誕生日なのだった

今日で39歳になった。と書いてみても、どうも実感が湧かない。2日前に久しぶりに行った〈千尋〉のママさんから、「明後日が誕生日でしょ?」と指摘され、それで旬公ともども気づいたほどである。それにしても、この店で誕生日のハナシなんてしたのだろうか?


昨夜は、神楽坂の〈日本出版クラブ会館〉で、「紀田順一郎先生の古稀のお祝いと出版記念会」に出席。150人近くが参加。久しぶりにお会いするヒトも多く、いろいろ話せたのはヨカッタが、やっぱり疲れた。お開きのときに、新刊『戦後創成期ミステリ日記』(松籟社)をいただく。コレは普通に流通する版を、この会のために特別につくった函に入れた、限定150の特別版。署名入り。司会者が「この特別版が神保町の古本屋に出ていたら、この150人の誰かだ」と云ってた。


ウチに帰ったら、ぼくが岡崎武志『気まぐれ古書店紀行』(工作舎)の書評を書いた「週刊読書人」が届いていたが、ざっと眺めただけで早めに寝てしまった。今日になって岡崎さんの日記を見たら、著者名が「国崎武志」と誤植されているとあった。慌てて確かめたら、うーん、ホントに「国崎」になってる……。いちおう云っておくと、同紙ではゲラは本文しか送られてこないので、ぼくはタイトルなどを見ていない。担当編集者のAさんにとっては、「まさか」という気分だろう。タイトルや見出しなど目立つ要素ほど見逃しやすいのが、校正のフシギな事実である。岡崎さんには申し訳ないし、自分としてもいちおう気張って書いた書評だけにちょっと残念。


第2回「一箱古本市」のスタンプラリーで使うハンコをお願いしていた、「八朔ゴムはん」さんより作品が到着! 去年の藤本和也さんのもマンガ家らしいイラストでヨカッタけど、今回のは文字になっている。その一文字一文字がとてもカワイイかたちなのだ。入魂の作品です。八朔さん、ありがとう。ちなみに、このハンコはサイトでは公開しませんよ、当日のお楽しみです。


あと、今日は『酒とつまみ』第8号も届きました。巻頭特集は「こんな立ち飲みだっていいじゃないか」。片足や両足かかと、空気椅子などさまざまなスタイルで立ち飲みに挑む研究員たち。よくやるよ。インタビューは井筒和幸監督。南陀楼の「古本屋発、居酒屋行き」は経堂です。ゲストは荻原魚雷さんとちょうちょぼっこの次田さん。あ、彼らにも雑誌送ってもらわなきゃ。


夜、「書評のメルマガ」を編集・発行。林哲夫さんが杉本秀太郎『半日半夜』(講談社文芸文庫)をロング書評している。その林さんの日記(http://www.geocities.jp/sumus_livres/daily-sumus0604-1.html)に、『海野弘 本を旅する』の読後感想が。ちゃんと読んだうえでの紹介としては、たぶんこれが初めて。海野氏の本をあまり読んでないとおっしゃるが、「直球ではなく、カーブやスライダーを投げ込んできているのが分かるので、ちょっとやそっとの読書人では太刀打ちできないようになっている」「とにかく面白い読書をすると、むしょうにそのテーマに関する本を書きたくなる(何度も出てくるフレーズ)という告白」などは、海野氏の仕事の本質を突いている指摘だと思う。「この表情を見てファンになる人は多いと思う」として、本書の扉写真も紹介されている。