明治中学園祭とジュンク堂新宿店を絶賛する

昨日もワリと遅かったのに、今朝は早くから起きて、おでかけの準備。すでに雨が降っている。10時ジャストに、お茶の水明治大学付属明治中学・高校の学園祭へ。目の前に集英社がある。こんな道、初めて通る。オープンしたばかりで、生徒たちは大騒ぎだが、それには目もくれず、中学生に古本市の場所を教えてもらって、そっちに突進。逗子開成のときと違い、こちらは古本といっても、図書館で除籍処分される本をタダでくれるというもの。昔に受け入れた本なので、カバーは外され、ラベル・バーコードが貼られているが、読むだけなら問題ナシ。


こないだの逗子開成が大当たりだっただけに、今日はまったく拾い物がないかも、と期待していなかったが、どうしてどうして。十進分類法で分類され、机の上に置かれた本を眺めて、あれもこれもと抱え込む。だってさあ、尾崎一雄檀一雄源氏鶏太獅子文六ほかの回想録『出世作のころ』(読売新聞社)、雑誌『風雪』の文学者対談をまとめた『作家の対話』(文藝春秋)、『大東京繁昌記』下町篇・山手篇、大西伍一『明治44年大正元年 生意気少年日記』(農文協)などが次々に見つかるんだから、そのまま通り過ぎるワケにはいかんでしょう。けっきょく15冊両手に持ち、番をしている中学生に渡すと、一冊一冊チェックして(挟み込みでも探してるのか?)、大きな袋に入れて渡してくれる。こんなにたくさんタダでもらって、しかも礼まで云われて、ココは極楽だ。こちらもテンション高く「ありがとう!」と礼を云って会場を出る。学園祭は素通りして、神保町方面へ。


すずらん通りまで来ると、予想はしていたが、雨なのでブックフェスティバルのワゴンは出ていない。かろうじて、〈東京堂書店〉の軒下にいくつかワゴンが出ていて、そこには人が群がっている。その他、多くの人があきらめきれない表情で、その辺を歩いている。「いますぐ明治中学に行けよ!」と声を掛けてやりたくなるが、〈書肆アクセス〉で畠中さんに自慢するにとどめる。


神保町駅のコインロッカーに収穫物を入れ、地下鉄で新宿三丁目へ。新宿・三越の7、8階に入った〈ジュンク堂書店〉が今日オープンなので、見に行くのである。さすがに客は多い。それと出版業界人の視察も方々で。日記で書くには長くなりすぎるので、結論だけ云えば、スバラシイ! 池袋店がオープンしたときも感動したが、あれはちょっとデカすぎる嫌いがあった。しかしこの店は、堂島店と同じく2フロア(各階にレジ)で、ジュンク堂らしい品揃えを実現している。平台をほとんど置かない代わりに、棚での「面出し」が多用されている。書物関係のコーナーでは、ナンと『ナンダロウアヤシゲな日々』も堂々の面出し。三冊しか残ってなかったが、あれは売れたのか、それとも最初からあの冊数だったのか。雑誌コーナーでも、「sumus「酒とつまみ」が面出しなのだ。8階には喫茶コーナーもあり、トークなどのイベントもできそう。丸善・丸の内店のときは15分しかいなかったが、この店では、7階を一度見たあと8階に上がり、また7階に戻って丹念に見てしまった。ざっと見た感じで、マンガだけはまだ力が入っていない(並べているだけ)が、他はさすが、の一言。仕事場の市ヶ谷からも近いし、これからしばらくはココに通うことになるかも。業界紙などで、この間の大型書店オープンは神保町への影響が強い、と書かれているが、たしかにそれは無視できないかも。ただ、8時閉店は早いなあー。せめてもう30分遅くしてほしいです。数冊買って、記念のブックカバーをもらう。


また地下鉄に乗り、神保町に戻ってくる。午後になれば雨が止むかと思ったが、ますます激しくなった。今日はあきらめることにして、〈ディスクユニオン〉の1階で、大江慎也のバンドUNの[KNEW BUT DID NOT KNOW]、[高田渡トリビュート]、地下のロック売り場で、ブライアン・ウィルソン[スマイル]、スラップ・ハッピー&ヘンリー・カウ[Desperate Straights]、マッチング・モウル[そっくりモグラ]を買う。諸々の大荷物もって、ウチに帰ってくる。旬公に一袋分の本を見せると、「よくそんなのあったねー」とホメられる。ヘンなウチだ。


旬公がトマトソースのパスタつくったのを食い、ちょっと休む。そのあと資料読み。よみせ通りのパイ屋でアップル・パイ(お土産とウチ用)を買い込み、小沢信男さん宅へ。「サンパン」の聞き書きの収録。途中でEDI社主の松本八郎さんも参加。2時間ほどお話を聞く。ええと、ここで「サンパン」執筆者の諸兄にお伝えしますと、本来だったら前に収録した分だけで、次号のページはまかなえるのです。ただ、この昭和27〜30年ごろの小沢さんは、「江古田文学」「新日本文学」「VIKING」での活動をほぼ同時に行なっているし、その後、一生付き合っていくヒトたちとの出会いもこの時期に集中しているのです。だから先まで聞いておかないと、うまくまとめられないのです。というワケでして、いましばらくお時間を。以上、言い訳でした。


8時過ぎにウチに帰る。晩飯食べながら、《スター・ウォーズ 特別篇》を観る。断片的には何度もテレビで見ているが、通しで観るのはじつは初めて。いや、けっこうオモシロかったです。


アンケートは、昨夜から今夜にかけて5人のかたから回答をいただいた。現在14人。回答数にはこだわらない、と書いたけど、やっぱり返事が多いと嬉しいもんです。いよいよ明日の夜12時で終了です。お待ちしています。


【今日の郵便物】
★まつおか書房より古本 堀切直人『大正幻滅』(リブロポート)1200円 続編はもっているが、この本は未入手だった。
★『博物月報』『記録』『ちくま』
★古書目録 古書画・古書籍展(熊本)