快晴の一箱古本市一日目

本日は快晴です
第12回 不忍ブックストリート一箱古本市の一日目を予定通り開催します
11:00〜16:00 11スポットで行ないます


今回はスタンプラリーはありません
その代わりに、「100円均一義捐箱」を用意しました
被災地に本を送るための活動資金に充てさせていただきます
ご協力ください


お客さん、店主さん、スタッフと、それぞれが一日楽しく過ごせる日に
なると思います
それでは、会場でお会いしましょう!


不忍ブックストリート実行委員会

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朝7時半起き。外は快晴。やや風強いかな。各方面に開催宣言を送る。いつものおにぎり屋が連休に入っており、ご飯を炊いて味噌汁の残りとともに食べる。10時に〈花歩〉へ。実行委員の中村さん、助っ人の岩井さんが来る。店主さんが遅いなーと思っていたら、狭い路地にタクシーが入って来る。何かと思ったら、「yom yom古書部」の2人だった。運転手さんが一箱古本市のことを知ってて、話が盛り上がったそうだ。荷物が重くて遅刻していた「文庫善哉」さんも無事到着。2店から、東日本大震災の被災地に本を送る活動資金にするための「100円均一義捐箱」に本を提供いただく。善哉さんからは、前に話題にしていたアサヒグラフ編『わが家の夕めし』(朝日文庫)をもらってしまう。池田大作家の夕食風景とか、すごいですよ。


〈アートスペース・ゲント〉に移動。ココは5箱。すでに義捐箱にはたくさんの本が集まっている。11時になり販売開始。「文月文庫」さんの箱の上に、ラベルや切手が貼ってあり、そのうちの1枚を買う。チェコマッチラベルで見たことのない絵柄。お客さんが集まりはじめたのを見とどけて、〈古書信天翁深セン〉へ。外の深セン前は4箱。「もす文庫」さんは郡山から参戦。原発のことで不安があったのに、一箱に出てくれたことが嬉しい。「ろじうら本店&ものたび」さんは北九州から、「書肆吉成」さんは札幌からと地方食が豊か。吉成さんから新刊の熊谷孝太郎『はこだて 記憶の街』(Mole)という写真集を買う。1920年代の函館を記録したもの。装丁もグッド。信天翁の店内に入ると、奥の窓際に2箱。塩山芳明さんの「嫌記箱」と、「古書五っ葉文庫」だ。塩山さんが来る人ごとに、「人が入って来ない店内に配置したのは南陀楼の陰謀だ」とぼやいてると聞いたが、オレのせいじゃありません。塩山さんの奥様にはじめて挨拶。上品な御婦人でした。


特別養護老人ホーム谷中〉に移動。ココは8箱。「くちぶえブックセンター」さんから少女マンガの名文句を活版で刷ったハガキをいただく。「フリーパーズの本屋さん」は西日暮里でインディーズプロレスのDVD通販の店をやっているそうで、プロレスファン垂涎の(であろう)本やDVDが並んでいる。「山と福岡」さんは、昨年春申し込みしておきながら、急に新婚旅行に行ってしまって不参加だった人。雑誌『ブック・レヴュー』の第2号が出ていたが、2000円なので、財布の中身を考えて見送る。あとで買っておけばよかったかな、と後悔した。「朝霞書林」さんで、出てから間もないさかもとけんいち『浪華の古本屋 ぎっこんばったん』(SIC)を買う。


ここで会った実行委員のやまがら文庫さんに「〈喜多の園〉に南陀楼さんを狙った様な品揃えしてる店でが出てますよ」と云われ、急行。ココは2箱。「悪い奴ほどよくWる」の前に立つと、待ってましたとばかりに『プレイガイド・ジャーナル』の2年間24冊セットというのを突き出される。この時期のぷがじゃ、かなり持ってるんだよなあ……。しかし、リストをつくってないのと、地震でバックナンバーが床に散らばっているので、思い切って買う。まあ1500円は激安です。「triola」さんは音楽家波多野敦子さんが店主。一昨日、〈ペチコートレーン〉の大福ライブで会い、お話ししていた。〈往来堂書店〉は3箱。「市川糂汰堂」には、例によって出版社・之潮の芳賀啓さんが一緒に出ている。芳賀さんの講演をまとめた『地図・場所・記憶 地域資料としての地図をめぐって』(けやき出版)をいただく。


根津神社つつじ祭りをめざす人ごみを抜けて、〈クラフト芳房〉へ。ココは2箱。「Azteca Books」さんから松本で5月末に行なわれる古本市のチラシをもらう。長野市、小布施、軽井沢と、長野県がいま熱くなってるのかな。「根津教会」へ。7箱。ここの人だかりは今日一番。「ヴァリエテのおもちゃ箱」さんは、絵本から『薔薇族』までを木箱に詰め込むアナーキーさ。「並べ方変える方が見やすいよ」とアドバイスしたのは、余計なひと言でした。「本屋本の雑誌」さんでは編集の宮里さんに久々に。いま手がけている新刊、どちらも本にならないかなーと思っていたもので、期待大。1990年に出した『本の雑誌が15年間に選んだ本ベスト300』というパンフレットを200円で買う。「とみきち屋」さんの箱は、テーマによって本の位置が決まっている。12時すぎに行ったので、もうかなり売れている。名古屋から参加の「しぃの家」さんで、落合恵『レコード買いに』(ミルブックス)を買う。落合さんは一箱本送り隊のイラストを描いてくださったので、いいタイミング。


不忍通りを渡って、〈COUZT CAFE 藍い月〉へ。ココは4箱。「おこづかい文庫」さんの箱は段ボールを組み合わせた機能的なもので、イラストの看板とともに気になった。「たけうま書房」さんの今回のテーマは「ジョン・ケージときのこ」。相変わらず我が道を行く人だ。きのこジャケットのSTEVEN BERNSTEIN[TATOO AND MUSHROOMS]を買う。あっ、いつも解説入りのスリップもらっているのに、今回は忘れてた! あと1時間ほどで、ジョン・ケージ4分33秒」の一箱バージョンのライブが行なわれるというが、次に移動せねばならない(あとで聞いたら、10人ぐらい集まって異様な雰囲気だったとのこと)。〈TOKYOBIKE no OFFICE〉へ。ココは3箱。「あいおい文庫」の砂金さんがスーツ以外の服を着ているのをはじめて見る。お子さんたちと奥さんは出かけていて見られず。小説やエッセイなど渋い品揃えだったが、既にめぼしいものは売れていたようだ。前に南陀楼賞を差し上げた「よみますよみます書房」さんは、一箱古本市の箱で出店。また作家お面を持ってきていた。今度は三島由紀夫とか芥川龍之介のもつくってきてほしい。


ホーム谷中に戻り、仙台の「こどもとあゆむネットワーク」の北野央さんと落ち合う。丹治隊長にも加わってもらい、今後の一箱本送り隊との連携についての相談。〈砺波〉で半チャンラーメンを急いで食い、連絡のあった信天翁に戻り、地方でのイベントを研究したいという大学生くんから話を訊かれる。その後、ミシマ社の林さん御一行と写真撮ったり、本の雑誌社の助っ人さんから声を掛けられる。荷物が増えたので、いちど西日暮里に置きに行き、最後の〈古書ほうろう〉へ。ココは8箱。栃木から参加の「読み書き堂」さん、「Book! Book! Aizu」さん、岸川真さんの「紙魚書房」など。1時間に1号フリーペーパーを発行するという『ヒトハコ時報』の編集部もここに設置。ぼくももらったが、4ページに店主の紹介やコラムを入れ込む編集センスはなかなか。5号出す予定が4号しか出せなかったというが、それでも立派だ。


羽鳥書店で開催中の「羽鳥書店ギャラリー」を急いで見て(宮嶋康彦さんのカバの写真がいい)、またほうろうに戻る。16時になり、販売終了。義捐箱の売り上げも上々だった。売り上げ用紙を回収しつつ、一箱本送り隊のメンバーと連絡取り合い、各スポットから集積所へ本を運んでもらう。信天翁に行くと、赤田祐一さんから声を掛けられる。一箱古本市を見るのは初めてということで、面白いと云ってもらえる。五っ葉を紹介したら、その場で痕跡本のプレゼンを始める。恐るべき強心臓だ。五っ葉と打ち上げに向う途中、〈ツバメハウス〉のアートブックフリマへ。本が追加されており、1冊買う。


打ち上げは根津の〈車屋〉。助っ人、実行委員で40人以上集まった。予算分の料理も酒も早めに出尽くし、後半はぐったりした感じに。ユーストに使うパソコンを忘れたので、取りに戻り、一足先にスタジオ・トンブリンへ。あとから実行委員がやってきて、「不忍ブックストリーム」の特別バージョンとして、一箱古本市の表彰式をユーストで行なう。酔っぱらってるので一同声が大きく、近所迷惑にならないか心配に。南陀楼綾繁賞は、ゲント前の「文月文庫」さんに差し上げる。地震後のけものみちから発掘された戦前の紙モノひと揃いと、新品の一箱古本市の箱が賞品です。11時半にユースト終わり、帰ってメールをチェックしたら、さすがに疲れて布団に入る。


今日は一日中天気が良く、トラブルもなく、いい感じで一日を終えることができました。店主さん、助っ人さん、大家さん、そしてお客さんに感謝します。5月3日には、一箱古本市の2日目を開催します。こちらも晴れてくれればイイのですが。「100円均一義捐箱」には店主さんの厚意で、お買い得な本ばかり集まっています。たくさん本を買って、被災地へ本を届ける運動に協力してください。よろしくお願いします。