デジタルはめんどくさい

朝9時半に出て、新宿へ。開店直後の〈TSUTAYA〉で、今日も半額料金で3本借りる。仕事場に行き、整理をあれこれ。8年間パソコンに溜め込んだデータを、自宅のマシンで使えるようどう移すかをこないだから調べていた。ぼくは外付けハードディスクを買って、そこに移してしまうという方法を考えていたが、システム担当のバスケに聞くと、「iPOD買って移せばいいよ。20ギガ入るよ」との返事が。なるほど、考えもしなかったが、iPODはハードディスクとしても使えるのだね。


もうひとつ大きな問題は、やり取りしたメールだ。MacからWinへ違うメーラーを介して、データを転送するのは、けっこう難しいのだと云う。その対応策を教えてもらったが、時間かかりそう。紙のデータ(本とかコピーとか)は物理的に場所をとって困るけど、現物を見れば、要不要の判断はとりあえずできる。でも、デジタルのデータは、ファイルがそこにあっても、別の環境で使えるかどうかを、つねに考えておかねばならず、めんどくさい。デジタル化しておけば永久に残る、なんて、嘘っぱちなのだ。


その合間に、K社の新書の構成案を書く。コレで何度目になるだろうか。やっとイケそうな感じにはなった。でも、書きはじめてみたら全部ひっくり返る可能性もあるなあ。その他、連絡のメールやファクスを。4時半に出て、総武線秋葉原へ。京浜東北線に乗り換えて、大森で降りる。西友に入り、〈リブロ〉に寄る。通路をムダに広く取っているようで、見た目がスカスカ。品揃えにも特徴がなかった。高田里惠子『グロテスクな教養』(ちくま新書)を買う。


その上にある〈キネカ大森〉へ。ココで、ジョニー・トー監督の《PTU》(2003、香港)を観るのだ。先月〈ユーロスペース〉で観るツモリだったが、間に合わなかった。アジア映画に力を入れているこの映画館で、一日一回だけやると知り、やってきたのだ。シネコン形式で、《PTU》をかける館は、わずか40席。客は5人以下だった。映画は……うーん。ヒマつぶしに入った梅田の映画館のレイトショーで戦慄を覚えた、《ザ・ミッション/非情の掟》(1999)の監督なので、大期待してみたが、思ったほどではなかった。冒頭、ヤクザがナイフで刺されたまま走り出すシーンのハッタリには笑ったが、そのあとは、複数のグループの動きがなかなか交差せず、途中で疲れてしまった。《ザ・ミッション》にも出ている太ってがさつなオヤジ(ラム・シュー)はヨカッタけどね。不完全燃焼な感情を抱いて、京浜東北線で西日暮里に帰る。


〈大栄〉でビール飲んで待っていると、旬公が来る。豚のミノ焼き、牛カルビ、コブクロ焼き、豚カルビと、焼いて食べる。ウチに帰ると、ビジュアル本の直しがファクスで。オビに使うフレーズまで(しかもイキナリ)要求される。この本に関しては、じつによく働いてるよなァ、オレは。あと数日で、どうにか作業が終りそうだ。