すばらしき荒川区

数日間、資料を読んでいたのだが、いよいよ待ったなしなので書きはじめる。2時間ほどで書きあげてホッとする。そのあと、雑用をしているうちに6時過ぎ。千代田線で町屋へ。都電荒川線の停留所脇で、大川渉さんと待ち合わせ。お会いするのは3年ぶりぐらいか。長崎に転勤されていたのだが、東京に戻り、荒川区に住居を移した。先日、新著『東京オブジェ』をお送り下さった際に、ご近所になったので飲みましょうと誘ってくれたのだ。大川さんの飲み友達という、装丁家の中山銀士さんもいらっしゃる。中山さんと云えば、『別冊宝島』をはじめ、ノンフィクション・評論の本の装丁が多い方。なんとなくコワモテの人だと勝手に思い込んでいたが、落ち着いた優しい風貌の方だった。


都電に乗り、荒川区役所で降りる。そのすぐ近くにある〈M〉へ。この辺は図書館に行くときによく通り、この店の看板に「奥様公認の店」とあるのが気になっていた。中に入ると、テーブル二つとカウンター、奥に小上がり。すでに近所の人らしき何組かがいて、藤田まこと死去のニュースで盛り上がっていた。まずはビールで続いてチューハイ。つまみはニラ玉(巨大な円形で肉もたっぷり)、煮込みなど。看板通りの家庭的な店で、落ち着く。1時間ほどいて、こんどは三河島方面へ歩く。〈S〉というカウンターだけのもつ焼き屋へ。この辺もよく来ているはずなのに、こんな店知らなかった。大川さんの嗅覚はすごい。さすがは『下町酒場巡礼』の著者だ。ココは壁がすすけ、トイレも小便器のみというワイルドな店。もつ焼きは1本70円と激安でうまい。ウイスキーハイボールを「ウイハイ」と略すセンスもいいね。


数日前に亡くなった洋泉社の石井慎二さんのことや、高田渡のこと、あるいは平岡正明のことなど、いろんな話が出るが、大川さんがギター、中山さんがハープ(ハーモニカ)を演奏するというのにビックリ。二人ともブルースがかなり上手いようだ。そのうち、ブルースのライブを聴きに行こうということになる。


最後に、三河島駅前通りの中華料理屋へ。ココも大川さんがなんか気になっていたという店で、ギョーザが肉厚でウマい。ラーメンを頼んだら、2杯を3人に分けてくれた。3軒回って飲んで食べて、ひとり4000円ちょっと。荒川区は偉大だなぁ。どこの店も大川さんが開拓した店なので、今日のところはイニシャルにしておく。いずれ自分で再訪したら店名を書きます。


光文社新書のKさんから、遠藤秀紀『ニワトリ 愛を独り占めにした鳥』をいただく。遠藤さんは『解剖男』(講談社現代新書)という著書もある動物学者。面白そう。