9月号(特集・映画文献)を読んでおきたくなったのだ。販売分はもう在庫ナシということで、コピーを頂戴する。連載の原稿ができてないので、例によって数日缶詰中らしい皆川さんに平謝り。「一度ギリギリで間に合うと、次からそれを当たり前にするのはダメですよ」と釘を刺される。もっともです。


筑摩書房のサイトの近刊案内(http://www.chikumashobo.co.jp/kinkan.html)で、7月のちくま文庫のラインナップを見ていて、突然可笑しくなる。『異端 金子光晴エッセイ・コレクション』の編者が大庭萱朗、『短篇礼賛』の編者が大川渉、そして塩山芳明『出版業界最底辺日記』の編者が南陀楼綾繁と、いずれもペンネームなのである。しかも、リストではオオバカヤロウとナンダロウアヤシゲが並んでいる。編者じゃなくて、「ヘン者」だな、これでは。大庭さんも大川さんも面識があるので、本が出たら、一緒に「ヘン者飲み会」でもやろうかな。


一日中ずっと、中山信如『古本屋「シネブック」漫歩』(ワイズ出版)を読む。再読だが、めっぽう面白く、ページを折った箇所多数。明日のトークでは、この本からいくつも伺いたいことがある。そのイキオイを駆って、分厚い『「映画評論」の時代』(カタログハウス)に取り掛かる。最初に、編集長だった佐藤忠男インタビューの部分を読み、そのあと、評論のアンソロジーを拾い読み。ついでに、〈古書ほうろう〉で買った1970年代の『映画評論』もパラパラ読む。1971年10月号では、石井輝男のロングインタビューがオモシロかった。1972年10月号の「恐怖映画の逆宇宙」という特集は、堀切直人さんが企画したものだと編集後記にあった。


前回のトークでは加藤泰のハナシが出たので、久しぶりに観たくなり、東宝から出た5枚組DVDボックスを買ってしまった。昨夜はそのうちの《明治侠客伝 三代目襲名》(1965)を観る。藤山寛美がイイねえ。