櫻井書店の軌跡を見る

8時半起き。夕べは寒かったなあ。布団から出るのがツライ。出勤日。打ち合わせしたり、ゲラチェックをしていると1時半。古書会館に出かけ、2階で「櫻井均と櫻井書店の昭和」展を見る。櫻井書店の刊行物、装幀原画、書簡などが展示されている。点数は少ないが、一通り見ると、この版元の出す本の趣味のよさが伝わってくる。田中茂穂『魚の眼』(昭和7、装幀・鈴木朱雀)の本体表紙の魚の絵が気に入った。書簡では、太宰治から櫻井均への手紙が、櫻井書店から出す約束の単行本をよその出版社から出したいという言い訳の手紙で、文壇の先輩に云われたのでしょうがないなどと、くどくど事情を書いているのが太宰らしい。櫻井均の単行本『奈落の作者』(文治堂書店)も展示されていたが、ガラスケース越しに目次を見ると、作家についてや東京の回想など、とても興味深い内容。同じ版元の雑誌『蝉』の櫻井追悼号とともに、いつか手に入れて読んでみたい。受付で記帳すると、櫻井書店の単行本の表紙を絵葉書にしたのを1枚くれた。中川一政装幀の田中英光『我が西遊記』を選ぶ。ついでに、8枚セット(500円)も買う。あと、櫻井均の句集も出ていたが、そちらは買わず。観てよかったと思う展示だった。明日までやってるので、まだのヒトはぜひ。


地下の新宿展へ。セドロー牛イチローに挨拶。梅崎春生『狂い凧』(講談社)蔵印・少線引きで400円、森奈津子『東京異端者日記』(廣済堂出版)682円、を買う。後者はセクシャルなテーマを書く作家の日記本。じつは、古本屋の出てくるホラー『快楽殿』(徳間ノベルス)の作者の日記本かと思って買ったのだが、あっちは「森真沙子」であった。しかし、コレはコレでおもしろそう。


午後は書類をまとめ、夕方から編集会議。やりたいと思っていた本が、来年は何冊か出せそうだ。ウチに帰り、ゲラ直しなどあれこれ。先日のジャズ喫茶の件で、10月24日の林哲夫さんの日記(http://www.geocities.jp/sumus_co/daily-sumus0510-3.html)にこうある。「ナンダロウアヤシゲな日々(10/22)に永山則夫がバイトしていたジャズ喫茶は「ジャズ・ヴィレッジ」なのか「ビレッジ・バンガード」なのかという疑問が出ていたが、も〜、『喫茶店の時代』の索引を引けばバッチリなんですけど(!)、240〜242頁に出ています。後者」。すいません。この本を見れば載っているかもと思ったのですが、例によって出てこなかったのです。2冊所蔵しているハズなのに……。