たまには自慢、『OHの肖像』が500円

内澤旬子、初の単著、『センセイの書斎』は、今週から書店に並びます。〈東京堂書店〉〈書肆アクセス〉には本日、サイン本が入荷しています。また、ほかの店にもサイン本が並ぶ予定です。もう一度、内容紹介です。

センセイの書斎  イラストルポ 「本」のある仕事場

内澤旬子 文・イラストレーション

A5判・上製 168頁
定価:本体2,200円+税


 作家、評論家、研究者、デザイナー……。本を書くこと・つくることを仕事する人たちは、本とどのように付き合っているのか? 自宅・仕事場に増殖していく本の整理法、自分のテーマに関連する情報活用術、そして、本に対しての思いを徹底取材。書斎を計測し、並んでいる本の書名まで書き込んだ細密なイラストレーションと文章により、31の「本」のある仕事場を解剖する。


【こんな「センセイ」の書斎が登場します】 *敬称略
林望(書誌学者)、荻野アンナ(作家)、静嘉堂文庫(図書館)、南伸坊(イラストライター)、辛淑玉(評論家)、森まゆみ(作家)、小嵐九八郎(作家)、柳瀬尚紀(翻訳家)、養老孟司(解剖学者)、逢坂剛(作家)、米原万里(作家)、深町眞理子(翻訳家)、津野海太郎(編集者)、石井桃子(児童文学者)、佐高信(評論家)、金田一春彦国語学者)、八ヶ岳大泉図書館、小沢信男(作家)、品田雄吉(映画評論家)、千野栄一チェコ文学者)、西江雅之言語学者)、石山修武(建築家)、熊倉功夫(茶道史家)、上野千鶴子社会学者)、粉川哲夫(メディア批評家)、小林康夫(フランス哲学研究者)、書肆アクセス(新刊書店)、月の輪書林古書店)、杉浦康平(デザイナー) 、曾根博義(日本近代文学研究者)


幻戯書房 〒101-0054 千代田区神田錦町2-5 大晃ビル302
TEL 03-5283-3934/FAX 03-5283-3935
http://www.genkishobou.com/


取材させていただいた先生方のうち、金田一春彦さんと千野栄一さんはすでに亡くなっているのだが、今日ネットのニュースで、米原万里さんが卵巣がんのため、25日にお亡くなりになっていたことを知る。献本を発送したのが先週の金曜日だったので、この本は米原さんに見ていただけなかったということになる。がんであることはナニかで読んで知っていたが、掲載許可のお手紙を普通にいただいたのでべつに心配していなかったのだけど。ご冥福をお祈りします。


『センセイの書斎』の帯は、荒川洋治さんに執筆していただいたのだが、その荒川さんが出演されているTBSラジオ森本毅郎・スタンバイ」の明日朝8時からの放送で、本書を紹介してくださるという情報が入った。早起きの方はお聞きください。それと、6月1日朝日新聞の夕刊(文化面)に、内澤の記事が載ることになっています。どちらも、突発事件などが入ると変更になるかもしれませんが、ともかくお知らせ。


もうひとつ。大阪〈calo〉でのワークショップとトークの間の日に、京都の〈ガケ書房〉で内澤旬子のサイン会&トークを行います。お相手は扉野良人さんです。「話すのは苦手」というところを、無理を云って出ていただきます。通常営業中のイベントで、入場無料です。よろしければ、お出でください。

『センセイの書斎――イラストルポ 「本」のある仕事場』(幻戯書房)刊行記念
内澤旬子(イラストルポライター) トーク&サイン会
in ガケ書房

『センセイの書斎――イラストルポ 「本」のある仕事場』刊行を記念して、ガケ書房でのトーク&サイン会を行ないます。ゲストには、書物雑誌『sumus』同人の扉野良人さんをお招き、書斎を覗く愉しみを語り合っていただきます。


【第1部】トーク「私が見てきたこんな書斎、あんな本棚」
内澤旬子(イラストルポライター)×扉野良人(僧侶、『sumus』同人)


【第2部】サイン会
ガケ書房で購入された方には、プレゼントを差し上げます


日時 6月19日(月) 19:30〜
入場無料

ガケ書房
〒606-8286 京都市左京区北白川下別当町33
(白川今出川上ル350m東側、京都の街の北東、銀閣寺方面)
営業時間 12:00〜22:00
電話 075-724-0071 (ナニヨ オールナイト)
ファックス 075-722-9403(ナニッ クルシイオッサン)


この一週間は、日記本の作業を進めつつ、右文書院の海野弘コレクションのしおりの原稿を書いたり、いよいよ大詰めの塩山芳明『出版業界最底辺日記 エロ漫画編集者「嫌われ者の記」』(コレが正式タイトル)の再校チェックや編者まえがきやらを書いていた。


この間、ずーっと久米田康治のマンガを読んでいた。『創』のマンガ特集の対談での発言がオモシロかったので気になっていて、原稿が書けないので気分転換に『さよなら絶望先生』(講談社)の第1巻を買ったらあまりにオモシロくて、その日のうちに残りの巻(まだ3巻までだが)を買いに走った。しかも、前作の『かってに改蔵』(小学館)も読みたくなってしまい、最初の数巻を〈ブックオフ〉で買ったら案の定ハマってしまい、門前仲町やら北千住やら綾瀬やら早稲田やら高田馬場やらのブックオフを回って、数巻ずつ揃えていき、今日、目白のブックオフで全26巻が揃った次第。漫画喫茶にあるのだろうが、一度没入すると手元に揃えずにはおれない、因果な性格である。


久米田マンガのどこがオモシロイかは、いずれ書くかもしれない(まあ、とっくにご存知のヒトも多いだろうが)が、それはそれとして、今日寄った目白のブックオフで、大収穫あり。たまたま店内の単行本がぜんぶ500円、文庫が200円のセールをやっていて、まあいちおう見ておくか、というつもりで一回りした。ところが、ノンフィクションのコーナーに来て、ある一冊に目が釘付けに。なんと、竹内博編『証言構成OHの肖像 大伴昌司とその時代』(飛鳥新社、1988年)ではないか! 赤田祐一さん編集のこの本は、大伴昌司の全体像を知るためだけでなく、戦後のミステリ、SF、テレビなどに関しても貴重な証言が多い、まぎれもない名著。文庫化もされたことがなく、いまではかなり古書価も高い(5000円以下で手に入ればラッキーだろう)。1000円のシールが貼られており、それでも充分安いのだが、セールのため500円で手に入った。スデに1冊持ってはいるが、いろいろ活用しがいがある。ブックオフ歴の薄いぼくとしては、大ヒットである。久しぶりに更新したのに、こんな自慢でスマン。


届いたもの。『ぐるり』最新号は、中川イサトのインタビューと、ボブ・ディランの映画についての中川五郎ハンバートハンバートの対談。荻原魚雷さんの新連載、内澤旬子のエッセイ。コクテイルの狩野さんの連載もあるので、なんだか古本の匂いのする雑誌だなあ。ぼくの「ふたたびの音」はSAKANAを。何度も書き直した文章だが、うまく着地しているだろうか? あと、鈴木地蔵さんから飯能の文芸同人誌『文游』の最新号が届く。地蔵さんの勝本清一郎論を興味深く読む。これで完結だが、さらに続きが読みたくなる。