お私事は大繁盛

眠い目をこすりながら起き、小川町の簡易印刷屋さんへ。印刷といっても、リソグラフの機械が奥にあるだけで、印刷の知識はあまりなさそうなおじさんが、「うちはコピーと変わりないですから」と云う。「データ入稿? なんですか、それは」というカンジだった。その代わり、安いぞ。色紙を使っても、1万円ちょっと。一箱古本市の告知チラシにはコレで十分だ。ここで刷ることに決めた。なお、「不忍ブックストリート」の日誌は、今日少し更新しました。今後はワリと頻繁に更新し、進行状況を報告するので、ご覧ください。
http://yanesen.org/groups/sbs/


仕事場へ行き、次号の連絡など。「書林雑記@淡路」(http://d.hatena.ne.jp/ginzburg/)と、「生活日報」(http://d.hatena.ne.jp/mashco/)で、「月曜社人文書から撤退」というニュースを紹介していた。慌てて、同社の小林さんの「ウラゲツ・ブログ」(http://urag.exblog.jp/)に行ってみると、たしかに「月曜社人文書や芸術書から撤退して、実用書版元として生まれ変わることをご報告します」として、新刊2点を告知している。おいおい、どうなったんだよと、編集部のタケナカくんに見せると、「うーん、エイプリル・フールじゃないですか?」。たしかにこの2点、タイトルも著者もアヤシイ(固有名詞を検索してもヒットせず)。あとで、同ブログを見たら、エイプリル・フールという一言が。しかし、大胆な冗談やるよなあ。一人で見ていたら、信じ込んでしまったかもしれない。ブログであっても、眼光紙背に徹せよ、という教訓……なのだろうか? 小林さん、この記述に引っかかって、何人ぐらいがメールや電話を送ってきたか、ぜひ後日譚をお書きください。


夕方、ナカマタさんと一緒に、H大のRさんの研究室へ。座談会の打ち合わせ。出席いただけるコトになって、ヨカッタ。電車でウチに帰り、自転車で出かける。大きいほうの自転車は旬公が乗って出かけたので、先日、〈月夜と眼鏡〉さんから譲ってもらった、折りたたみのほうだ。コンパクトでいいのだが、カゴがないので荷物が重いとつらいのと、丸くて足の短いぼくが乗っていると、猿が曲芸しているみたいな感じで、我ながら笑ってしまう。あんまり遠出はできないな。


往来堂書店〉に行き、雑誌やマンガをまとめて数冊購入。近頃、単行本や文庫だけでなく、雑誌まで積ん読するようになっている。とくに、力の入った特集や気に入った連載がある雑誌ほど、後回しになってしまい、「あれ、読んだっけな」と思って探すと、どこかに埋もれてしまうコトが日常的になっている。これじゃ、せっかく買っている意味がないので、雑誌は買った日になるべく目を通すコトに決めた。今日は、『ロック画報』(特集・フリクションクレイジーキャッツ)、『THE DIG』(特集 YMO)を。後者の安田謙一さんのコラムで、3月にマーティン・デニーが亡くなっていたことを知った。また、鈴木さえ子のインタビューが載っていた。『ケロロ軍曹』というアニメのサントラを二枚も出しているのだという。聴いてみるか。この雑誌、オーディオ会社とタイアップしているのか、記事の一部に視聴するシーンが入っているのが、ちょっとフシギ。


雑誌ではないが、ピエ・ブックスの『本の街 神保町古書店案内』もざっと見る。うーん。内容がユルユルなのはしかたない(靖国通り北側の「裏神保町」をやたら押してるけど、冒頭以外は神保町全体のハナシだ)けど、この本、ビジュアルがひどくないか? 写真に魅力がないし、レイアウトはシロウトくさいし、フォントもおっさんっぽい。地図はまったくダメ。神保町のガイドブックとして使えるレベルではないのだから、せめて、見た目で楽しませてくれなければどうしようもない。高野マユタンが、交通新聞社時代につくった『東京古本とコーヒー巡り』のほうが、内容は云うまでもなく、ビジュアル的にも10倍、いや100倍勝っている(そのマユタンもなぜか登場してますが)。予告チラシで、「お姉さん店主に聞く」とあったので妄想が膨らんでいた、「女性店主・スタッフに聞く、ウチのお店、イチオシ本」では、ぼくもよく知っている「お姉さん店主」(アクセスの畠中さん、キントトの山本さん、呂古の西尾さん)ばかりなので、笑ってしまう。ともかく、どうせなら、オビにあるとおり「オトメも満足」するようなオシャレな本をつくってくれよ。そしたら、おっさんも満足するからよ。マイナス100点。


ほかに、菊池直恵鉄子の旅』第3巻(小学館)、小田扉団地ともお』第4巻(小学館)、西原理恵子毎日かあさん2 お入学編』(毎日新聞社)など。『鉄子の旅』はまったく知らない線や駅を紹介してくれて楽しいのだが、ときどき妙にセンチメンタルになるのが好きではない。もうちょっと自分を突き放してほしい(その点で、あびる義明『東京タイムマシン』はスゴかった。まったく売れなかったけど)。晩飯は、スープの残りと出雲そば、焼いたサバ。


更新された岡崎武志さんの日記(http://www3.tky.3web.ne.jp/~honnoumi/frame.okadiary05.03.htm)を見たら、ブログへの移行を宣言しているではないか。すばやいなあ。にとべさんが上京してブログのやりかたを教えるまで、待ってるかと思ったんだが。こうなると、東京在住のブログ体験者が岡崎家に出張講習に行くしかないのでは。やはり、云いだしっぺの晩鮭亭さんが行くしかないんじゃない? 時間が合えば、ぼくも一緒に行きますよ。ああしかし、ぼくにはもうひとつ、「東京スムース友の会」の幹事というお役目もあったんだった。非営利の私事ばかりが大繁盛なのであった。


【郵便物】
留守中の郵便物、全部は紹介しきれない。
★『ぐるり』最新号
南陀楼の「ふたたびの音」。今回は渡辺勝について。
★エルマガ・稲盛さんより 『エルマガジン
★古書目録 黒崎書店、八勝堂、文学堂、荻文庫、山田書店、下町展、杉並展、新宿展、山猫屋
→とても見きれない!