あいおいと不忍

本日、「あいおいブックラボ」の公式ブログがオープンしました。
http://aioibooklabo.blog.shinobi.jp/
3月26日、27日に開催される「あいおい古本まつり」をはじめ、ブックラボに関する情報はここで発表します。ご覧いただきますようお願いします。


明日には、あいおい古本まつりのチラシが完成する予定です。古書現世をはじめとする古本市の参加店や、不忍ブックストリート、わめぞの関係スポットその他で配布します。すっごくイイ出来なので、手に取ってみてください。


ぼくが古書現世の向井さんから、メールで相談を受けたのは昨年の11月。自分としては、プロの古本屋が集まって開催できる古本市を新しく立ち上げたい。だけど、それだけじゃ面白くないので、南陀楼さんに「本の仕事」に関するいろんなトークを企画してもらえないかという申し出でした。その中に、以下の一節がありました。

本にかかわる人が「仕事」と向き合うリアルな場所がつくれないかと思います。そこで、一箱的なアマチュアリズムとプロのかけ橋ができて、うまく融合ができないかなと。


これを読んで、彼とぼくの考えていることは意外と近いのかな、と思いました。不忍ブックストリートは、ぼくだけじゃなく、プロの本屋である古書ほうろう、往来堂書店、古書信天翁の人たちも含めて、ある種、アマチュア原理的というか、地域を舞台に本に関するイベントをするということを第一義として、それが自治体とか商売につながることを敬遠してきました。それに対して、わめぞは地域性を存分に生かしながら、組める相手がいれば関係をつくっていくという姿勢があります。どっちがいいとか悪いとかではなく、立ち位置が違うんだなと、ぼくは思っていました。


でも、向井さんの話を受けて、佃の「相生の里」とその1階にある図書室「あいおい文庫」を見に行ったとき、「ここなら、違う要素を組み合わせる、新しい場がつくれるかもしれない」と思ったのです。ひとつの建物の中にある複数のスペースを使って、同時進行的にいろんな企画を行なっていく。第一回の高遠ブックフェスティバルを見に行ったとき、町の施設が事務局になっていて、そこでシンポジウムから小さな展示までが同時に行なわれていたのが、なんだか愉しかった。あの感じを出せるかもしれない。不忍ブックストリートでは、そういった場所はありません。また、そういう一カ所集約型でなく、分散型なのが不忍の面白さだと思っています。


もうひとつ、ぼくが主宰して昨年6月から続けている「出版者ワークショップ」のことも頭にありました。このWSは神楽坂のシアター・イワトで行なっていたのですが、イワトの再出発に伴い、今年から場所を移すことになっていました。あいおい文庫はその候補になるのではないか。そして、出版に関するさまざまな動き(出版社、書店、取次、ミニコミ、ネット書店、古書店などなど)の実例を学び、そこから新しい本のつくりかた・流通のしかたを模索しようとするこのWSとそのメンバーにとって、こういった異種今号の場所はつよい刺激になるんじゃないか。


幸い、あいおい文庫の砂金さんは、向井さんやぼくの提案を面白がってくれました。それから、何度かの打ち合わせ、顔合わせを経て、参加メンバーが決まり、年末には早くも第一回「あいおい古本まつり」のカタチが見えてきたのです。


イベント部門の担当者としては、とにかく、二日間毎日来ても、どの時間帯に来ても愉しく過ごせることをめざしました。古本にあまり興味のない方も、あるいは、普段ブックイベントに足を運ばない方も、佃・月島を散歩するついでぐらいのつもりで、ぜひいらしてください。また、地元の方や相生の里の利用者・居住者の方も、一緒に楽しんでください。どうぞ、よろしくお願いします。


そして、新しいイベントをはじめたからと云って、不忍ブックストリートのことを忘れたわけじゃありません。今年も一箱古本市は、例年通りに開催。それに加えて、「不忍ブックストリートweek」(今回から名称を変えました)では、旧安田邸のライブ3日間をはじめ、展覧会、出版社出張企画、ワークショップなどが早くも決まっています。こちらもお楽しみに。