二階堂和美で終わる1月

9時前に起きて、飯田橋へ。神楽坂の〈上島珈琲〉でモーニング。10時15分に出版クラブ会館へ。JPIC(出版文化産業振興財団)主催の「読者アドバイザー講座」のスクーリング。100人の受講生に、例によって一箱古本市の話。2年前に同じ講座で話したときは、一箱古本市という単語を知っている人が少なかった、今回は半分近くが知っていて、十人ぐらいが見に来ていた。これまで開催されてない地域や、小学校や中学校で一箱をやってほしいという呼び掛けに、終わってから「やってみたいです」と応えてくれた人が何人もいたことで、かなりの手ごたえを感じる。


出された弁当を食べて、すぐ前にある平野甲賀さん宅へ。公子さんと甲賀さんとで、6月から始めるあるワークショップについての相談。一方的に教えるのではなく、相互に知恵を出し合い、ぼく自身がやったことのないことも射程に入れるものになりそうで、非常にやりがいがあるが、同時に、かなり気合いと準備が必要になるだろう。たぶん2月半ばにはこのブログでも告知できるでしょう。


飯田橋から水道橋に移動し、神保町の喫茶店で1時間ほど考える。そのあと、〈路地と人〉(http://rojitohito.exblog.jp/)で開かれている「半分書店」というイベントへ。言水ヘリオさんが、事務所と同じ建物に借りた部屋を、美術と本のスペースにしている。今日はそこで「半酒場」というイベントがある。遠藤哲夫さんが本とアートについて話すというので行ったのだが、最初から飲み会モードでややとまどい、周りの話をなんとなく聴きながら、ビールを飲んでおでんを食べる。木村衣有子さん、帽子作家の須曽明子さん、tattakaさんらが来ていた。そのうちエンテツさんが下北沢の〈スロコメ〉でやった「泥酔論」のスライドトークがあり、「野暮」の重要性をやぼったく、おもしろく話した。ココからいよいよ論議に入るという感じだったが、次があるので先に失礼する。


7時に〈シアターイワト〉へ。二階堂和美のライブ。席を取っておいてもらったので、平野甲賀さん、金沢〈あうん堂〉の本多夫妻と並んで、一番上の列に座る。140人ぐらい、空席は一つもなし。今回の「うたのイワト」は4夜連続で、今夜はその最終日。ギターを持った二階堂さんが登場し、続けざまに二曲ほど歌い、それから地元・広島で出会って一緒にやっているというピアノの黒瀬みどりが登場。二人のコンビネーションは抜群で、二階堂さんの息づかいを黒瀬さんが一生懸命感じているのが判る。


何度聴いても、二階堂さんの声は素晴らしい楽器だと思う。低いのから高いの、うわずったから落ち着いたのまで、さまざまな音色を奏でる。そこに、まっすぐな歌詞が乗るのだから、最強だ。カバーでもいい歌詞の曲ばかり取り上げる(今回でいえば、くるりのとか、忌野清志郎のとか)。そこまでは、CDでも伝わると思うのだが、ライブでしか体験できないのが、彼女のテンションの高まりだ。うたっている自分を制御している自分がもう一人いて、うまくバランスを取っているのだが、次第にうたに没入している自分をコントロールできなくなる。その瞬間、赤ん坊に戻ったように、叫び、動く。そういうときは、曲が終わったあとに話す言葉も、よく判らない。それでも観客にはすべてが伝わっている。ことばを超えたコミュニケーションが成立しているのだ。今回は前半の終わりの数曲でそれを体験し、休憩に入っても、しばらくボーゼンとしていた。


後半では、親戚の子が小学校でやった劇をそのまま再現したのがおもしろく、たのしかった。最後の曲を終えたあとも、二度のリクエストにこたえて、三曲もやってくれた。終わったときには、2時間半が過ぎていた。今日初売りというCD[solo](カクバリズム)を買う。たくさんの人が並んでいるので、サインはあきらめて、東西線で帰る。一日中外にいて疲れたけど、1月の最後を二階堂和美のライブで終えることができて本当にヨカッタと思う。


ちなみに、二階堂さんがMCで触れていた、山口県祝島原発建設で島中が揺れているという)での「伝説のライブ」の衝撃映像はこちら。島のおばちゃんたちとがっぷり四つに組んでます。


昨年に続き、今年も長野県・小布施町一箱古本市が開催されます。

一箱古本市 まちとしょテラソ市in 境内アート小布施×苗市 出展者募集開始


まちとしょテラソ市とは・・・リンゴ箱に中古本を入れ、販売する古書のフリーマーケットです。2005年に東京の「不忍ブックストリート」で始まった「一箱古本市」その小布施版が「まちとしょテラソ市」です。
是非!お店のオーナーとして参加ください。
今年は、玄照寺にて開催される「境内アート小布施×苗市 」での出店!!です。
出店は、先着30店限定
第1日目はアーティストたちの交流!春の宵・大懇親会もあります! 
先着100名です。


2010年4月17日(土)、18日(日)
http://machitoshoterrasow.com/ichi_2010.html