古町から沼垂へ

朝7時起き。上野駅へ。構内の讃岐うどんでぶっかけ食べて、新幹線に乗る。途中まで本を読んでいるが、途中からよく眠った。長岡のあたりでは大雨だったが、新潟駅に着くと曇りだが降ってはいない。いつものレンタサイクルを借りる。気温は高く暑いけど、万代橋を渡るときには風が涼しかった。

常宿の塚田旅館に荷物を置いて、〈北書店〉へ。藤村誠『古町芸妓物語 新潟の花街』(新潟日報事業社)を買う。前に旧版を持っていたが、手放していた。RYUTistの新アルバム『柳都芸妓』を聴いてもう一度読んでみたくなった。古町の13の小路を歌詞に詠み込んだ「夢見る花小路」を脳内再生しつつ、古町を西から東へと走る。

日和山という、上に神社のある小山の中腹にあるカフェ〈日和山五合目〉へ。一階がギャラリーとカフェの注文口で、二階がテーブル席。本棚には新潟の郷土資料がずらりと並ぶ。地元の女性二組が世間話をしている横で、何冊か引き出して眺める。そのあと、商店街のほうに戻り、〈東屋〉でチャーシューメン。やわやわの麺に塩味。うまい。次はそばも食べたい。少し時間が余ったので、〈ドトール〉へ。

古町通7番町の柳都アーティストファームへ。そのうち出る本に収録される予定で、RYUTistのともちぃこと宇野友恵さんにインタビューする。6月の学校町通の一箱古本市のときは顔さえ判らなかったのだが、この二か月でアルバムを聴き動画を見まくって、インタビューの下調べの限度を超えた情報を蓄積してしまった。マネージャーの松木さんの名前も知ってたし。本題を離れて、いろいろ訊きたくなる気持ちを抑えて、1時間半ほど話を聞く。あとから北書店の佐藤店長が来て、聴いていた。

終わって、また万代橋を渡り、メディアシップの新潟日報社へ。記者の方に挨拶に行ったが、思いがけず打ち合わせに発展した。沼垂方面に向かい、〈古本もやい〉。二度目だ。店番は書肆鯖くん。店内で「古本みずのいきもの」という企画をやっている。那覇の〈くじらブックス〉、鳥取の〈汽水空港〉など全国の「水っぽい」屋号の古本屋さん9店舗が本を出している。信濃郷土誌刊行会編『信濃怪奇伝説集』(初版1934、6版1943)を800円で買う。近くの市立中央図書館の郷土資料コーナーで調べもの。今回も面白い資料が見つかる。

〈峰村醸造〉でレンタサイクルを返却。いままで沼垂周辺にはスポットがなかったはずなので、ここができて便利になった。店内で味噌漬けなどを買う。栗の木バイパスを渡り、〈東来順〉でカレーとラーメンのセット。ここのカレーがうまいということは数人から聞いていたが、実際、そば屋のカレー的なものとは違う、スパイスのきいたカレーでうまかった。〈BOOKS f3〉では石川直樹展をやっていた。石川さんを編集長に知床斜里観光協会が発行した『SHIRETOKO! SUSTAINABLE』を買う。知床の人たちがたくさん登場している。

沼垂テラスの〈ISANA〉へ。仙台から来た佐藤ジュンコとISANA店主の中川なぎささんとのトーク。2年前は私も入れた3人でこの店でトークをした。2人の人柄を反映して超ゆるゆるのまま進む。これはこれで面白いと思っていたら、最後にそれぞれイイ話をして締めた。なぎささんの「デラックス」おばあさんの話は、店をやっている人だけでなく何かの場を持っている人なら共感するはずだ。ジュンちゃんが東日本大震災後に描いた絵の線の話もよかった。途中からRYUTistののんの、ともちぃ、みくちゃんとプロデューサー阿部さんも参加して、熱心に聴いていた。

打ち上げは向いの〈大佐渡たむら〉。その席では、主役の2人を差し置いてRYUTistの話ばかりしてた気がする。いい気分で、新潟の日本酒・藤の井や鶴の友をどんどん飲んだので、翌日は二日酔いになった。12時過ぎに終わって、佐藤店長、ジュンちゃんとタクシーに。塚田旅館に戻り、風呂に入って寝たのは2時過ぎ。