あとの祭り

今日から馬力をかける必要あり。11時に仕事場に行き、原稿2本整理する。1時過ぎに渋谷へ。ちょうど日が照りに照っている時間だった。並木橋通りはラーメン屋ばかり目がつくが、どこにも入る気がせず、JRA近くの古い中華料理屋で焼きそば。


杉浦事務所の近くの喫茶店〈フーケ〉で、杉浦康平さんとチョン・ビョンキュさんとの対談。昨年ソウルでやったものの続き。二回目なので、より突っ込んだハナシになった。「韓国では対談を本に載せるのはほとんどない。話し言葉の文章が低レベルのものとみなされがち」とチョンさんの発言があり、なるほどと思う。


5時過ぎに終了して、仕事場に戻る。座談会整理の続き。9時前までやってキリをつけ、千駄木へ。古書ほうろうに寄ると、谷根千工房のヤマサキさんより、『谷根千』の最新号が預けられていた。江戸川乱歩特集で、旬公が表紙と目次、記事(喫茶店〈乱歩〉)のイラストを描いている。これまでの号とはかなり違う雰囲気だが、まずは好評のようでヨカッタ。
http://www.yanesen.net/backnumber/077/


【今日の郵便物】
★古書目録 文教堂書店
★『貸本マンガ史研究』第15号、600円
今回の特集は「追悼 佐藤まさあき1」。1というのは次号でも佐藤まさあきの追悼特集を組むからだとか。編集後記によると、同誌では彼のインタビューを企画し、佐藤さんもそれを待っていたが、資料の整理に手間取り、実現しなかったそうだ。ぼくも何度か経験があるが、亡くなってしまってから、「しまった! 聞いておけば良かった」と思うことはホントに多い。なお、表4の「幻燈」の広告で、ぼくの名前が「南陀桜綾繁」と誤植されていた。さんざん誤植されてきた名前だが、コレは新しいパターン。しかも気づきにくい。別の雑誌でも同じ版下で広告が載っていたと思うけど、そこでも間違っていたのだろうか?


【今日のしおりページ】
かんべむさし『むさしキャンパス記』角川書店、1979年
先日、古本市で見かけ、懐かしく思い買った。中学から高校にかけて、この本はぼくの愛読書だったのだ。かんべむさし関西学院大学の頃を回想するエッセイで、「こんなにアホらしいところなら、大学も行ってもいいかなあ」と感じたものだ。この本は、かんべが学生時代につけていた「メモ・ノート」と題する記録がもとになっているが、この影響で、ぼくも大学に入ってからしばらく「メモ・ノート」をつけていたのだ……などと、さっき思い出した。

129ページ かんべが属していた広告研究会は、毎年夏に敦賀の海水浴場で喫茶店を開いていた。雪印の後援を得る、「雪印学生サマー・ストア」というもの。

企業が応援して学生に出店を運営させる動きは、すでに戦前にあり、『森永五十五年史』によれば、「千葉、阪神その他の海岸には、森永学生キャンプストアーが多数開設された」とある(昭和3年以降?)。